(4)カッパドキア その1

乗車したカッパドキア行きのバスはメトロ社のバス。トルコのバス会社は無数にあるが、その中でメトロ社は全国ネットワークを持つ有力会社である。長距離バスは2、3時間ごとに、休憩タイムがあって、たいていドライブインに止まる。20分ほどの停車時間中に、トイレや軽い食事をすませる。(ほとんどの場合、トイレは有料でだいたい0.25MTL(約22円)〜0.5MTL(約44円)必要だった。例外的に、メトロ社は自社専用のドライブインがあり、そこでは無料であった。)

カッパドキアといっても、これは地域名であって、町の名前ではない。カッパドキア観光の拠点となる町としては、ネブシェヒル、ギョレメ、ユルギュップ、アワノスがある。バスは、ネブシェヒルを発着するものと、ネブシェヒルのあとギョレメ、アワノスと進む(カッパドキア発の場合は、逆に、アワノス、ギョレメ、ネブシェヒルと進んでいく)ものがある。これらの町の中で、カッパドキア地域の中心地であるのが、ネブシェヒルである。当初、できれば自力で回りたいと思っていたので、宿泊地として、最も交通の便が良いネブシェヒルを考えていた。

7時30分にネブシェヒル着。バスを降りると、旅行社の人間が待っていて、ホテルとツアーの売込みにかかる。当初から、この売り込みは期待していて、この日のホテルと翌日のカッパドキア南部のツアー、それに翌日のアンタルヤ行きのバスを求めるつもりであった。結局は、自力で回るつもりをしていたカッパドキア北部もツアーを買った。公共のミニバスが予想以上に不便なことを聞かされたからだ。となると、ホテルはネブシェヒルでなくてもよいことになり、ギョレメの洞窟ホテルで一泊することにした。

旅行社の車で洞窟ホテルに送ってもらい8時20分着。ギョレメの中心から10分ほど歩いたところにあるシルバーギュンフというところだ。部屋に入ると、確かに岩をくりぬいてある。9時にツアーの出迎えがくるので、急いでシャワーを浴びる。9時にやってきたのはワゴン車、いくつかのホテルを回り客を乗せていき、残った席も観光案内所でうまる。客の日本人は3名で、どうしてもかたまってしまう。ほかには、韓国人が4名、香港人が2名、オランダ人が2名という団体になり、東洋系が圧倒している。

まずは、ギョレメの町からそう遠く離れていない、ギョレメ野外博物館へ。ここには、数多くの洞窟教会が集まっている。いくつかの教会に入ってみる。洞窟教会のいくつかには、壁画がきれいに残っている。洞窟教会の中に入れる人数は一度に20人程度であるので、いつでも好きなところに入れるというわけではない。なかには30分近く行列に並んだところもあった。

 ギョレメ野外博物館

野外博物館を出て、駐車場へ行く途中、アイスクリームを買う。トルコは、長く伸びるアイス ドンドルマ で有名で、特にドンドルマって書いてなくても、伸びるアイスであることもあるようだ。もう11時30分を回っているというのに、今日のツアー、 まだギョレメ村から出発して、その近くの野外博物館へいっただけだ。

続いて、ギョレメパノラマへ。要するに、カッパドキアの様子がよくわかる展望台だ。

 見渡す限り、岩、岩、岩  よく見ると洞窟がある

お次は、ウチヒサル。カッパドキアにごろごろしている岩山の大将みたいなもので、高さ100mを越える尖った岩山だ。岩山がひとつの城になっていたらしい。山麓には普通の家や、洞窟住居の跡。洞窟住居には今は人が住んでいないということだ。ところで、この岩山は、山麓から見学するだけだと思っていたら、何と、登るというではないか。果たして登ることができるのかと思いながら登り始めて、やはり大変だと感じる。歩きにくいのだ。かなり傾斜がある上に、乾燥しているからとてもすべりやすい。登るときはまだしも、降りるときのことを考えると心配だ。15分程度の山道を何とか登りきる。そこには、小さな洞窟があり、眺めがすばらしい。小休止ののち、降り始める。予想通り、転倒者がでて、ガイドがつききりで歩く。日本からのツアーでは、おそらくここは見るだけで、登ることはしないだろう。

 この岩のほとんど頂上まであがった

さらに、数キロ車に乗って、ようやくレストランに到着。こんなにたくさんの観光客がいたのかと思えるほどたくさんの観光客。日本からのツアー客も見受けられる。食事はバイキング形式で、もう14時近くであったこともあり、思う存分食べる。

食事の後、カッパドキアの風景で有名なキノコ岩、とガイドは言っていたが、写真をみるとガイドブックのキノコ岩とは違う。どうなってるんだろう。

 これはキノコ岩? どうも違うようだ

続いて、訪問したのがアワノスにある陶芸工房。アワノスは陶芸の村である。幸い、ひつこく土産を買うようにすすめられたりしなかったんで、食事後の休憩場所の役割を果たしてくれた。

そのあと、ローズバレー。日没時にここへやってくると、岩がピンク色に光るということからローズバレーと呼ばれているが、まだまだ日が高く、どこがローズバレーだという感じだ。ここでも、かなり歩いて回る。洞窟教会はここにもあって、見学する。

 右中の岩がほのかにピンク色しているようだ

最後は、カッパドキアワインの試飲。この地域はワイン産地としても有名らしい。赤、白のワインをいただき良い気分になる。ここでも、無理に買うようにすすめられなかたので助かったが、逆に一人くらい買ってあげても良かったのではないかと思ってしまった。

ツアーの最後は宿まで送ってくれ、17時に帰着。シャワーを浴びたあと、ツアーで一緒だった日本人2人と食事をする。2人のうち、Aさんは、中国、ベトナム、インドなどを回り、トルコへやってきた超長旅の最中。Bさんは、英国に長期滞在のあと、日本に帰国する途中でトルコに立ちよったという。いづれの人の話も興味深く、話題がつきなかったが、2人とも21時ごろの夜行バスで、イズミル、イスタンブルへ行かなければならず、なごり惜しみながら、2人を見送り、ホテルに戻る。今日のツアーは、移動距離は少なく歩く距離は長いというものだったんで、疲れからかすぐに眠りについた。