2 日 目 金 山 そ し て オ フ 会
台湾最北端へ |
この日は淡水から台湾最北端をへて金山方面を回る予定だ。淡水発9時のバスに乗るため、ホテルを7時30分にチェックアウトしたい。そのため、6時30分からの朝食が食べられるようになると、すぐにレストランへ行った。 |
一通り、おかずをとってみた。一般的な台湾風の料理のビュッフェだ。 下左 食後、急いでホテルをチェックアウトし、MRT圓山站に向った。15分ほど歩くと、中国風の屋根がホームを覆う駅舎が見えた。中国風の建築で有名なホテルである圓山大飯店を意識したものだろう。 下右 すぐにやってきた電車は北投行きだったので、見送って、その次の淡水行きに乗車した。 |
上左 淡水はもう10年以上行っていないので、また行こうと思っているが、この日は時間がないので、乗換のみ。 淡水ではMRTホームの1階部分にバスターミナルがある。今回乗車するのは、台湾好行の皇冠北海岸線。淡水から北海岸に沿って、野柳に向う路線だ。北海岸を走るバスは、一般の路線バスも20分に1本くらいの頻度で走っているが、このバスは主要観光地のみに停車なので早い。 上右 乗車した台湾好行のバス。9時発。ガラガラ。 左 40分ほど乗車すると、台湾最北端に最寄の富貴角燈塔に到着。バス停はサイクリング客に占拠されていた。 |
バス停の中には、これから向かう台湾最北端に建つ灯台を描いた絵も掲示されている。 |
最北端の海岸までは15分くらいかかった。台湾好行のバスは平日は1時間ごとの運行で、しかも次の目的地であるテレサテンの墓には立ち寄らないバスもあるので、どうしても1時間後のバスに乗車したい。そのため急ぎ足で歩いた。 途中、木が道路に倒れ掛かっているようなところがあった。これが |
海岸近くまで行くと、自動車道路とは別に散策路があり、そちらを進んだ。 途中、風剪樹の森があった。あたり一面、木が倒れ掛かっている。枝がほとんど横に向って成長している。木の向きからみて、太平洋側からの風がとても強いと思われる。 |
海岸に出た。左端の付近が台湾最北端なのだろうか。海岸沿いに岩場を歩けば、行きつけるがそれだけの時間はない。 下左 最北端の灯台は見えず、代わって球状のものがあった。灯台はどうなった? 球状のもの向う側にあるのだろうか。それとも灯台の代わり? 1時間後の台湾好行のバスに乗車するため、球のほうへ歩いていくだけの時間がなかった。おそらく灯台を見つけることができなかったのだろう。富貴角はもう一度、訪問してみよう。 |
上右 時間はあまりなかったが、海岸近くまで行ってみることにした。 左 波打ち際は岩石になっている岩石海岸が続き、岩の間に溝が見られる。そして、岩には藻がついて緑が広がる。 この景観は、老梅緑石槽といい、溝のついた岩石は、長年の波の浸食によってできたという。また、1年のうちでも 藻がからんで岩が緑になるのは3月から5月ごろにかけてだけ見られるらしい。 |
波が岩と岩の間に入って、流れる。大きな波がきたときには、溝のところで、水しぶきが上がっていたこともあり、なかなか面白かった。 もう少し滞在して、灯台探しなどしてみたかったのだが、後の予定がひかえているので、バス停に戻った。 |
テレサテンの墓参り |
富貴角燈塔バス停に戻り、1時間後の台湾好行のバスに乗車。今度はマイクロバスで、乗客もそこそこ乗っていて、何とか空席を見つけて座った。 |
バスの中から石門洞が見え、ちょうど信号待ちで止まったので撮影できた。波の浸食で石の真ん中に穴があいたのだろう。その上を歩けるようになっているのも面白そうだ。またの機会に下車して、よく見てみたい。 下 しばらくの間、バスは台湾北海岸に沿った道を走る。海岸を見続けるのも楽しい。 |
上左 テレサテンの墓があるバス停は筠園。2005年に、テレサの墓参りはタクシーを使ってしているので、雰囲気は覚えている。 ところがちょっと失敗してしまった。バスが筠園のバス停より、300mほど手前で停車して、そこが筠園のバス停だと思ったのだ。下車したところは、金宝山墓園のメインの建物のところ。他の客が、臨時に止めてもらったのだが、それを気づかずに筠園だと思ったのだ。下りてから、失敗に気づいた。 上右 墓園のメインの建物を4階まであがり、そこにあった建物。大仏があるらしかったが、テレサの墓に行かねばならないので、中はみていない。 左 テレサの墓に向う途中、山の上を見ると大きな墓がぎっしりと建てられている。自分はテレサの墓に行ったことがあるので、違うところで下ろされても、向う方向がわかったのだが、はじめてだったら、テレサの墓を見つけるのに苦労したかもしれない。 |
