4 日 目  台 南 か ら 高 雄 へ 

 

台南食べ歩き最終日
  いよいよ大晦日。台湾で年越しになるのは初めてだ。この日も朝食は、ホテルの朝食は食べずに、サバヒー粥を外食することにした。

 この日は、以前から気になっていた悦津鹹粥へやってきた。西門円環の北東部分にある。看板には24時間営業を表示している。しかし以前入店したとき、ちょうど清掃時間にあたっていて、食事できなかったことがあり、ぜひこの店で食べてみたいと思っていた。
 
 〇〇鹹粥という店は台南にいくつもあるが、粥の店でメインがサバヒー粥になっている。ところが悦津鹹粥は、粥とともにご飯ものが柱になっている店のようだ。おかずを選んで皿に入れてもらう自助餐だ。これを24時間やっているとはすごいことだ。
 
 自分が注文したのは、純肚粥だが、ほかの店では魚肚粥としている、サバヒーが一匹入った粥だ。100元。

 下左  小皿に入れた醤油をサバヒーにつけていただく。

 下右  店内。店内は数席しかなく、メインは屋外席。今回は店内の席でいただいた。

 
 
 
 ホテルへ戻る途中、日本統治時代の料亭、鶯料理に立寄った。鶯の料理を出すのではなく、鶯料理という店名だ。日本家屋として保存されている。

 本来は、建物の中にも入ることができるのだが、訪問時にはたまたま工事中で中に入ることはできなかった。外観だけを見た。次回は中に入ってみることにしよう。
 上左  ホテルで1時間少々休憩のあと正午前にチェックアウト。

 台鉄の東側に向うために、台南後站への地下道を通った。

 上右  後站の改札口。台湾にある後站はなくなりつつあり、台南の後站は貴重な存在だ。

 左  台鉄の東側で最初に行ったのは日本統治時代の台南県知事官邸。普段は知事の官舎として使われた一方、皇族の台湾訪問時の宿舎となった。台湾で皇族の宿舎として現存しているのはほかには台北賓館だけだ。解体されたものとしては台中県知事官邸がある。
 
 上左  官邸内はショップやカフェとして利用されていた。

 上右  2階の外壁の外側の廊下。

  左  1923年、皇太子時代の昭和天皇が台南を訪問したが、その際の宿舎となったのもここだった。

 2階の1つの部屋に皇太子時代の昭和天皇のパネルが置いてあった。
 
 
 上左  昼食のために行ったのは品香菜粽肉粽専家。

 大東夜市の近くだ。写真を撮影した自分の背後が公園なのだが、この公園に面して、大東夜市の0番のバス停があり利用したことがある。

 上右  粽を注文したら、店員が、笹の葉で包んであった粽の笹の葉をはがし、中身だけを皿に盛りつけていた。

 左  八宝肉粽。100元。いろいろな具が混ざっていて、この店では一番値段が高い粽だ。台南で肉粽といえば再発号が有名だが、そこより安く、少し大きい感じがする。味に差はない。
 
 椀粿。米粉を練って、豚肉やしいたけなどを混ぜて蒸した料理。30元。

  醤油味のタレで茶色いのだが中身自体もしいたけの出汁などで茶色っぽい色がついている。見た目はプリンに近いかな。
 
 
 上左  肉粽をいただいたあと、デザートを食べに日式喫茶のカドヤに向った。

 途中、府連路を通るのだが、東西方向も南北方向も府連路。道順を調べてはおいたのだが、こういう場合ちょっと困る。台湾ではこのパターンがときどきあってややこしい。

 上右  カドヤに到着。なんだか日本の昭和時代に普通にどこにでもあった喫茶店だ。

 左  入口付近も昭和の香りに満ちている。カドヤという店名も、昭和時代の日本っぽい。
 
 とても人気がある店のようで満席。10分くらい、店内で待った。台南の街で観光地の集まる中心地からは離れているせいか、日本人は見当たらず、ほぼ台湾人で占められていたように思う。

 カウンター席に案内された。渡されたメニューは日本語をメインにして書かれていた。なかなか決められないでいたら、コーヒーとショーケースで売っているケーキのセットでもよいとのことなので、セットにした。
 
 ショーケースへ移動。店内の風景。これまた、昭和時代の日本の喫茶店の光景だ。

 下左  ショーケースに並ぶケーキも種類が多く、目移りしてしまう。

 下右  最後は、イチゴタルトかさくらんぼタルトか迷って、イチゴタルトにした。ショーケース内の表示も日本語が目立つように書かれている。
 
 
 コーヒーは、大晦日だというのに、暑さを感じていたのでアイスコーヒーを注文。

 一番下がミルク、真ん中がコーヒー、上がクリーム。きれいにわかれているので、混ぜてしまうのが惜しいくらいだ。

 右側にある白いものは、ヌガーであった。
 
 イチゴタルト。タルトにしては大きめで、食べ応えもあった。
 伝票もほとんど日本語で、これまた昭和時代の日本の喫茶店だ。コーヒーとイチゴタルトのセットで380元(1370円)。
高雄で年越し
 
