10  ラーゴス&サグレス

 

 

ラーゴス

 上左  この日はファーロを拠点にしてサグレスまで1日エクスカーション。朝食のつかない宿なのでパンを前日に買っておいた。

 上右  始発列車でラーゴスに向かう。始発と言っても7時17分発。6時半に宿を出て、駅ではラーゴス行きとともに翌日にリスボンに向かうときの切符もあわせて購入した。

 左  ラーゴス行きの車内。集団見合い型の座席。途中駅までは電化されたリスボン方面と同じ線路を使うのだが、そこ以降は非電化なので、ディーゼルカーである。

 上左  本来8時52分にラーゴス着であるのだが、10分ほど遅れて到着。始発なのに9時に到着とはのんびりしている。

 上右  駅舎はとても新しい。つい最近に移転したような感じだ。

 左  古い駅舎。壁にはタイルがついていてポルトガルらしい駅舎だが、今は特に使われないまま放置されているようだ。

 駅からヨットハーバーを横に見てバスターミナルに向かう。写真をとっていたら、ボートの客引きから声がかかるが、対応するのも面倒なので無視して立ち去る。
 さらに歩くと、はね橋があった。真ん中のところに切れ目のついていた橋だった。はねている状態を見たいものだ。渡った先にバスターミナルがある。
 バスターミナルが見えてきた。と思ったとき、バスが出て行ったが、もしかしてサグレス行きかと思った。

 バスターミナルに着いたのが9時20分。なんと5分前にサグレス行きが出たばかり。ガァァン〜。さきほどのバスはサグレス行きだったのだ。

 でも、次のバスは10時30分で、そのバスはサン・ヴィンセンテ岬に行くじゃないか。それで、サグレスからの帰りに立ち寄るつもりだったラーゴスを1時間で大急ぎで見てまわり、10時30分発のバスでサン・ヴィセンテ岬にまずいってから、そのあとサグレスに行くことにした。

 

 バスターミナルからみどころが集まっているエリアまでは1kmほどある。だから1時間で見て回るというのはかなり無理がある。

 メルカドはあとで時間があれば立ち寄ることにして、どんどん進むと街の中心だというジル・エアネス広場にやってきた。

 ジル・エアネスは、カナリア諸島の南のボジャドール岬を越えて探検せよとエンリケ航海王子に命じられ、当時は”煮えたぎった海”と恐れられた海の探検を初めて行った人物である。ジル・エアネスが出発した港はここラーゴスであった。

 さらに進むと4月25日通り。ここがラーゴスで一番にぎやかな繁華街らしいのだが、まだ10時前で店も開いておらず、歩く人も少なかった。
 
 少し道に迷ったが、みどころが集まるエリアにやってきた。

 まずは奴隷市場。小さな建物である。15世紀にヨーロッパで最初の奴隷市が開かれた。かつて、アルガルヴェの首都であったラーゴスにはアフリカからさまざまな富とともに奴隷もつれてこられた。この建物は18世紀の大地震のあと再建されたもの。

 行ったときには現代アートの展示場として使われていたが、まだ開いていなかった。

 上左  奴隷市場と広場を間にして向かい合っているのがサンタ・マリア教会。エンリケ航海王子は一時、この教会に埋葬されていた。その後、バターリャの修道院に遺体が移された。

 上右  教会の前にはエンリケ航海王子の像がたっている。1960年に没後500年を記念して建てられたもの。

 左  バンデイラ岬要塞。ラーゴスの港を守るためにつくられた要塞。中には博物館があるが、訪問した月曜日には開いておらず、入れなかった。

 メルカドには冷たい飲物を買うために入った。きれいで明るいメルカドであった。

 バスターミナルに戻ると出発10分前。1時間で回った大急ぎのラーゴス街歩きだった。

サン・ヴィセンテ岬

 上左  10時30分発のサン・ヴィセンテ岬行きのバスに乗車。満席だった。このバスはサグレスまで途中の大きな停留所1つをのぞいてニンストップなのでほかのバスよりも早い。いったん、サグレスに立ち寄ってサン・ヴィセンテ岬まで30kmほどを50分で走った。

 上右  サン・ヴィセンテ岬に到着。ほとんどの客はこの岬までやってきた。

 左  サグレスは大きな要塞があるのだが、こちらは灯台があるだけだ。ヨーロッパ最南西端がサン・ヴィセンテ岬かサグレス岬かなのだが、どちらがそれにあたるのかは不明。

 
 灯台の敷地には売店やトイレがあったのだが、灯台には入れなかった。
 灯台のある岬とは別の突端がつきでていて、海岸線は断崖になっている。
 断崖の上は石や岩に覆われていて歩くのが大変だ。しかし岬の左手に広がる断崖の端まで行ってみた。