上左 テレサの墓の入口。ケ麗君紀念公園とある。中国語ではテレサテンでは通じない。ケ麗君、テンリージュンである。そこそこ広い敷地になっている。 上右 ピアノの鍵盤のモニュメント。このピアノ、足を置けば音が鳴るのだ。 左 花園の中に立つテレサテン。像の周りのピンクの花はト音記号の形に植えられている。この付近ではテレサの歌声が流されていた。 |
公園の一番奥にテレサの墓がある。新しい生花も飾られていて、お参りする人が多いことをうかがわせる。 右上の石に筠園とある。バス停名も筠園だ。ケ麗君というのは中国語での芸名であり、本名はケ麗筠。そこから筠園と名づけられたようだ。 |
墓の一番奥に建っていたモニュメント。ケ麗筠の名が刻まれている。 |
バスを下車する場所を間違えてしまったし、テレサの墓でも思いっきりゆっくりと見学したのだが、それでも1時間後のバスまで、まだ30分ほどあり、ぶらぶらする。海がよく見える場所があった。金山付近の海岸かな。 下左 筠園バス停。このバス停を利用するときには、バスの行先に気をつけること。金山方面も淡水方面もバスが同じ向きに停車するからだ。 下右 乗車したバス。ICカードを読取機にかざそうとしたら、ドライバーがさえぎり、何か言っている。まったく何を言っているかわからないのだが、きっと、どこに向かうのか聞いているのに違いないと思った。たまたまだが、金山はジンシャン、老街はラオジェということを知っていたので、ジンシャンラオジェと答えた。ドライバーは乗れという合図をして、ICカードをかざして乗車。きっと台湾人でも乗り間違える人が多いのだろう。 |
金山老街 |
15分ほどの乗車で金山老街に到着。バス停から老街までは5分ほど歩く。12時半ごろで、老街でつまみ食いして昼食に替えようと思う。 老街の入口に構えているのが道教寺院の慈護宮。航海、漁業の守護神といわれる女神、媽祖を祀っている。台湾や華南沿海部の各地で祀られている。天上聖母と書いてあるが、これは媽祖の別名のようだ。本殿に入ると読経が流れ、参拝客が手を合わせている。 |
一瞬にして参拝をすませると、門のそばで焼芋の屋台を発券したので、食べていくことにしよう。金山老街では、焼芋や生のさつまいもがたくさん売られているらしいので。 烤地瓜とある。烤肉は焼肉、地瓜はさつまいもなので、烤地瓜は焼芋だ。 下左 屋台店主は、かまの上の覆いをとって、好きなのを選べって感じだったので、大きくきれいなのを選んだ。 下右 熱いうちに、近くのベンチに座っていただいた。あっさりしていて、とろけるような感じ。 |
続いて葱油餅(ツォンユーピン)の屋台を発見。軽トラックの荷台を使った屋台で時々見かけるタイプだ。葱油餅は、小麦粉の生地にネギと調味料を混ぜて焼いただけの単純な食べ物だが、なかなか美味しい。 下左 お好み焼のように焼いて、ソースをつけているところ。 下右 焼き上がった葱油餅。焼芋を食べたベンチに戻って、熱々をいただいた。 |
土曜日の昼時ということもあって、狭い路地は歩くのに苦労する人出だった。慈護宮から反対側の老街入口まで300mほどだが、店を見ながら歩いたこともあって15分ほどかかった。 路地の両側は、ほぼ全部が食べ物商売の店舗。〇〇老街というと、日本統治時代に造られたレンガ造りの街並みを連想するが、ここの老街は普通の建物が並んでいる。店舗のためによくわからない面もあるが、本当に古い建物が並んでいるのかというと、よくわからない。 |
近くの農村でつくった芋だろうか。さつまいもを何ヶ所かで販売していた。 写真を見ると、日本でよく見かける赤紫っぽい色をしたさつまいもあり「栗」と書いてある。別に、じゃがいも同じ色をしたさつまいももある。台湾の焼芋は、まずじゃがいもの色をしているのだが、赤紫のもあったのだ。「栗」というのは品種名なのかな。 |
金属製のせいろで蒸しパンのようなのを売っている屋台があった。何種類か売っていて、色が違っていて食欲がそそられ、買うことにした。 下左 芋粿巧。生地は芋をすりつぶしたものにもち米と小豆を入れていくっている。少し甘めなのだが、菓子とまでは言えないような感じ。中には何もはいっていなかった。 下右 草仔粿。餅のように見えるが、餅ではなく、芋をすりつぶした生地に茶を混ぜてあるようだ。色違いで、小豆を混ぜた茶色いのもあった。中には餡が入っている。 |