  上  カドヤを出たのは14時30分ごろ。15時23分の自強に乗車したいので駅に急いだ。

 台南の後站に到着。小さい駅舎だが、このおかげで台鉄線路の東側も駅を利用しやすい。

 左  後站の改札。指定席が残っていたので、15時23分の自強に乗車する。

 下左  台南站のホーム。

 下右  自強に乗車。高雄へ向う。
 
 
 16時に高雄到着。すぐに、金馬大飯店に向った。駅から10分ほどか。運河に面して建っているためか、英語名はリバーサイドホテルとなっている。

 本来は高雄のホテルの中でも、最も安いランクに属していながら、駅にはとても近いということで、以前の高雄訪問時にも検討したことがあるが、別のホテルに泊まった。

 前回検討したときは2500円程度だったのが、今回は何と7500円程度になっていた。この日は大晦日だったのだが、1週間後であれば3500円程度だ。レートの関係と台湾元ベースでも若干値上がりしたため3500円くらいになったのが、年越し特別料金みたいな感じで2倍ほどの値段がついているようだ。ほかのホテルも2倍程度上がっていて、普通の日に7000円ほどのホテルは15000円くらいになっている。しかも、安いところも高いところも、1ケ月ほど前に予約したのだが、かなりのホテルが満室になっていて、相対的に安いところを選ぼうとすれば、選択の余地はほとんどなくここになったわけだ。
 
 部屋に入って気づいたのは、暗い感じなこと。陰気な感じがして、年越しをするには悲しく思った。

 バスタオルはよく見ると、ほかのホテルの名が書いてある。昔の名前だろう。かなりくたびれていた。フェイスタオルは使い捨ての化繊製の紙みたいなもので、どちらのタオルも印象はよくなかった。加えて、壁が薄いのか、夜に隣室の声がよく聞こえるのにも困ったし、バスタブがあったものの身体をつけたくなるようなものじゃなかったので単にシャワー受けとして使った。あと、Wifiもよくなかった。

 普段の料金なら、格安ホテルに泊まっているのだから、これくらいは我慢せねばと思うのだが、今回ばかりは年越し特別料金だったこともあり、こんなホテルに泊まるんじゃなかったと暗い気持ちになった。2泊したが、また、利用することはないだろう。
  金馬大飯店では、3時間ほど休憩。その間、年越しをどこで迎えるのかを検討。高雄で年越しイベントがあるのは2ヶ所。1つは夢時代、もう1つは義大世界だ。夢時代はMRT凱旋から徒歩10分ほどのところにある広場、一方義大世界は高鉄左営からの路線バスで20分ほど東に向ったところにあり、遊園地を中心にしたリゾート施設だ。アクセスだけを考えたら、文句なしに夢時代なのだが、夢時代は年越しコンサートが開かれ、一方、義大世界では花火大会があり、しかも台湾で最大の年越し花火イべントであるらしい。見るなら花火かと思う反面、帰りの足が確保できるのかどうかが心配だった。高鉄左営と義大世界の間には臨時直行バスが運転されるとのことだが、やはり帰りの足が気になった。

 迷った末、夢時代で年越しすることにした。夢時代には23時ごろに行くとして、それまで台湾に進出した餃子の王将そして瑞豊夜市でゆっくり食事をしようと思う。

 MRT高雄車站に行くと、「免費」という文字が目立つ掲示があった。大晦日はMRTが無料なのかと一瞬思ったのだが、よく見ると、そうではなく、12月から2月までの間の平日は朝と夕方それぞれ2時間づつが、大気汚染がひどいために、ICカード利用の場合、MRTを無料にするというものだった。
 
  そして、隣の掲示を見ると、大晦日から元旦にかけてのMRTの運行について書いてあった。

 1 元旦の0時から5時は、ICカードの販売中止。

 2 31日13時から1日2時までは、自転車用の切符は発売しない。自転車の持ち込みは避けるように。

 3 31日の終電は終端の各駅を2時に発車する。

 4 1日の初電は表のとおり。

 5 31日終日、ライトレールは夢時代には停車しない。

 台北のMRTは大晦日から元旦にかけて終夜運転なのだが、高雄の場合は、2時まで運転、5時過ぎから運転のようだ。

 義大世界に花火を見に行った場合、帰りの臨時バスが遅れに遅れたとき、南岡山発が2時ということは、左営発の最終は2時15分ごろだろうが、乗りそびれる人もいるのじゃないだろうか、ちょっと気になった。
 
