4日目   与 那 国 ひ と ま わ り

 

 朝食は7時30分から。民宿の朝食として標準的なものだろう。写りが悪いが、白いのは目玉焼。

 話し好きの客がいて、いろいろ教えてくれる。無料バスの裏事情や西崎から見える台湾のこととか。ちなみに、前日西崎から見えたと思ったのは台湾ではないとのことだ。

  

 車は9時に出発なので、30分ほど祖納集落を見て歩くことにした。

 外に出てみて、雨こそ降っていないが風がかなり吹いている。果たして大丈夫なのだろうか。心配になる。

 この集落は、赤瓦の家がかなり多い。

 
 竹富島とは違って、与那国島の赤瓦の家にはシーサーはつけられていない。また、竹富島のように保存地区になっているわけではないので、赤瓦の家とそうじゃない家が混じっている。また、赤瓦といっても、くすんでしまって、あまりきれいじゃない赤瓦になっていることも多い。

 ほとんどが平屋の家ばかりなのだが、赤瓦の2階建てもあった。  

 石敢當(いしがんとう)。魔よけの一種で、魔物が家に入ってこないようにするものだ。特に、T字路になっているところに多い。魔物はまっすぐやってくるという性質があるといわれているからだ。

 中国南部や台湾でよく見かけ、沖縄にも多いが、この島ではとくにたくさんの家にとりつけられている。中国南部や台湾と同一の文化圏であったことをうかがわせるものだ。

 

 
 下水道のマンホール。ヨナグニサン、カジキ、与那国馬という、与那国を代表する生き物たちが描かれている。
 
 宿に戻り、荷物をまとめて、チェックアウトして待っていると、車がやってきた。最初に、回って欲しいところを説明。

 困ったのはいくら払うかだ。タクシーがもしあれば、3時間で島一周15000円というのが相場のようだ。これは、宿にあった、元タクシー会社の案内からわかっている。これを頭に入れておいて、2時間で島の東部一周のコースでいくら払うか交渉し、謝礼の額を決めた。

 で、出発の段になって、風がいよいよ激しさを増して、雨も降ってきた。まず向かったのは、浦野墓地群。

 

 巨大な墓が並ぶ。日本の感覚では、お墓というよりは、古墳に近い感じだ。あたり一面、ドーム型をした大きな墓が並んでいる。中国ではこれに似た墓地を見たことがあるが、中国の影響なのだろうか。

 ほとんどが、茶色く色づいて年代がかっているのだが、中には新しいものもあった。昨年、改修されたばかりだという。また、少し離れたところに、島のお金持ちの方が建てたという巨大なピラミッド型の墓もあった。

 次に、東崎(あがりざき)へ。その手前に風力発電の風車があった。

 

 

  

 東崎には、灯台のある高台とは別に、海岸にほど近い場所にも展望台があった。風がきついこともあって、波は壮観。怖いくらいであった。
 

 次に、灯台の方に行こうとすると、牛が通せんぼ。風がきついので、一時的に、ここに移動させられてきたようだ。 

 

  

 牛をよけて、灯台近くの展望台へ。風がきつく灯台のそばまで行くのは、吹き飛ばされるのではないかと怖くてできなかった。
 
 続いて、サンユニ台と軍艦岩を見るはずだったのだが、入れなくなっていた。

 半月ほど前に、遊歩道が壊れたのだが、町に補修の資金がなく、当分入れないのだという。

 見られたとしたら、階段状の岩があって、海底遺跡に似ているのだという。そんなことから、海底遺跡も自然現象だという説も強い。

 次は、立神岩。

 まずは展望台から眺めたのだが、もっと近くから眺められるところもあるということで、行ってみた。

 確かに、展望台からよりも間近に見ることができた。

 もっとも、ここは草地の中を歩いて絶壁近くまで行くので、案内がなければ危ないと思った。特に、このときは風雨が強かったので。

 比川集落に到着。「どぅなんだぎヌあぐの木」とよばれる、あぐの木の大木を見た。

 この木は、沖縄県でも一番大きな木であるらしい。また、沖縄では珍しい落葉樹だとのこと。

 このころになると、風雨も緩くなり、なんとか飛びそうだなと感じた。

 

 ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケセット。

 与那国島の人気スポットとなっている。 

    

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 閉まっていることがほとんどらしいが、たまたま行ったときには空いていて、内部も見ることができた。

 与那国海塩。手作りの製塩を行っている。一袋購入。

 

 

 アヤミハビル館。この島に生息する、世界最大の蛾である「ヨナグニサン」など島の生物の展示施設。

 この日は、祝日なので休館。でも、外だけでも、ということで行った。

 与那国民俗資料館。話し好きのおばあさんが案内してくれる。

 

 

  

 与那国町伝統工芸館。織物の実演の見学。
 
 11時過ぎに空港まで送ってもらい、与那国の見学も終了。

 飛行機が飛ぶことがはっきりし、一安心。すぐに、チェックイン。この空港は、自動チェックイン機は置かれておらず、手作業。

 台風は、この日の夜から翌朝に、石垣、与那国地方を通るようだ。1日違いじゃなくってよかった。
 
 空港内のレストランで昼食。長命草ざるそばを注文。

 

 

  

 いよいよ与那国島ともお別れ。
 
 石垣到着時、石垣から那覇行きの搭乗時とも、雨のためかバス連絡。バスは、普段は、路線バスとして使われているものが、臨時に使用されたようだ。

 

 

  

 石垣空港でこんなに多くの飛行機を見るとは思わなかった。那覇行きに搭乗。
 
 那覇空港では、着陸かなと思ったら、着陸せずに上昇。タッチアンドゴーかな。あとの説明では、横風が強かったので、着陸しなかったとのこと。

 2回目には無事着陸。あとで到着便の案内を見ると、あとで出発した便のほうが先に到着していた。(JTA612に搭乗したが、後発のJTA614が先に到着)

 

 台風の状況をチェック。石垣、与那国へ直撃のようだ。あぁ、半日前に那覇に脱出できたようで、ほっとした。

 それにしても、わずか4日の旅なのに、行き帰りと2個の台風にヒヤヒヤさせらるとは思ってもみなかった。

 
 待ち時間を利用して、早めの夕食。空港内で海ぶどう丼。

 

 

 

  

 那覇から関西空港はANAを利用。バス連絡であった。
 
 バスに乗車中、爆発した中華航空機の解体作業が行われていたのが見えた。ほぼ解体が終わり、搬出もほとんど終わっている感じ。

 3日前に見たときは、まだ機体がそのままあったのが、今は、このような状態になっているとは、、

 バスに屋根つきタラップが取り付けられたので、階段途中の窓から撮影。

 台風2個に遭遇しながら、予定通りの旅ができたとは、ラッキーだった。やはり、9月に沖縄に旅行するのは避けたほうが無難だと実感した。

 このあと、無事に関西空港着で旅を終えた。八重山諸島にはまだ行ってない島もあるし、また行きたい島もある。また、行ってみよっと。

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