草仔粿の中に入っている餡。米粒が入っているのが最大の特徴。小豆で黒くなっているが甘くはない。肉としいたけも入っている。 一見、蒸しパンに見えたが、さすが芋で有名な金山老街だけあって、芋製品だった。 下左 飲物も飲みたくなって、酸梅湯を飲むことにした。 下右 熱いのと冷たいのがあって、冷たいのにした。唐山伯古味というのは屋号かな。 |
旧金山総督温泉 |
上左 金山老街から10分ほど歩くと旧金山総督温泉があった。金山温泉はこの一帯に広がっているが、温泉名を見て、ここで入浴しようと考えていた。 上右 レトロ感のある建物。ここは1939年に台湾総督府の招待所としてつくられた。戦後は軍が海防用の要塞として、温泉とはまったく関係のない使われ方をしていた。軍が撤収したあと改修され2003年から温泉として営業しているという。 左 玄関。 |
玄関を入ったところのロビー。撮影している自分の背後に料金所がある。 下 これから入浴しようとする4階は男湯と女湯に別れていて、裸で入る日式の浴場だ。平日は300元、休日は350元。この日は土曜だったが、平日扱いで300元だった。 1階の露天風呂も同じ料金なのだが、温泉プールとともに水着が必要なようだ。また個室風呂である情人池、貴賓池があるが1人での利用はできない。 |
料金表で貴賓池となっている総督御池。2階へ上がる階段の横に入口があり、中を見学できるようになっていたので、入ってみた。 |
4階の風呂の料金を払うとタオルが渡されるので、それをもって4階まで上がった。 1時間強の入浴時間中、客は少なかったもののほとんどずっと誰かが入浴している状態だったので、風呂の撮影はできなかった。ほんの一瞬だけ客がゼロになったときがあって、大急ぎで撮影した。 湯は鉄分が含まれているのだろうか、茶色い色をしている。 |
4階なので眺めはとてもよい。海に近いこともわかる。 下左 温泉を出て、バス停に向う前に、4階の風呂の真下から温泉の建物を撮影。浴槽のふちに立ててあった目隠し板が写っている。 下右 さきほど台湾好行のバスを下車したところから、少し離れたところにある国光客運のバス停から台北行きのバスに乗車した。 途中で渋滞があったりして、台北のMRT忠孝新生站まで1時間半ほど要した。 |
台北オフ会 |
MRT忠孝新生から中和新廬線で中山国小まで。前日はここから林森路を北に向ったが、この日は民権路を西に向かう。 よく泊まるサンルート台北の前を通り過ぎ、洛碁山水閣大飯店に向った。サンルートが予約できなかったうえ、前日は山水閣も予約できなかったので、前日は同じ洛碁チェーンの別のホテルに泊まったのだ。 |
たまたま前日に泊まった洛碁・林森と、この日の洛碁・山水閣が同じ料金だったのだが、山水閣の方がずっと良かった。(前日に山水閣に泊まれていれば、山水閣のほが料金が高ったのかもしれないが) ベッドはダブルとシングルが1つずつで、部屋もそこそこ広い。 休む間もなく、荷物を置くと、また外出。 |
この夜は、この旅行で最大のイベントがある。ネット仲間であるタヌキ猫さんとのオフ会だ。 待合せ場所は、長安東路の熱炒街にある中央市場の前。やがてタヌキ猫さんと合流。 タヌキ猫さんとは、1年ほど前に台北でオフ会を行って、交流を深めた。その前にもお会いしているので、3度目のオフ会となる。1年前のオフ会のとき、タヌキ猫さんは初台湾だったが、その後、台湾を気にいられて、訪台を繰り返され、今回は常客証をとっての訪台。この日は、台中日帰りのあとの合流だ。 |
待ち合せをしていた中央市場の店で食事することにして、店内に入った。この店は、前年10月にトーフスキーさんとのオフ会で利用していて、気に入っていた店だ。安いし、美味しいし、雰囲気もいい。このとき、2人だったので2人席に案内されたのだが、何と今回も同じ席に案内された。 下左 座っていた席の近くの冷蔵庫にビールがあるので、冷蔵庫から取り出そうとしたら、キャンペ−ンガールに呼び止めれられた。青島ビールの純生をすすめられたので、一度飲んでみることにした。 下右 青島ビール純生。青島ビールの純生は飲んだことがあるか、どうか記憶がはっきりしない。以前、青島のビール工場見学に行って、最後にビールの試飲があって、たくさん飲ませてもらえたのだが、生だったかどうか今となってはわからない。 |