 MRT巨蛋で下車。瑞豊夜市の最寄り駅で夜市に行くために何度か下車している。今回は餃子の王将が入居している、漢神百貨店にまず向うのが目的だ。

 地上に出ると、円形の高雄巨蛋(高雄ビッグエッグ=高雄アリーナ)がまず目に入る。この日は高雄巨蛋に隣接して、その北側にある漢神百貨店に向った。
 
 漢神百貨店に入り、レストラン街は上階にあることを確かめ、エスカレータで3階まで上がったところで、掲示に気づいた。餃子の王将は、B3Fとあるじゃないか。そこで、下りのエスカレータに乗り換えて、今度は地下3階へ向かった。ところが、地下2階でエスタレータは終わりじゃないか。ひょっとして、別のエスカレータで地下3階に下りるのかと思って探したのだが、地下3階はなかったのだ。

 1階に戻って、インフォメーションで聞くと、餃子の王将は4階にあるとのこと。そして、今いる場所は漢神百貨巨蛋店で、漢神百貨はMRT中央公園近くにあるとのことで、こちらは何々店とつかないということだ。餃子の王将の1号店は巨蛋店の4階にあるのだが、2号店はメインの漢神百貨の地下3階にできたということだった。これで納得、ちなみに日本語で説明してもらえてよかった。でも、こんな掲示では、地元民でも間違えるのじゃないだろうか。

 下左  さて、4階に行きなおすと、餃子の王将はすぐにわかった。番号札をとるようになっていた。229番。

 下右  ところが229番は、何と60分待ちとのこと。こりゃぁ、やってられない。餃子の王将はまたの機会にして、瑞豊夜市に向うことにした。
 
 
  瑞豊夜市へ移動。この夜市は路上型ではなく、あまり広くない空地の中に屋台が並ぶ夜市であり、元々混雑が激しいが、この日は大晦日で歩くのが困難なくらいだった。食べ物を持っている客にソースを服につけられないかひやひやしながら歩いた。

 下左  この夜市でよく食べているのが牛排。今回も食べることにした。牛排は複数の店が出ているが、それぞれテーブルスペースを広くとっている。

 下右  調理場。鉄板麺を置いている場面だ。細めのうどんを焼いたそばだが、意外と美味しいのだ。
 
 
  松阪厚片牛排。160元。鉄板麺の上に厚い肉が乗っている。半生の卵がつく。シチューと甘い冷茶はセルフで飲み放題。

 下左  ゲームエリアを歩くと、ビール瓶立てをやっていた。なかなか難しそうで、しばらくみいっていた。

 下右  釣竿のような感じで、糸の先端に輪がついている。輪をビール瓶の先に入れ、釣竿でビール瓶を立てるのだ。10分以上みていたが、ぎりぎりまでいって立たないケースが続出。
 
 
 
 上左  葱油餅の屋台。小麦の生地に細かく刻んだネギを混ぜたものを焼いたもの。

 上右  熱くて持ちにくかった。卵入りのものをいただく。

 左左  夜市の中ではビールは売ってないので、近くのコンビニで18日間期限の台湾ビールの生ビールを買って飲む。

 左右  MRTで巨蛋から凱旋まで移動
 
 
 
 
 上左  凱旋から会場の広場まで歩くと、入口付近でMRTの帰りの切符を販売していた。

 上右  その切符だが、ICチップではなく、紙製だった。20元が水色、30元が黄色、35元がピンクの切符だ。

 左  コンサート会場のステージに近づいていくと、しだいに人が多くなり、まだステージまで300mほどの場所でこの有様。大画面でステージの様子を放映している。
 
 さらに歩いて、ステージまで100mほどの場所まで進んだのだが、それ以上先に進むのは難しかった。

 無理に先に進むと、引き返したくなっても引き返すこともできないんどえはないかと考え、それ以上進むことはしなかった。

 100m離れていると、ステージで何が行われていろのか、まったく不明。
 
 同じ場所で、歩いてきた方向を撮影。

 ステージでのイベントが終わった後、駅まで帰るのは大変だろうし、MRTに乗車するのも難しいのではないかと思い、まだ年が変わるときのカウントダウンまで間があったが、駅に戻ることにした。

 
 
 年が変わり、遠いところで花火が上がってるのを見て、凱旋駅にやってきた。すでに帰路につく人たちであふれていた。

 駅構内に入ると、ICカード利用客の動線と臨時に発売されている紙の切符を使う客の動線がわけられていた。

 ホテルに戻り、1日を終えた。

 

 

 

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