10 日 目    天 売 島 一 周
 5時すぎに温泉へ。誰もいなかったので、撮影。朝は宿泊客しか入れないのが幸いしたようだ。

 浴槽が大きいのは、日帰り客も多くやってくる温泉施設であるため。
 
 露天風呂。早朝の屋外は涼しいというより寒いくらい。しばらく湯につかって温まった。
 
 朝食時間の7時になりレストランへ。ビュッフェ方式だった。
 
 ここの特徴は甘えび食べ放題。羽幌産の甘えびをしっかりいただいた。
 ほかは朝食ビュッフェのよくあるおかずだ。
 
 朝食を終えるとすぐにチェックアウト。7時40分に宿を出て、8時には港に着いた。これから乗船するフェリーが停船中。

 船は8時30分発で焼尻に立寄って、天売着は10時5分。本来なら夏のこの時期、8時発の高速船があり、9時に天売に着く。しかし、重点措置のために高速船は休航中。この3日後、焼尻から羽幌に戻る日は、重点措置が解除される初日で高速船も運航され、その初便で羽幌まで乗るつもりだ。
 
 ターミナルにはまだ客はまばら。切符を購入。

 案内所が開いていたが、天売と焼尻の案内所は閉鎖中と掲示してあったので、昼食場所について尋ねた。

 天売は食堂が3つあるが、うち2つは閉まっているかもしれず、開いているのは港の1つ。焼尻は2つあるが2つとも閉まっていて、喫茶店が1つありカレーとスパゲティだけ食べられるとのこと。喫茶店の場所も教えてもらった。あと、パンフレットを何種かもらうと、船に乗れる時間になった。
 
 
 上   乗船したフェリー。客は真中下の乗船口から入る。絶滅危惧種のオロロン鳥にちなんでオロロンラインというのが航路の名前のようだ。

 左   2等船室。1時間半、ここで辛抱。
 
 焼尻が近づいてきた。
 焼尻停泊中。ターミナルには「オンコ」と書かれているが、この時は何のことかわからず、鳥の名前かなと思っていた。翌日、この島へやってきて、木の名前だとわかった。
 
 焼尻と天売は最も近いところでは3kmしか離れておらず、アッという間に到着。

 あとで行く予定の灯台はかなり高い位置にあるので、上るのが大変そうだと判明。
 
 
 上   天売に到着。この日泊まる宿「栄丸」の送迎車に乗車。

 左   1kmほど離れた宿に到着。港のあたりにも建物が少しあるが、集落はこの宿のあたりのようだ。

 ウトウの帰巣を見るナイトツアーに行くか聞かれた。このツアーのことは知らなかったが、行くことにした。19時出発なので、夕食は少し早めに17時30分からとなった。

 ツアーを催行している海の宇宙館に電話してくれ、代金を払いにいくことになり、このあと、昼食を食べ、島を一周するのだが、その前に海の宇宙館に立寄ることにしよう。
 部屋は洋室と和室のどちらがよいか聞かれ洋室を希望した。荷物は洋室に運んでおくから、ということで、出かけることにした。10時30分、歩いての島内観光に出発。

 海の宇宙館があった。入館して、ウトウのナイトツアーの代金を払った。
 
 宇宙館という名がついているので、星がメインの展示かと思ったら、メインは海鳥についての展示だった。
 
 展示の中でも目をひいたのが、ケイマフリのふ化の撮影に成功しましたというもの。隠しカメラでうまく撮影していた。

 
 ふ化したあとのウミガラス(オロロン鳥)の卵の殻も展示されていた。60羽ほどに増えたとはいえ、まだまだ希少な鳥の卵の殻をよく捕れたものだ。

 かなり大きくて、鶏卵ほどある。海鳥の卵はいづれもそこそこ大きいという。
 
 拝借した写真だが、ウミガラス(オロロン鳥)。わずかな数の鳥をうまく撮影したものだ。

 海の宇宙館は予想以上に充実していて、小さな施設だが30分ほど滞在した。前日に行った羽幌の海鳥センターよりも臨場感があった。

 海の宇宙観の隣に食堂が1軒あるのだが休業だった。
 
 開いている食堂があるという港へ。さきほどは送迎の車がきていてじっくり見られなかったターミナルを見学。
 
 島で唯一開いているという港にある食堂「海友丸」へ。営業時間は11時15分から13時30分と短く、昼食時だけ。店についたのは11時20分ごろで開店直後だった。
 
 この日の一番乗りだったようだ。
 
 ウニ丼を注文。この旅行では4回、ウニ丼を食べたのだが、天売が最安の2800円だった。

 定食になっていて、みそ汁やおかずが何種かついていた。右上の鉢はなまこ。
 
 ウニは色の濃いのと薄いのが混じっているのがわかるだろうか。色が濃いのがバフンウニ、薄いのがムラサキウニ。片側がバフン、もう片側がムラサキというのはよくあるが、混ぜて出されるのは初めてだ。
 
