日 目  基  隆

基隆へ

  2日目は基隆をぶらぶらするつもりだ。基隆は以前、夜市は行っているが、そのほかは行ってない。この日は基隆を見て回ろうと思う。

 8時過ぎにホテルを出発。台北駅にすぐにつき、食事をしようと思ったが、駅の中で開いているお店がみつからない。いまさら、駅の外まで行って、開いているお店で朝食というのも面倒なので、朝食は駅のコンビニで肉まんを買って、立ち食い。

 8時30分発の基隆行きの区間車に乗車。基隆までは41元(約120円)。

 1つ目の駅である「松山」は地下にあった。確か、駅の近くの夜市に行った帰り、地上の駅から乗車したので、いつの間にか地下化されていたのだろう。その次は、「南港」。この駅をすぎて地上に出た。帰国後。調べたら地下化は2008年だったそうだ。自分は地下化ののち、自強号ではこの区間を乗っているが、気づかなかったようだ。

 その次は「汐止」。なんとなく日本の”汐留”を連想させる。あたりは、台北の郊外で都市化がすすんでいる。

 「八堵」で東部幹線から分岐して、2駅走ると「基隆」。乗車していた電車の先頭部はなかなか変わった形だと思った。

 日本と台湾を船で行き来していた時代には、台湾の北の玄関であった「基隆」。駅の構内もかなり大きいが、かつて線路がたくさんあったであろう部分が工事中で、使用中のホームは改札と同一平面で行き来できる3線だけであった。

 改札を出ると「基隆站旅客疏散平面図」が頭上にあった。かつて大陸との間が緊張状態にあった当時のもののようで、「防空避難所」が地下道を利用して設置されている。この手の掲示は以前、嘉義でも見た。

 現在は「第二月台」の部分は工事中であり、地下道も探してみたけれども。どうもなくなっているようだった。(現在は「第二月台」が、図の「第一月台」の一部を切り込む形で設置されている。)昔のものが、そのまま放置されているようだ。

  駅前の広場には、日本建築であろう古そうな建物があった。この写真の右下部分が市内バス乗場になっている。

 この建物、今は「陽明海洋文化芸術館」となっているようだ。また1915年の建築であることもわかる。

 帰国後調べてみたら、建築当初は、日本郵船ビルだったそうだ。日本郵船の基隆の事務所だったのが、今は台湾の船会社のものになりミュージアムとして使われれる。

  隣にある「海港大楼」と書いてある建物も古そうなので撮影。帰国後調べると、1934年に建造の基隆港合同庁舎で、税関や港関係の役所のほか郵便局や派出所なども入っていた。

 今も、台湾の税関が使っているようだ。

 

 上左  さらにすすむと旅客ターミナルがあった。中国からの船が中心なのだろう。旅客ターミナル横から港を眺めた。

 上右  駅に戻る。バス停から見た駅舎。

 左  101のバスで終点の和平島に向かう。運賃は不明だが、ユーユーカードが使えるので気軽に乗れる。

和平島

 バスは25分ほどで和平島に入った。海浜公園が目的であったのだが、下車するのは終点がいいらしい。和平橋を渡って島に入り、和平島公園というバス停があり、降りるかどうか迷い、降りなかった。やがて、バスは先ほど渡った橋のそばを通って、すぐに終点だった。先ほどのバス停で降りたほうがよかった。

 仕方がないので、終点から歩くことにした。ただ、和平島公園のバス停から歩くのとは違うルートになるようだ。雨が降っているのでちょっと大変。

 バスを降りたあたりは水産物の店が並ぶ。

 和平島は基隆の港の入口に位置している。貿易港である基隆の港は湾の奥のほうで、駅前からバスでやってくる途中に貨物船が停泊していた。それに対して、和平島の近くにある港は漁港である。

 貿易港のほうを内港、漁港を外港と表記している案内図もあった。

 魚屋を少し見て回った。車で乗り付けてきている客も多い。台北あたりからきているのだろうか。

 

 

 

 

 

 左  龍目井。由緒ある井戸のようだ。

 上  今は機械で自動取水していて風情に欠ける。案内板で昔は普通に水をくみ上げる井戸だったことがわかる。

 

 

 

 

 

 左  社寮砲台。大砲があった穴だけが残されている。ここに上がるには、車道から15分ほど歩く必要があった。

 上  砲台の下の部分。ここで大砲を操作したのだろう。

 社寮砲台から見た和平島海浜公園。千畳敷のようなところだとわかった。

 この日は雨だけじゃなく、風もあり傘が吹き飛ばされそうだった。波もきつくて、千畳敷が波にさらされている。海岸まで行って波がきついようなら海浜公園は断念しようかと考えた。

 さて、海浜公園に続く遊歩道の入口までやってきた。落石が危険なために、遊歩道は閉鎖されていた。

 波の程度によってどうするか考えるつもりだったが、その必要もなかった。

 和平島海浜公園の端の部分にて。

 先ほどと同じ道を引き返してバスの終点まで戻った。これで和平島の観光は終わり。

 

