3 平城宮跡,唐招提寺,薬師寺
平城宮跡
 2010年の平城遷都1300年記念祭以来の平城宮跡の訪問、2009年の唐招提寺金堂修理完成以来の唐招提寺、薬師寺の訪問を合わせて行った。

 西大寺駅は通過、乗換は多いが、下車したのはほんのわずか。たぶん2010年の平城宮跡訪問以来だ。
 駅舎を出てすぐに、安倍元総理の銃撃現場を通過する。

 慰霊碑はここから離れた霊園につくられた。事件を思い出したくないという声に配慮したようだ。
 かわりに設置された花壇があり、ここで手を合わせて慰霊した。

 木札には、供え物はしないでくださいということが書かれている。
 
 
 上   10分ほどで平城宮跡の入口に到着。

 黄字が訪問箇所、オレンジ色線が散策経路。危ない暑さだったが、日陰の余りない中を4kmほど歩いた。

 左   まず平城宮跡資料館へ。
 
 
 上   遺跡の中を近鉄が通っている。遺跡の発掘より先に鉄道が敷かれたのだろう。

 左   南門の復元作業中。西側の小さな門は完成済み。
 
 作業現場を見るための足場が設置されていて、上って、中をのぞいてみたが、まだあまりできていないようだった。
 
 復原事業情報館。

 第一次大極殿や南門の復原作業についての展示をしていた。
 
 第一次大極殿。

 大極殿の一次、二次について。710年に平城京ができたときの大極殿が第一次。

 聖武天皇時代の740年に恭仁京、さらに難波京、紫香楽京と遷都し,745年に平城京に戻るが、戻ったあとの大極殿が第二次。
 
 第二次大極殿跡。

 周囲よりも少し高くした土台が築かれ、その上に柱の位置を示す丸い石がとりつけられている。
 
 推定宮内省の復原建物。
 
 遺構展示館。

 発掘現場の様子を見せるための施設。掘立柱建物の遺構で。奈良時代を通じて何度か建て替えられたこともわかるという。
 
 東院庭園。

 平城宮は東側に張り出した部分があり、そこが東院。そこの迎賓館的な施設の復原。
 
 近鉄の踏切があった。遮断機はあるが、電車が猛スピードで走るので、かなり怖い。
 
 踏切にさしかかる電車。
 
 朱雀門。

 平城宮の正門である。

 下   朱雀門は門の下に入れるようになっている。南門のほうを見る。近鉄が通っている。
 
 
 平城京いざない館。

 ガイダンス的な展示施設。子供でも楽しめるように工夫されている。
 
 遣唐使船の復原。

 こんな小さな船で海を渡ったのかと思う。船内に入れたが、居住環境も悪く、大変な航海だったとわかる。
 天平うまし館。

 レストランや土産物店が入っている建物だ。ここで昼食をとっていく。
 
 シルクロードカリー。

 ご飯が赤米である。もちもちした感じ。

 ルーは各種のスパイスをまぜた、小麦粉・塩・添加物不使用の「遣唐使船スパイス」が使われている。辛口とまではいかないが、ピリッとしている。正倉院に御物としておさめられたスパイスをもとにしたという。

 1000円で、スープと奈良漬つき。ドリンクセットのコーヒーが200円。

 
 たまたま訪問した7月17日は「奈良酒祭り 無料試飲会」が行われていて飲んでいくことにした。

 下  吉野の3蔵の酒。北岡本店の「八咫烏(やたがらす)」、北村酒造の「猩々(しょうじょう)」、美吉野酒造の「花巴(はなともえ)」。

 3種の酒は同じ水を原料にしていて、共通のラベルの製品をつくったそうだ。味は全然違っていた。
 
 
 奈良しゅわボール。地酒をサイダー等でわったもの。右が地酒だが、銘柄はわからなくなった左の小瓶がサイダー。

 下左   サイダー2種類でわってもらった。「古都華サイダー」、「富有柿サイダー」。

 下右   八木酒造の「ならまち紅茶梅酒」。
 
 
 
 
 平城宮を出て、歩いて唐招提寺に向かう。ここから西大寺駅より唐招提寺のほうが少し近く、2kmほど。 
唐招提寺と薬師寺
 唐招提寺の北側の入口は参拝客は使えず、南側の正門へ。

 唐招提寺、薬師寺はともに3回目で、常に一緒に参拝している。

 8世紀に来日した鑑真により創設された。
 
 
 上   金堂。唐招提寺で最大の建物で、奈良でも珍しい8世紀の建築。

 2000〜09年は修理で非公開になり、工事終了の落慶法要のあと、間もない時期に訪問したときは大混雑だったが、この日は閑散としていた。

 左   戒壇。創建時からあったが、やがて廃され、昭和53年にインド‣サーンチーの仏塔を模して再建された。
 
 
 上   講堂。ここも8世紀の建築。平城宮の東朝集殿を移設したもので、平城宮の建物で当時のまま残る唯一のものだという。

 左   鼓楼。鎌倉時代の再建。金堂、講堂などとともに国宝。
 
 鑑真和上御廟。

 境内の北東のほかの建物から少し離れたところにある鑑真和上の墓。
 
 唐招提寺を出たのは16時。薬師寺まで10分。入場は16時30分、見学は17時までで、急いだ。

 薬師寺に到着。4月28日から2024年1月15日まで、東塔の落慶記念で、普段未公開の東塔・西塔の特別拝観が行われていることを知った。

 特別拝観を含め、大急ぎでの参拝になった。
 
 東塔。

 東塔は薬師寺のなかで唯一の創建当時の建物で、8世紀の建築。2010年から解体修理が行われて、2023年に工事が終わり、4月に落慶法要が行われた。

 六重塔にも見えるが三重塔。特別拝観は最下層だけ。
 
 西塔。

 16世紀の創建だが焼失し、1981年の再建。こちらも六重塔に見えるが三重塔。最下層のみ拝観できた。
 金堂。

 創建時の金堂は16世紀に焼失。仮金堂がつくられたが、1976年に創建時の姿で再建された。

 内部には国宝の薬師三尊像(中央に薬師如来、右に日光菩薩、左に月光菩薩)が安置されている。
 玄奘塔。

 1991年の建立。玄奘三蔵の像が安置されている。

 塔の背後には、平山郁夫の大唐西域壁画を展
示する壁画殿があった。
 閉鎖時間まで拝観した後、西ノ京駅より帰宅。


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