9  長谷寺、今井町
長谷寺
 長谷寺と今井町へ行ってみた。どちらも約40年ぶり。まず長谷寺駅へ。

 下左   八木から長谷寺駅まで乗った急行は、近鉄の一般車でも数少ないクロスシート車でラッキーだった。

 下右   急行でも上本町から中川までの長距離なのでクロスシート車を使っているのだろう。 
 長谷寺駅は無人駅になっていた。
 
 駅から寺へは20分ほど歩いた。

 思っていた以上の、土産物店、飲食店、旅館などがたくさん並ぶ参道だ。
 
 長谷寺に到着。左下が拝観券売場。階段の上が仁王門。
 
 仁王門を入ると長い登廊がはじまる。段差が小さく歩きやすい。頭上には風鈴がついていて、涼しさ感を出している。

 下左   登廊の中間点まで200mほど。

 下右   登廊の途中に、宗宝蔵があり、春秋の公開で、春の公開は、訪問翌日の7月9日までとぎりぎり見学できた。
 
 
 登廊の中間点に到達。ここからは「あぢさゐ回廊」を歩いた。階段にあじさいの鉢がところ狭しと並べられている。

 「あぢさゐ回廊」は長谷寺、岡寺、壷阪寺の共同イベントで、3寺では5月27日から7月9日まで、鉢植えのあじさいがたくさん見られる。岡寺は初日の5月27日、長谷寺は終了前日の7月8日に見られた。
 
 遠くから見ると満開に見えるあじさいだが、そばで見るとすでに見ごろをすぎて枯れかかっているのも多い。
 
 本堂に到着。本堂の中には通路があり、仏像が安置され、読経が行われるエリアと内舞台のエリアに分かれている。その外側に外舞台がある。
 
 本堂の中の通路。

 右側に仏像があり、左側が内舞台。ここから内部は撮影禁止。
 
 外舞台から内舞台を見る。
 外舞台からの眺め。左端の真中に仁王門など上りはじめの部分が見える。
 
 本長谷寺。7世紀、ここに長谷寺が創建された。現在の建物は明治のもの。

 背後には五重塔が見える。もとは三重塔があったが、明治に焼失し、昭和29年に五重塔が建てられた。

 下左   五重塔。この向う側に三重塔の跡地があった。
 
 
 
 上右   本堂から、上がりでは歩かなかった部分の登廊を下る。

 左   二本(ふたもと)の杉。根元が繋がっている杉。

 源氏物語「玉鬘(たまかづら)」に登場するという歴史的なもの。
 
 真中が、百人一首の選者、藤原定家の塚。京都の相国寺にもあり、関連は不明。

 右が藤原俊成の碑。
 
 参拝を終えるとちょうど昼どき。参道で昼食をとっていくことにした。
 
 
 上左  「大和屋」という店に入った。

 上右  食事場所は座敷だった。

 左   冷たい三輪そうめん、柿の葉寿司2個、ごま豆腐で1000円は安い。どれも美味しかった。
 
 
 
 
 上左   参道では草餅とそれを焼いた焼草餅を売る店が多い。

 上右   焼草餅を注文すると、鉄板で温めてくれる。

 左   1個買って、熱々をいただく。
 
 
 
 
 上左   「とらせ」で柿の葉寿司を買って帰る。この店の本店は吉野にあるが、長谷寺店でも自店で作っている。

 上右   作っているところ。

 左   自宅に帰ってから、蓋をあけたところ。
 
 
 美味しかった。翌日にもいただいたけれども、当日よりも美味しくなっていた。
今井町
 西国札所番外の法起寺、予想外に石段を上った長谷山口坐神社に立寄り、長谷寺駅へ。

 八木乗換で八木西口駅で下車。

 八木西口は、運賃計算上は八木駅の一部とみなされている不思議な駅だ。
 
八木西口で電車から出たところ、大阪線上本町方面から橿原線に入る連絡線に見かけない団体専用列車が停車中。

 下   駅を出て、電車の近くまで歩いていき撮影した。

 あとで調べたら観光列車「つどい」だった。

 7月8日は、「EXPO TRAIN近鉄号」として、上本町、橿原神宮前、西大寺、上本町と運転されたようだ。偶然見られてラッキーだった。
 
 
 
 上   駅から5分ほどで町家の保存地区へ。

 40年前は、田舎町の集落の中に古い町家が点在する状況だった。すっかり、多くの家屋が町家風に建て替えられて、"作られた伝統家屋"の並ぶ町に変わっていた。

 左  昔の今井町役場(その前は高市郡教育博物館)を利用した今井まちなみ交流センター「華甍」へ。
 
 中では今井町の歴史などの展示もあった。、展示はたいしたことはなかったが、内装が昔の雰囲気がありよかった。

 案内所で案内地図を入手した。公開されていて、しかも無料、予約不要というところはどこかと尋ねて、案内地図に印をつけてもらい、散策開始。

 
 
 河合家住宅。

 江戸時代から酒造業を営む。昔のままの建物で重要文化財。
 
 中は、うなぎの寝床のように細長かった。

 現在でも、酒の製造と販売をしている。
 
 以前来たときは、普通の民家や商店が多かったのが、ほとんど町家風に改築されている。
 
 今井郵便局も町家風。
 
 旧米谷家住宅。河合家とここが、公開、無料、予約不要だったので入場。

 江戸時代には金物屋をしていたという。旧がついているのは、主はいなくなったため。建物は、解体して建てなおしたので新しいが重要文化財。
 
 内部。
 
 後に蔵が見えるが、手前の建物は、蔵への入口がある「蔵前座敷」。こんなのを見たのははじめて。
 
 「蔵前座敷」の中。障子を開けると、蔵の入口がある。
 
 今井まちや館。

 町家を改修して、休憩ができる施設になっていた。
 
 「おにみみコーラ」を買いにやってきた「端壮薬品工業」。

 ここの店主は、似顔絵が上手なのだが、ちょうど訪問時には、さきほど見た観光列車、「EXPO TRAIN近鉄号」に呼ばれているのだという。
 
 「おにみみコーラ」を1本買う。10倍くらいに薄めて飲むということで、帰宅してから、炭酸水で薄めて飲んだ。
 
 称念寺。

 今井町の中心的な寺。一向宗の石山本願寺は称念寺を道場としてつくり、寺内町をつくりあげた。

 今井の一向宗徒も信長と戦ったが、やがて降伏。のちに自治権を得た。江戸時代も、自治が認められていた。

 本堂は重要文化財で、2022年に修復がおこなわれたが閉っていた。
 
 本堂の見学日は限られていて、しかも要予約で、ハードルが高そうだ。
 
 今井町は、寺内町であるとともに、環濠集落。

 一向宗徒が戦いに備えて町の周囲に濠をつくり守った。

 写真は、町の西側の修復された環濠。

 
 
 以前来たときは環濠も荒れ果てて、水もなくなっていたが、いまは整備されている。

 写真は、今西家住宅と環濠。
 
 町家カフェ「古伊」に入店。
 
 内部は座敷とテーブル席があり、テーブル席についた。
 
 かき氷をいただき、しばらく休憩。

 下   ところどころに立ててあった案内図。

 2時間ほどかけて散策し、八木西口駅に戻り、帰宅。
 



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