2 日 目   旭 岳 中 腹 の 裾 合 平
 早朝、まだ暗いうちに大浴場へ。誰もいないときに撮影と強く言われたので、いつも撮影は早朝が多いが、特に早く行った。

 大浴場は、ユコマンの湯とシコロの湯があり、前日夕方に入ったのはユコマン、21時に男女の入れ替えがあり、この時はシコロが男風呂。
 
 前日に入ったユコマンは浴場内に廊下があり、その片側に洗い場があり、浴槽も岩風呂だったりと面白かったが、シコロのほうは至って普通の風呂の感じ。ユコマンの方は温泉が開かれて以来の古い風呂だというからそうなるのだろう。

 大浴場には2つの浴槽が並び、奥が茶色っぽく、手前は透明。奥は芒硝泉、手前は炭酸水素温泉と書かれていた。壁を埋めている木がシコロ。
 
 渡り廊下を通って露天風呂へ。
 
 屋根付きの露天風呂とは別に屋根なし露天風呂があるというので、行ってみた。

 こちらは明かりがなく、様子がよくわからず、浴槽に入る部分の写真をとたっただけ。

、この日の夕方、シコロの湯に入浴し、この屋根なし露天風呂も入った。木で囲まれ森の中のような雰囲気を出していた。
 屋根付きの露天風呂から館内の風呂への渡り廊下を見る。

 これだけ撮影したあと、カメラを戻し、館内の2つの浴槽と写真はないが寝湯、そして屋根付きの露天風呂を合わせて30分ほど入浴。結局、入浴中は他の客はやってこず、浴場から出たときに入れ違いに1人の客が入った。
 
 
 上   朝食。鍋物にかえてみそ汁なら、典型的な和定食だが、鍋物にかえたあたりで豪華感がでている。

 左   初めていただいて、珍しいと思ったのは、泡醤油。醤油を泡状にして、それを固めてある。半固体なので、舌の上に長く置かれるので、醤油が辛いだけじゃなく、コクがあると感じられて、面白い。
 
 この日も旭岳山頂がきれいに見える。前日まで、この日は旭岳に登頂しようと思っていた。前日にネットで調べると、ロープウェイの山上駅から裾合平へのコースは紅葉まっさかりらしい。

 山頂へは土と岩のコースを上がるので、前日に行先をかえた。まずロープウェイの駅まで。1kmほど緩い傾斜の道を歩く。
 
 
 上左   道路沿いの街灯は木に似せた電柱で雰囲気がよい。

 上右   ロープウェイの山下の駅。

 左   切符売場で5分ほど待つ。本来20分毎の運転だが、10分毎にピストン運転していた。定員を本来の半分に制限していたので、輸送人員は同じ。
 
 
 上左   ロープウェイの乗車券。

 上右   ロープウェイの”かご”。かなり新しい感じ。

 左   ロープウェイの通る直下も紅葉がかなり進んでいた。
 
 山上の姿見駅で下車したところからの風景。まだら模様の紅葉がきれいだ。
 
 パネルの前でレクチャーが行われていて、注意事項などを聞いていく。

 絵地図はよくできていて、旭岳直下の地獄谷の様子がよくわかる。

 これから向かう裾合平は図の左端の旭岳山麓を同じくらいの高度を保って歩くコース。
 
 
 上  駅舎から外に出るといきなりあたり一面が紅葉まっさかり。

 駅舎からの周遊ルートは左回りでも右回りでもいいのだが、左回りを少し歩き、裾合平へのコースに入る。

 左  ほとんど歩かないうちにチングルマが一面広がるところがあった。
 
 
 上   後を振り返るとすでに駅から上がってきた。紅葉の中に駅舎があるって感じ。

 左   展望台に上がって旭岳を見る。白いのは雪渓ではなく、噴気孔から出てくるガス。裾合平から戻ったあと、噴気孔も見に行こう。
 
 
 上左  鏡池。旭岳が映し出されるところから鏡池の名がついたのだろう。

 上右  ここで周遊コースから分かれて裾合平に向かう。

 左  裾合平の紅葉が素晴らしいとネット情報で知ったが、裾合平に行く途中も紅葉があふれていた。
 
 チングルマの大群落。

 下左   ベンチのある休憩所に到着。

 下右   ロープウェイ姿見駅1.9km、裾合平1.9km。どちらも同じで、ようやく裾合平までの半分やってきたが、まだ半分あると思うとつらい感じ。
 
 
 裾合平への道は旭岳中腹の1600〜1700mくらいのところにあり、高度差がないので、楽かなと思っていたのは間違い。

 写真のように、沢の部分でいったん下って、再び尾根に上がるのを繰り返すからだ。10m下って10m上がる感じで、こういう沢を横切るのは10回ほどあった。
 
 沢の部分では道を迷いやすい。沢にあやまって入り込んでしまうからだ。

 それで、沢の付近では写真のように↑を岩に書いたり、〇印を書いたりして迷わないように整備されていた。
 沢の部分は土や岩のガレ場が多いが、尾根を越す部分には、写真のように紅葉のトンネルの部分もあって楽しい。
 