台湾の零細な飲食店ではビールを置いていないことが多い。小さな食堂や屋台ではまず置いていない。でも、ここの店など長安東路に立ち並ぶ熱炒は台湾風の居酒屋で、台湾人もビールをガンガン飲んでいる。 ビールは客が必要に応じて冷蔵庫から勝手に取り出す。これが台湾流だ。高級店じゃない限り、勝手にビールを取り出して叱られる心配はない。 2本目は別のビールを取り出そうとしたら、キャンペーンガールがまた青島ビール純生をすすめてきたので、2本目も青島純生にした。喜んでくれて、また注いでくれた。 |
上左 酥炸鮮蚵。カキフライ。 上右 客家小炒。豚肉、イカ、豆腐、ネギなどを炒めた客家の料理。 左 蛤蜊絲瓜。蛤と瓜を炒めたもの。 |
空芯菜牛肉。空芯菜と牛肉を炒めたもの。 タヌキ猫さんとは、旅行のことや飛行機のことなど、日ごろはなかなかお話しできないことを直に話せてよかった。 このあと、さらにオフ会を続けることにして、この店は出ることにした。1年前のときは、食事のあと、公館夜市と師大夜市に行ったので、この日は寧夏街夜市はどうかと考えていた。しかし寧夏街にあるタヌキ猫さんがいらっしゃりたい店がこの日は休みのようなので、遼寧街夜市に行って、そのあとタヌキ猫さんが考えていらっしゃるスイーツの店に行こうということになった。 |
遼寧街夜市へは歩いて向かった。熱炒を出て、一路、東へどんどん進んだ。30分ほどかかったが、タヌキ猫さんとお話ししながらだったので、あっという間という感じだった。 台北のど真ん中にあるが、目立たない夜市だ。海鮮料理やガチョウ料理が有名。屋台もあるが、道路に面した店舗が主力の夜市だ。 小ぶりな夜市なので、南の端から北の端まで歩いたが、すぐに端までやってきてしまう。途中に特別食べたいものはなし。 |
再び夜市の南端まで戻ったが、せっかくだから何か食べましょうということになり、南端に出ていた屋台で麺を食べていくことにした。 下左 米苔目(乾)にした。米苔目は米でつくったフワフワの麺。以前、スープ麺では食べたことがあるので、今回は「乾」にしてみた。米苔目は注文してから茹でるのじゃなく、鍋の中で煮たてられていて、それを椀にすくって出される。 下右 見た目はうどんにそっくりだが、コシがまったくないのが特徴。35元。 |
遼寧街夜市のあとは、さらに東へ。MRT忠孝敦化をすぎたあたりで、横丁に入った。タヌキ猫さんに調べておいていただいた豆花の店「騒豆花」を探した。 下左 こじんまりとしたカフェの雰囲気のする店内には、テーブルが4つとカウンターがあり、数人の客だったが、もう満員って感じだった。 下右 フルーツ入りの豆花が特徴の店で、ストロベリーを希望したが売り切れ。スイカもこの時期やってない。ということでバナナにした。85元。 |
豆花は台湾の伝統的なスイーツだが、こうしてみると新感覚のカキ氷の雰囲気が感じられる。豆花の上にバナナがのせられ、その上にタピオカと小豆がおかれ、さらに練乳がかけられている。 食べてみるとカキ氷じゃなく豆花だということがわかる。あっさりしている。今度は夏に行って、マンゴーかスイカのものをいただきたい。 |
上左 タヌキ猫さんとのオフ会のしめはカキ氷で。「騒豆花」からさほど遠くない「アイスモンスター」へ向かった。 上右 すでに22時を回っていて、店内の客もかなり少なくなっている。この店は以前来たことがあり2回目。前回の時は、店頭で並んだのだが。 左 前回来たとき、マンゴーカキ氷を食べたかったが、季節はずれだったため、別のものを注文した。今回もマンゴーアイスは発売されていなかったので、次善の策としてストロベリーアイスを注文。260元(約990円)。 |
カキ氷は紫色をしているのだが、紅イモで色をつけてあるのだろうか。氷のわきには、いちご、クリーム、ストロベリーアイスが置かれている。別の容器には、さらに多くのいちご、そして練乳が入っている。 カキ氷だけをしばらくいただき、氷をちょっと減らしてから、別容器のいちごを入れ、練乳をかけて、混ぜ合わせた状態。いちごは何個使っているのだろうか。ぜいたく感のあるカキ氷で値段にも納得がいく。 オフ会はここで終了。タヌキ猫さんとは、台湾のことや飛行機の話題、ネットのことなど時間を忘れて、場所をかえつつお話し続け、楽しいひとときを送ることができた。ありがとうございました。タヌキ猫さんとMRT忠孝敦化でお別れしたときには23時30分を回り、終電も近い。MRTでホテルに戻り、長い一日を終えた。 |