(6)アンタルヤ その1

夜行バスは眠れないのではと思われるかもしれないが、カッパドキアでの2日間は歩きに歩いたし、一昨晩はトルコでの初の夜行バスだったこともあり、アンタルヤ行きのバスの中では、ぐっすり眠れた。途中、何度かの休憩がありその都度起こされはするが、バスが発車して、コロンヤと水のサービスが終わった頃には眠りにつける。深夜にコンヤのオトガルで休憩があったのだが、とても大きなオトガルであった。この時点では、日を改めてコンヤにもやってくるつもりをしていたんだが、予定変更のため来ることはなかった。

6時30分、アンタルヤのオトガル到着。最近にできた新しいオトガルのようだ。ここから、宿の多いカレイチ(トルコ語で旧市街のことをカレイチという。)までいかなけらばならない。バス会社のセルビス(郊外のオトガルと市内を結ぶ連絡バスでたいていミニバス。無料で乗れるのだが、乗場は地元民でないとわかりづらい。)でいけるらしいのだが、カレイチ、カレイチとさけんでいたら、バス会社の社員らしき人物が、大型のバスに乗るように指示される。お金を払っている人もいる。ひょっとして、降りるときにお金を請求されるのではないかと思っていたが、結局何も言われなかったんで、乗り合いバスがセルビスの役目もしていたのだろうか。一緒に乗って人たちもお金は払っていない。謎である。

カレイチの入口でバスを降り、「地球の歩き方」で目星をつけてある宿まで歩いていくことにした。歩くこと約1分。背後から、日本語で「日本人ですか。ラゼルというホテルをやってます。泊まりませんか。怪しいものじゃありません。本にも書いてあるホテルです。」と声をかけられる。ラゼルは、確かに「地球の歩き方」に日本語OKとか書いてあるのを知っている。ただ、カレイチの入口からはかなり遠いので、泊まるつもりはなかったのだが、声をかけてくれたので、即決で泊まることにした。すぐに車でホテルへ。

 アンタルヤのカレイチ

ホテルに着いたのが7時30分。ただいまは満室で、この日に出発する人が8時にホテルを出るのでそれまではチャイを飲みながら待つ。8時に空く部屋はエアコン付ということで、ちょうど都合がいい。イスタンブルで見たTVの天気予報で、アンタルヤは38度まで上がることがわかっていたので、エアコンがないとつらいと思った。それにエアコンなしの部屋が空くのは11時だという。今日か明日に、ツアーを使って、アスペンドスなどの遺跡を巡りたいので、旅行社を教えてほしいと頼んだら、「じゃあ、明日ホテルでツアーを組むから、今日は町の中を見たらどう。」といわれる。ツアーの中身を聞くと、ペルゲ、アスペンドス遺跡と滝へいくという。スィデ遺跡は行かないのかと聞くと、行ってもあまり見るところがないから行かないという。それで、その時点では今日の昼からでも、自力でいってみることにしたんだが。

8時過ぎに部屋に入ることができ、さっそく休憩。どんどん気温が上がっていっていたので、シャワーを浴びたあとエアコンのきいた部屋で休憩すると、なかなか外に出られなくなってしまう。9時過ぎ、意を決して、考古学博物館とビーチへ行ってみることにする。カレイチ博物館に立ち寄ったりして、カレイチの中を散策し、路面電車の停留所に出る。アンタルヤの路面電車は、1999年にできた新しい乗り物である。路面電車の終点が「ミュゼ」つまり考古学博物館の前なんで、博物館へ行くのがとても便利になったようだ。ただ、電車の本数は30分間隔なので、待ち時間が長くなる。また、車両は他の都市で使われていたお古を利用しているようで、もちろんエアコンはなく車内は耐えられる限界まで温度があがっている感じだ。ワンマンカーと思いきや、入口を入ると車掌席がありお金を払うと切符までくれる。