 いよいよ裾合平に入ってきた。
 
 裾合平では木道の部分が多く、歩きやすくなっているのはよかった。雨のあと、乾きにくく、泥地になっているところが多いからだろう。
 
 裾合平分岐。ここから右へ少し進んだ付近が裾合平の中心。少し進んだ付近で引き返すことにする。

 本当はさらに進んで中岳温泉まで行きたいのだが、下山のロープウェイの最終を考えると不安だからだ。中岳温泉はいってみたいが、ロープウェイ駅の近くの宿に泊まり朝食後、速攻でロープウェイに乗らないと難しいと思った。
 
 紅葉の中を歩くのは楽しく、このまま中岳温泉まで行ってしまいたくも思ったけど、下山のことを考え、引き返すことにした。
 先ほどの分岐まで戻ったところにベンチがあり、昼食。

 宿ではおにぎりなどは作っておらず、ロープウェイの駅でもおにぎりの販売はない。旭岳温泉にはコンビニはないので、パンも買えず、菓子類を昼食代わりにした。
 
 やってきた道を戻る。行きよりは、下りがやや多くて、少し早く歩ける。紅葉を見ながら歩けたので、山頂目指すよりもよかったと思う。
 
 行きは2時間30分かかったところが、帰りは2時間で鏡池まで戻ってきた。下山のロープウェイには十分間に合うので、周遊コースを一周する。
 
 鏡池のところから周遊コースに入る。上り切ったところの展望台から夫婦池(右が鏡池、左がすり鉢池)を見る。すり鉢池は、朝、横を歩いたときにはわからなかったが、上から見ると、確かにすり鉢の底にある池だ。
 
 噴気孔に近づく。遊歩道じゃないところに植生がなく、道のようなところがあった。1940年代に噴気孔付近で硫黄の採取が行われ、硫黄をは運びだした道の跡だという。自然は傷つけると、元通りにはなかなかならないことがわかる。
 
 姿見の池。

 山頂への登山ルートは、対岸の斜面を上がっていく。ここでいったん噴気孔のそばへ寄り道。
 
 噴気孔に近付く。地獄台の一番下の付近だ。大部分は水蒸気だが、硫黄分も少し含まれていて、噴気孔のそばには黄色かたまりがある。臭いはかすかに硫黄のにおいがする程度。
 
 下山の前に、展望台から旭岳の南に位置する山々を見る。真中少し右の遠くに見える山が十勝岳。
 
 ロープウェイの姿見駅をめざして下っていく。

 今回の旅では、紅葉を見るのがひとつの目的だが、早くも2日目にして、十分に紅葉を見たって感じになった。紅葉という点から言えば、旭岳登頂を目指さず裾合平に行ったのは正解だった。
 
 ロープウェイで下山。

 山麓駅に着き、ビジターセンターは緊急事態宣言のため休館だとわかってはいたが、立寄った。やはり「臨時休館」の掲示。
 
 山麓駅から1q歩いて宿へ。

 温泉に入浴。早朝に入ったシコロの湯だが、屋根なし露天風呂にも入った。

 入浴後、飲物を飲んで、夕食まで一休み。
 18時になり、レストランで夕食。「遊食膳弐泊目」のメニューだ。

 食前酒は、檸檬酒。

 下左   注文した飲物は、ふらのワインの赤。

 下右   宿で湧く「湧駒水」も運ばれた。部屋の冷蔵庫にも入ってるし、ロビーでも飲めるようになっている。
 
 
 道産帆立のとうきび香る茶碗蒸し。

 帆立やじゃがいも(インカのめざめ)が入っている。
 
 炙りサーモンサラダ 燻製オイル添え。

 自家製の燻製醤油、燻製オイル、レモン汁をまぜたドレッシングをかけていただいた。

 下左   蝦夷鮑の塩釜焼き。一見、焼きたてのパンのようだが、塩だという。

 下右   食べるときはスプーンで塩の塊を割る。
 
 
 
 上左   塩の塊の中から昆布を取り出す。昆布が鮑を包んでいる。

 上右   昆布を取り除き、鮑だけをレモンをかけていただく。

 左   レモンソルベ。
 
 米茄子田楽、知床どり味噌仕立。

 茄子には切れ目が入っていて、箸で切りやすい。味噌には鶏ひき肉が入っている。
 鯛かぶと酒蒸し。

 柔らかく、多くの部分を食べることができた。
 
 湧駒荘オリジナル石狩鍋。火をつける前。
 
 煮あがったあと。
 
 少しとっていただく。バターを入れるのを忘れていて、あわてて鍋に入れた。
 
 じゃこ飯。じゃこのほか、しそが炊き込まれている。

 漬物は越智さん家のなんでもこい漬け。吸物はそうめん入りの澄まし。
 白い蕎麦茶ぷりん。

 美味しく満足いく食事ができた。山奥の宿で食べられるとは驚き。

 ロビーにあった料理長の写真を見ると、東京の料亭で修行をし、小泉総理大臣との写真もあって、首相官邸の料理も担当したようだ。

 

 

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