雨の中の基隆散策

  魚屋が並ぶ中に海鮮料理屋もあり食べようかと迷ったが、まだ11時ごろだったこともあり、今回はパスすることにした。

 和平橋を歩いて渡り、島から台湾本島に戻った。このとき、橋の上はすごい風で、海上の風の強さを感じた。

 橋を渡ったところに残る廃墟が八尺門駅。橋から少し坂道を上ったところだ。

 金瓜石で採れた金鉱や銅鉱の輸送を目的に1930年代に建設された12.3kmの軽便鉄道の終点がこの八尺門駅。駅に隣接して鉱石積み出し用の港がつくられた。金瓜石の鉱石は軽便鉄道によってここに送られ、ここから日本に輸送された。

 

 この軽便鉄道は旅客輸送もしていたということが、旅客用のホームは撤去されてどこにあったかわからなかった。当時は端芳と基隆を結ぶ足としても重要であった。

 鉱石を積んだ貨車は、3階部分に入ったという。ここが3階部分。そして、鉱石を1階へ落として、船に積み込んだという。

 次の目的地である水産館までの間、1kmほど、この地区のメインストリートである中正路を歩いた。

 古い建物が多いうえ、商店のなかに、二輪車や機械を修理する店が多くて、建物や道路が黒ずんでいるのだ。この日は雨が降っていたので、余計に暗いイメージを持った。

 1934年に建てられ、日本統治時代は、水産館として、海事局、水産試験所、漁業組合事務所などが入居していた。当時はこの界隈の中心になっていたビルであった。漁業組合ビルとなり、水産会社などが入っている現役の建物である。

 下左  内部の廊下。

 下右  2階に上がる階段の踊り場からの様子。

 水産館を見た後は、バスで市内の中心部へ。中 正公園へ行くためであるが、どこで降りればよいかよくわからず適当に下車した。

 降りたあたりは、コンテナを積み込むターミナルの横であった。クレーンでコンテナを積み込む作業をしていた。

 上左  中正公園に上がる坂道の手前にあった弁当屋で昼食をとることにした。50元(約145円)の弁当ってどんなだろうって思ったのだ。

 上右  店内。すでに13時も回り、客も来なくなってきたようだ。

 左  弁当。肉丼ふうで、野菜のおかずもついている。

 上左  中正公園へは小道を歩いて上がった。途中、とても狭い階段を上がる区間もあった。

 上右  中正公園に上がったところに巨大建造物があってびっくり。中は祭祀に関するミュージアムだったが、面白くなかった。

 左  展望台からは基隆港がよく見えた。山の中腹にはKEELUNGの文字があった。夜間はライトアップするのかな。

 中正公園はとても広い。15分ほど歩いて巨大な観音さまの像にたどりついた。

 さらにすすむと、別のモニュメントがあったのだが、雨も降ることだしパスした。

 以前もやってきた基隆・廟口夜市へ。あまり大きくはなく、200mほどの間の道の両側に屋台が出ている。16時前になっていて、夕食も近かったので、ここでの食べ歩きはパスした。
 上左  16時発の区間車で台北に戻った。

 上右  乗車した区間車の車内。以前は区間車といえば、横に長いシートばかりであったが、朝に乗ったときもだったが、MRTと同じような配置の座席であった。

 左  台北に到着後、台鉄弁当を買った。明日の朝食用にだ。

ミニオフ会

 この日 の夕食時にはスペシャルイベントがある。ネット上でおつきあいいただいているkimcafeさんとミニオフ会の約束をしているのだ。台北車站で待ち合わせて向かった先は「京鼎楼」。

 kimcafeさんは、同時期に台湾を旅行されていて、台南、嘉義、台中と回って、屋台グルメめぐりをしていらっしゃる。この日は台北泊まりとのこと。

 店につくと人だかりがしている。名前を言って順番待ちをするようだ。20分ほど待たされた。

 生ビールを注文したら、台湾ビールの生の瓶入りが運ばれてきた。

 このビン入り生ビールを見たのは初めてだ。台湾ビールのビン生は飲んだことがあるがこんなビンではなかった。

 それもそのはず、帰国後に調べたら、2012年6月から販売され始めたばかりのようだ。ビンにはonly 18 days と書かれていて、賞味期限18日というのがウリのようだ。

 台湾ビールは飲みやすいが、生ビールも飲みやすい。

 kimcafeさんとは、海外旅行のことや、ネット生活のことなど、話がはずみ、時間を忘れるほどだった。ビールと料理もそっちのけで話していたという感じだった。

 

 烏龍茶小籠包。
 蟹味噌小籠包。
 糯米焼売(もち米シュウマイ)。
 空芯菜。

 2時間ほど歓談して、店をあとにした。台北車站で再開を約束してわかれ、ホテルに戻った。

  kimcafeさんありがとうございました。

 

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