part2 - 2日目前半   

 6時すぎにホテルを出発。台北車站発6時45分の台東行「自強」号に乗車。 日本の特急に相当する感じで、最も早い列車である。日本と違うのは、普通運賃プラス特急料金ではなく、「自強」号の運賃が決まっていると言うこと。

 これから乗る端芳までは80元(約270円)だった。「電車」なら52元(約180円)なので、その差が特急料金のようなものである。日本なら普通運賃だけで1000円近くかかりそうな距離なので、台湾の鉄道運賃はかなり安めだといえる。

 「自強」号は全車指定席のようだが、発車20分ほど前に買って、何とか席があった。ほぼ満席という感じではあった。上の画像は車内であるが、車両の中間にアーチがある。その前と後で座席に違いとかは特にない。何やら中国風の感じのする仕切りだなと思った。

 発車してすぐに、駅構内のコンビニで購入した鉄道弁当を開ける。台湾は日本の駅弁文化が保存されており、台北車站にはコンビニだけではなく、弁当専門の店もあった。駅以外のコンビニでも弁当を売っているようだが、一部の弁当には鉄道弁当と書かれている。

 この鉄道弁当は、「奮起湖弁当」という名前がついていた。60元(約210円)とこれまた安い。ご飯の上に、鶏肉、牛肉、卵、厚揚げなどがのっていて、味、量とも申し分ない。

 7時25分に端芳着。山間の小駅という感じである。ここが九[イ分](イと分で1字)へいく場合の下車駅だが、まだ早朝のためか、観光客らしき人は誰もいない。あとで、大勢の観光客を目撃したので、9時を過ぎるとかなりの混雑になるのだろう。早くやってきて正解だった。

 上の画像は、乗車した「自強」号の最終尾。平凡な形をしたディーゼルカーである。

 駅を出ると、小さな商店街。撮影している場所付近にバス停があり、ここから金瓜石行きのバスが基隆からやってくるので、これに乗車する。

 バス運賃が乗車前にわからないのが難点。幸い下車する際に払えばよいシステムだったので、運転席近くに貼ってあった運賃表を見て降りるまでに用意ができた。もっとも、帰りは乗車時に払わなければならなかったので、こういう場合、運賃がわからないので困る。

 九[イ分]には8時ごろ到着。九[イ分]バス停ではなく、旧道というバス停で下車するのがよいとガイドブックを見て知っていたのだが、どうして九[イ分]じゃいけないのかわからなかった。現地へ行ってみてその理由がわかった。

 上の画像のように九[イ分]は斜面にへばりついたような町なのだ。九[イ分]のバス停は、画像の右下付近にあるのだ。だから、そこで降りると、町の中心には長い階段を上らなければならないのだ。

 旧道を降りると、すぐに商店街がある。細い路地の両側に土産物屋が軒を連ねていて、一部はアーケードがついている。山の中に突然、観光客向けの商店街があってびっくりした。もっとも朝8時なので、まだ店のほとんどは開いていない。週末は10時を過ぎると、大変な混雑になるとのことだが、人を気にすることなく普通に歩けた。

 商店街を500mくらい歩くと、九[イ分]の町の上と下をつなぐ階段に出た。その階段の一角に「悲情城市」という喫茶店があった。画像の中の文字が読み取れるだろうか。

 「悲情城市」は有名な映画なのだが見たことはない。台湾のことを調べていて、228事件のころの様子を描いた映画だとわかったので、いずれは見てみたいと思った。

 映画の撮影が行われたのは、看板が出ている側の店ではなく、左側の店のようである。で、左側の「九[イ分]珈琲」という店に入るつもりだったのだが、この店に限らず、ほとんどの店が9時や10時からの営業開始のようだったので、入るのをあきらめた。

 上の画像はかつての映画館跡。「昇平戯院」という名で、かつては大変にぎわっていたらしい。この画像の右側の建物は、「悲情城市」の看板が出ていた建物である。

 階段の先にも続いている商店街を進むとやがて展望台に行き着いた。右上には海も見える。

 九[イ分]の名物が芋圓。イモで作った団子だ。熱いのと冷たいのがあり、かき氷の入った冷たいのを食べた。大きいサイズのカップラーメンほどの容器に団子と豆などがてんこ盛りで、全部を食べると満腹になった。これで35元(約120円)。

 1時間半ほどで九[イ分]の散策を終えて、再度、商店街を抜けてバス停に向かった。そろそろ観光客が増えてきた。旧道のバス停で金瓜石行きのバスに乗ったが、多くの観光客が同じバスから降りてきた。

 バスは10分ほどで終点の金瓜石に到着。バス停のそばが、観光エリアの入口になっていて、チケットを購入。少し歩くと、日本式長屋があったが、修復中で、どんな建物かまったくわからない。さらに少し行くと「環境館」という展示施設があり、金細工の展示や付近の自然の紹介をしていた。

 次にあったのが「太子賓館」。昭和天皇が皇太子時代に台湾を訪問したときに滞在した建物である。日本式の庭園などがある。

 このあと500mくらい歩いて黄金博物館。金瓜石はかつて金鉱として繁栄したが、かつての繁栄ぶりや金の採掘方法などが展示されている。フィルム上映もあって、時間をかけて見学した。

 展示品のひとつである金塊。

 10時30分から坑道内を見学できるようになっていた。時間が決まっていて、このつぎは13時だったので、この時間に合わせた。トロッコに乗って中に入るものと思っていたが、歩いての見学であった。

 入口から内部を見た様子。ここを歩いて中に入った。内部では、金の採掘の様子などが展示されていた。15分くらいで見学。

 黄金博物館のさらに上のほうに黄金神社跡があり行ってみた。それほど遠くないが、延々と石段を上ることが必要で20分以上かかった。柱と灯篭が残されているだけだった。ここからの眺めはとくによかった。

 このあと、バス停に戻ると12時を回っていた。しばらく待って基隆行きのバスに乗車。

 

1日目へ   台北のトップへ    全体のトップへ     2日目後半へ