 このあと島を一周するため、一周道路の入口に向かっていたら、鳥が3羽並んで立っていたので撮影。撮影してから模型だとわかった(笑)。
 
 でも、すぐに今度は本物のウミネコが自分のすぐそばにやってきたので撮影。
 
 
 上左   海の宇宙館の前を通り、少し行くと、島を一周する道路が分岐している。最初のうちは坂道を連続してあがる。反時計回りで島を一周する。一周は10qほどで、港からの往復区間を入れると12qほど。

 少し上がると、展望台があったが、案内標には天売島海域での遭難者慰霊碑と書いてある。

 上右   道路から50mほど奥に、慰霊碑は目立たないが立っていた。

 左   つぎに展望台へ。愛鳥展望台というらしい。
 
 港を見下ろすことができる。天売島は最高地点が200mほどだが、ここはまだ50mほどで、まだまだ上り道が続く。

 海面の右には焼尻島が平べったく見える。左には利尻富士が見える。利尻が見えるとは思ってもみなかった。
 
 
 
 上左   愛鳥展望台から少し上がると灯台への道が分岐していた。細い道はかなり長く500mほど歩いた。

 上右   天売島灯台に到着。

 左   分岐点に戻り、さらに坂道を上る。舗装されてはいるがとても急な坂道で息がきれる。
 
 
 上左   急坂を上る自分と反対方向に向かう自転車向けの標識。オロロン鳥らしき鳥が描かれている。

 上右   焼尻島がきれいに見える地点があったので撮影。島の中心の集落は、写真で見える側の反対側で、左のほう。

 左   観音崎園地への分岐。
 
 
 上左   観音崎園地へは400mほど。島の北側の海岸は崖が連続していることがわかる。

 上右   観音崎展望台。

 左   崖上ではウミネコが休んでいた。
 
 観音崎から分岐点に戻り、さらに歩き続ける。すでに天売島の中では一番高い付近に到達したようで、緩い上がり下がりが続く。

 海鳥観察舎がある千鳥ヶ浦園地への分岐があったので行ってみる。車でも行ける道だ。海鳥観察舎へは300mほど。
 
 ほどなく駐車場があった。海鳥観察舎へはさらに遊歩道を下っていく。
 下っていく先に見える小屋が海鳥観察舎。
 
 海鳥観察舎の中。岬のように張り出た崖の上にあり、ほかの崖の上にいる海鳥が見えるようになっている。

 望遠鏡は強力で遠く離れた崖の上のウミネコなどが良く見えた、でもウミネコ以外の海鳥は発見できなかった。
 
 ウミネコが舞うように飛んでいた。

 崖は150mくらいの高さ。自分がいる観察舎も崖の先端の150mくらいの高さにあると思うと少し怖い。
 
 海鳥観察舎の窓のすぐ外側にウミネコのひながやってきた。類てやってきたのでまだ飛ぶことができないようだ。窓で隔てられているが、2m位先にいたのはラッキーだった。ハゲタカなどに襲われないでほしい。
 
 千鳥ヶ浦園地をすぎると下り坂になる。少しだけ下ったあたりに赤岩灯台がある。

 
 