 数km先にはサグレス岬も見えている。

 断崖からサン・ヴィセンテ岬を眺める。

 バスの折り返し時間40分はあっという間に過ぎてしまい、サグレスに向かう折り返しバスに乗車。

 このバスは、ガラガラであった。サン・ヴィセンテまで乗った客はたくさんいたのだが、その人たちはどこに消えたのだろう。

サグレス

 サグレス要塞に行くために、バスを最寄のバス停で下車したが、それでも1kmあまりの道を歩かねばならなかった。しかも日差しの強い中、日陰のまったくない道を。

 下左  ひたすら歩いて、ようやく要塞が近づいてきた。ここにはエンリケ航海王子が航海学校を開いたとされるが、そんなものはなかったという説もある。

 下右  要塞の入口に到着。ここに入ると、すぐに入場券売場がある。そして、要塞の内側に出る。

 要塞の上に上がってみた。今しがた歩いてきた道がよく見える。その距離を見て、われながらよく歩いたものだと思った。また、道以外は岩石が露出して歩きにくそうな地面であることもよくわかる。
 要塞の上から見た巨大な風光盤、ローザ・ドス・ヴェントス。直径は43m。どのような使い方をしていたのかがよいくわからない。
 エンリケ航海王子の記念碑。

 下左  岬の突端をめざして歩き始めた。右手にはサン・ヴィセント岬が遠くに見えた。

 下右  拡大してみると、灯台のある岬の手前に、歩きにくかった別の突端も見える。

 
 
 
 上左  遊歩道を歩いて岬の突端をめざした。 

 上右  絶壁の上で釣りをする人をちらほら見かけた。立入禁止のエリアに入って、危ない危ない。絶壁なので、海面はかなり下の方だ。いったいどれだけ糸を垂らすのだろう。

 左  岬の突端から海を眺める。何もない大海原。すぐ近くをボートが走っていた。岬は強風のため断崖を覗き込むことはできない。

 15分ほど歩いてようやく灯台が見えてきた。柱の部分が四角くて新しい。崖の直上にあるのではなく、断崖からは少し中に入ったところにある。
 海鳥を直近で見ることが」できた。
 なぜか現代アート?が要塞の近くに置かれていた。常置されているのだろいうか。あまり意味がないから、取り去ったほうがいいと思うのだが。
 要塞を出て、1kmくらい歩いてサグレスの市街地に向かった。ここにもエンリケ航海王子の像があった。

 下左  もう15時近くにもなっていたのだが、何も食べずに歩き続けていた。

 バスの出発時間がせまっていたし、何かすぐに食べられるものと思い、ホットドッグをやっている店を見つけた。

 ホットドッグ1つに時間がかかるなぁと思っていたら、手のこんだホットドッグが運ばれてきた。

 下右  飲物はビールで。そういえばポルトガルに来て以来、飲物はワインばかりで、これが初めてのビールだった。 

アローシュ・デ・マリスコ

  上左  昼食のあとバス停へ。サグレス行きのバスはたまたまサン・ヴィセンテ岬からやってきたバスでサグレスからラーゴスの間、1つの停留所に止まるだけ。30分あまりでラーゴス着。

 上右  ラーゴスでは、すぐにファーロ行きの列車がなく、1時間近い余裕があったので、メルカドに行ったもののすでに閉まっていた。あてもなく街を歩いて時間をつぶした。そして列車でファーロへ。

 左  前日に見たお菓子をもう少し簡単にしたようなお菓子を見つけて、土産として買った。

 2時間ほど宿で休憩。

 20時をすぎ、夕食のために外出した。前日のレストランのすぐ近くにあるレストラン「イルマオス」へ。

 間口は狭いが、中はとても広いという点は、前日に訪問したレストランと同じであった。

 

   

 

 

  前菜は何種類か運ばれてきたが、コロッケとシーフードサラダをいただき、あとは下げてもらった。あとパンはいただいた。

 左左  飲物は白ワイン。

 左右  保冷用の巻物でラベルが見えにくかったので、はずして撮影。

 鍋ごと運ばれてきたアローシュ・デ・マリスコ。海鮮リゾットだ。具がふんだんに入っていて、スープはエキスがでていて、実にうまい。

 下左  取り皿にとっていただく。

 下右  食べ終わったあと、海産物の殻がずいぶん出た。

 宿に戻り、ファーロ最後の夜をすごした。