 アンタルヤの路面電車

20分ほどで「ミュゼ」に到着。大勢が下車するが、大半の人たちはこのすぐ西側にあるビーチへでかける人たちだ。自分はまず博物館にいって、それかたビーチへ行くことにした。ペルゲ遺跡から出土したものを中心に、等身大の人物像などがたくさんおいてある。ほとんどのものが手の届く位置に置いてあり、見学者を信頼しているようだ。

博物館のあとは、ビーチへ。博物館のある位置からビーチへは、下り道だが、炎天下をしばらく歩かなければならない。38度で炎天下というのは、相当な暑さだ。湿度は低いが、それでも汗が吹き出るし、日光の当たる部分が痛いという感じである。20分ほど歩いてビーチに到着。パラソルとチェアが無料だったので、空いているのを使う。空には雲がなく、青い海と青い空のもとで寝そべる。だが、砂浜ではなく小石がごろごろしていて、水の中にはいっても足の裏が痛いこと。ときどき地中海の水に入りながら、ぼーとした時間をすごすこと1時間あまり。

  アンタルヤのビーチ

このとき、カッパドキアでネムルトダゥが良かったという話を思い出し、ネムルートダゥに行くべきかどうか考えるが、結論は出ずじまい。無心にネムルートダゥに行きたくなってきたのだが、東トルコへ行くための予習は特にしてきていないし、東トルコはワン方面などはツアーで回ろうと考えていたのだが、東トルコのツアーでは必ずネムルートダゥがコースにはいっているから、今回行っても、ツアーで東トルコ行ったら、また行くことになる。それじゃあ、ワン方面も行ってしまうのがよいのだろうか。でも、最東端は治安が悪い感じであるし、ということで考えがまとまらなかったのである。それに、行く前から北キプロスへ行ければいいと思っていた。海路で北キプロスへ渡るのは、結構たいへんそうだたんで、どうしようか迷っていたが、ある程度の予習はしてきた。ネムルートダゥに行くなら、途中アランヤかシリフケから北キプロスに渡ればよい。

13時ごろ、昼食もとりたいのでビーチを引き上げる。炎天下の道を、今度は上って路面電車乗場へ。そして、サウナのような路面電車に耐えてカレイチで下車。観光客向けのロカンタで食事をとる。

  ロカンタでの昼食  ナンは食べ放題

このあと、スィデで向かうべくミニバス乗場へ歩き出したのだが、とても暑い。結局、バス乗場まで歩いてきたのだが、もうスィデに行くのがどうでもよいように思えてきた。しかも、スィデ方面へのバスは見つからない。聞いてみればよいのだが、その気力も起こらず、宿に帰って休憩することにした。宿に15時に帰着。

シャワーのあと、涼しい部屋で一眠りする。18時ごろに外出しようと思っていたが、結局、宿を出たのは19時。次の日どうしようか、迷っていたためだが、結局、ネムルートダゥに行ってみることにした。東に行くには、かなりの距離を動かなければならないので、そのついでに北キプロスにも立ち寄ることに決定。だがよく調べると、一番便利そうなアランヤからの航路は曜日が合わないので、シリフケまで夜行バスでいって午前の船で渡ることが必要なことや、曜日の関係でみどころが軒なみに休みなので、レフコシャの南北停戦ライン以外はほとんど観光ができないことなどもわかった。そう決心すると、バスの切符購入と夕食のために外出。まずは、宿近くの海が見えるカラアリオウル公園を散策。かなり涼しくなったとはいえ、歩けば汗が出る。

  アンタルヤのマリーナ 散策の途中で

旅行社が見つかれば、翌日の切符を買っておこうと、旅行社をさがしつつ、カレイチの中をぶらぶらしたが、シリフケ行きの切符を売っている旅行社がみつからないまま、目星をつけていたハサンアアといレストランへ。この旅で唯一、ここでトルコ料理のフルコースを注文した。日が沈むと、涼しくなってきて気持ちがいい。味も良し、量も多いで、とても満足。2時間くらいかけてゆっくりと食事し、22時ごろ宿に戻る。切符は買えなかった。