 灯台の下に赤岩展望台があり行ってみる。展望台に行く道はコンクリートできっちりつくってあり、距離も150mほどで行きやすい。ここでも見られたのはウミネコだけ。
 
 赤岩展望台の周辺の斜面や道のすぐ外側には無数の穴があった。

 これがウトウの巣。3月から7月ごろには、巣にはひながいて、親鳥は昼間は外に出ていて、夜になるとひなに食べさセる餌をもって巣に帰ってくる。
 
 上左   赤岩展望台をすぎると一気に坂道をかけ下りる。正面に焼尻島を見て、どんどん高度を下げていくのは気持ちいい。

 上右   まむしがいるというので、道以外は歩かないように注意。

 左   標高150mくらいから20mまで下り、海岸近くまでやってくると、ウミネコの繁殖地があり、無数のウミネコがいた。
 
 ウミネコは道のそばまでやってくる。人を怖がる気配もないので、撮影しやすかった。

 下左   宿まで1kmほどのあたりから完全な平地を歩く。

 下右   廃屋も目立つ。4、5軒に1軒は廃屋の感じだ。島の人口は300人ほど。
 
 
 天売小中学校。2021年現在、小学生は12名、中学生は1名。
 
 小中学校の前には島で唯一の信号と横断歩道がある。交通安全教育のとき以外、ほぼ常時、青信号なのだろう。

 下左   天売郵便局。

 下右   羽幌警察署天売派出所。
 
 上左   北留萌消防組合消防署天売分遣所。

 上右   羽幌町天売支所。天売も焼尻も羽幌町に属していて、ここは町役場の支所。

 左   北海道天売高等学校。北海道では〇〇立というのを高校名につけない。ここは道立じゃなく、羽幌町立。定時制だけの高校で、2021年現在、生徒は13名。島の生徒は1名で他は全国(大半は札幌)からの離島留学の生徒。木造の校舎だが、今や校舎が木造という高校は日本中でもほんのわずかだろう。
 
 
 上左   三浦商店。

 上右   川口商店。

 天売で買物ができるのは、この2店。2つの店でそれぞれ、飲物を買い込んで宿に向かった。

 左   宿に戻ってきた。10時30分に出発、15時30分に帰着で、5時間で島を一周した。海の宇宙館と昼食を除いた一周コースだけだと3時間30分で回ったことになる。
 
 2階の部屋へ向かう。写真で突き当りのところに共同使用の冷蔵庫があり、飲物を入れたが、小型のものなので、すぐに一杯になり、遠慮してたくさん入れるのは避けた。
 
 簡素だがきれいな部屋だ。
 
 部屋の奥から入口方向を撮影。
 
 窓からは焼尻島がきれいに見えた。
 
 宿に戻ったさい、風呂が湧いているので入れると聞いたので入浴。

 この宿は全体としてはよかったのだが、風呂だけはちょっと問題あり。

 家庭用の浴槽なのは辛抱しよう。しかし、、、

 1つ目は、湯に浸かったあと、湯は捨てずそのまま蓋をしておく仕組みだった。他人が使った家庭用の風呂の同じ湯に次の人も浸かるのは嫌だな。自分は一番だったのでよかったのだが。

 2つ目は、家庭用と知らない他の客が扉を開けて入りかけた。1人しか入れない風呂だとは思わない方が普通。1人しか入れないことを客に伝え、入浴中の表示を作るとかしないと、扉を開ける人がでるだろう。

 1階はよくわからないが、2階は家庭用の風呂が男女別にあった。
 
 気温は、旅行中、この前日くらいまでは、最高気温が20度くらい、活動する日中の気温は16、7度が毎日続いていた。涼しくていいいんだが、この日あたりから少し暑くなったようだ。

  17時30分になり、玄関先のBBQ設備のあるところへ。夕食はBBQなのだ。最初、写真の席に案内されて、日が当たるの暑く、すだれを隔てた側の席に換えてもらった。
 BBQの具材。たこ、いかはそれぞれ大きいのがドカンと持ってある。ほたての貝殻にはほたてと野菜が少し入っている。ウニは2個。

 このうち、ウニは生でいただいてもよいとのこと。

 下左   魚。

 下右   ジンギスカン。ほたてを先に。べ、貝殻の上に載せて食べるようにとのこと。
 
 
 
 ご飯は海鮮丼だった。午前中に宿についたときに、大中小どれにするか聞かれて、よくわからないので中と言っておいた。

 下左   BBQの材料と設備の全景。

 下右   商店で買った飲物を会場へもっていくと、氷がいるか聞かれた。飲物の持ち込みOKということだろう。

 
 
 
 
 ウニ2個は生でいただいた。

 下左   たこ、いか、魚を焼いているところ。

 下右   持ち込みのビール。
 
 
 BBQは焼くのに時間がかかり、食べ終わると間もなく、ウトウ帰巣を見るナイトツアーのピックアップがやってきた。

 まず赤岩展望台に行き、日没を見る。日没の後、見計らっていかたのように、ウトウが飛んできた。はじめはポツポツと少し。
 
 暗くなるとともに、ウトウがどんどん帰ってきた。

 赤岩付近には無数のウトウの巣があり、どの鳥も巣を間違わずに帰ってくる。
 
 ウトウをうまく撮影はできないが、黒く見えるのが飛んでいるウトウ。

 20時を過ぎると道路にもウトウが歩きだすために、車も動けなくなるとかで、20時になると撤収。

 ウトウの帰巣は5月から7月中旬だけ見られ、ナイトツアーもあと少しだということ。

 ウトウも帰巣は壮観だった。ものすごいスピードで飛ぶので撮影がうまく行かなかったのが残念だったが見られてよかった。

 【10日目の歩行距離  島一周 12q  計12q】

 

9日目へ  道北のトップへ  ユーラシア紀行のトップ へ  11日目へ