5 日 目  チ ェ フ ァ ル ー

 

チェファルーへ
 この日はパレルモから日帰りでチェファルーへ向かう。鉄道よりバス便利なことが多いシチリアだが、チェファルーへは鉄道のほうが便利だ。

 前日のうちに部屋に準備されていた朝食をとって駅へ。内容は前日と同じなので省略。8時前に出発。宿の入る建物を出るときに、入れ代わりに女性が入ってきたが、本来なら8時からの朝食を準備したりする人だろうか。
   窓口に列がなかったので、券売機じゃなく、窓口で切符を買う。8時33分発のメッシーナ行きに乗車。
 乗車したメッシーナ行き。機関車けん引の客車列車だが、最後尾は機関車を動かせる運転台がついていて、パレルモ駅には機関車を後部につける形で入ってきていた。

 下左  乗車した対面式ボックス型の2等車。

 下右  伝統的なコンパートメント式の座席もあった。ただし、廊下側から部屋の中が見えるようになっている。
 
 
 上左  チェファルーに9時28分着。70qほどなので結構速い。

 上右  チェファルーの駅舎。岩山の上の城塞に上がるのにどれだけかかるかや、昼食時間が読めないが、1時間に1本ほどあるので安心。

 左  15分ほど歩くと旧市街に入った。
 
 チェファルー最大のみどころはドゥオーモ。パレルモ周辺の世界遺産は8ヶ所でまとめて1つの世界遺産になっているのだが、チェファルーのドゥオーモもその1つ。
 
 ドゥオーモ前の大きな広場を抜け、階段を上がて入口へ。ドゥオーモの背後には岩山が迫っている。

 下左  聖堂内。パラティーナ礼拝堂やモンレアーレのドゥオーモと違って、フレスコ画が祭壇部だけしかないので、全体的に簡素に感じる。

 下右  側面の壁や柱の上部は絵がなく、石が露出している。
 
 
 祭壇の上部の丸いところには大きなキリスト像がある。パラティーナ礼拝堂やモンレアーレのドゥオーモと同じだ。その下には十二使徒のモザイク画がある。

 ドゥオーモを出たあと、回廊を見学するつもりだったが、入口がなぜか閉ざされていた。
 
 
 上左  ドゥオーモの前には市庁舎があり、その横の小道を歩く。左が市庁舎、右には土産物屋が並ぶ。

 上右  マンドラリスカ博物館へ。ここの一番の見ものは「男子の肖像」という絵画なのだが、入場券を求めると、その絵の写真を見せて、この絵はミラノに行っていて、ここでは見られないが、それでもよいかと聞かれて、勢いで、見ないと断ってしまった。

 左  中世の洗濯場。冷たい水が流れていた。
  海岸に出られるようになっていたので、海岸に出てみた。防波堤が湾の中へ伸びていて、その先端まで行ってみた。そこから、チェファルーの新市街方面を撮影。駅もこの方向にあるはずだ。
 
 海岸に沿って遊歩道があり歩いてみた。途中、岩の上を歩くところもあって歩きにくい。

 遊歩道が終わり、車道に上がったところから遊歩道にある橋を撮影。
岩山上がったあとゆっくり昼食
 
 上左  岩山に上がるため、ドゥオーモの前を通り、さらに少し来た道を戻った。途中、軽トラックの荷台を利用した移動式の青果店に出会った。

 上右  岩山への上り口に到着。ここからは延々と上りが続く。

 左  少し上がったところに入場券売場があり、前の客が使い方がわからなかったようで、係が手伝っていた。それを見て、自分もやろうとしたら、係が代わりに操作してくれた。一番下に紙幣を入れるところやおつりが出るところがあるが、わかりにくい機械だ。係がいなかったらわからなかったかも。チケットが出ると、係はその番号と入場時間を控えていた。
 
 ガイドブックでは、デイアナ神殿まで20分、城跡までさらに20分とあったのだが、15分くらい歩いて、城跡らしきものが見えてきて、神殿をとばして城跡まで20分でやってきたのか、楽勝と思ったのだが、これは勘違い。

 城跡と思ったのは、城の下にある見張り所だった。
 
 30分ほど歩くと、神殿への道と城への道が分かれていて、城のほうへ進んだ。神殿は下るときに立ち寄ろう。

 城への道を進み、40分ほど歩いたところで、チェファルーの駅がよく見えるところに出た。ここでしばらく休憩。
 ようやく頂上の城跡が見えてきたが、これからが遠かった。

 結局、1時間かかって城跡までたどりついた。
 
 城跡に到着し、城壁の内部を散策したり、休憩したり。

 下左  城跡の隙間から海の側を見ると、海のすぐ近くまで絶壁になっている。すごいところだ。

 下右  旧市街は城跡の西側にあるが、これは東側の集落。海がとてもきれいだ。
 
 
 
 上左  城跡から少し下ると、来た道ではなく、ディアナ神殿に向かう道があり、そちらへ進んだ。

 20分ほどで神殿についたが、期待したほどのものでなかった。

 上右  神殿の近くにも城壁があり、頂上の城壁よりよく整備されていた。

 左  城壁の外側には旧市街が広がっていた。赤い屋根の美しい市街地だ。小さな町のわりにドゥオーモが非常に大きいことがわかる。

  ここで20分、市街地を見ながら休憩。そのあと、20分かけて下山。入場券を買ったところで、入場券のチェックがあり、係が入場時に控えた番号を探して消していた。下山しない客がいないか調べているのだろう。
 
 
 上左  城跡に上りはじめたのは11時前だったが、すでに13時。急いで昼食をとる店を探した。混みすぎず、ガラガラすぎずという店を探し、マンドラリスカ博物館近くの「サポリ・ディ・ドン・シシコ」に入店。

 上右  トラットリアを名乗っていて外観はそんな雰囲気だが、中はもう少し高級感があり、いい感じの内部。

 左  飲物は、シチリアでは最も一般的なビール、モレッツァ。
 
 プリモ、セコンドだけでも満腹になりそうだったので、前菜とデザートは頼まなかった。

 ところが、頼んでいない「突き出し」が出てきた。いわしののったパンとゆで卵。これは有料なのか無料なのか気になったが、他の客もみな出されているようだし、何も言わずにいただいた。会計のとき、無料とわかった。
 
 パスタ・アッラ・ノルマ。

 シチリア名物のパスタらしい。パスタはマカロニで、トマトソース味。具は揚げたナスを刻んで1個分ほど入っている。できあがったパスタにはリコッタチーズがかけられている。
 
 サルド・ア・ベカフィコ。

 baccaficoは「つつく」という意味で、いわしを串にさしていることを表しているようだ。

 下左  付け合わせのポテト。付け合わせはいらないかと思ったけど、パレルモで付け合わせなしにしたところ、セコンドがずいぶん貧弱に思えたので、注文した。

 下右  パンは包まれていたものを出して撮影。温められていた。
 
 
 着用していたエプロン。

 食べ終わったのは15時ごろ。2時間近くかかって食べたことになる。値段はコペルトを入れて31ユーロ(約4000円)。この店は値段に見合った美味しさだったといえる。このあとは、駅に向かい、パレルモに戻る。
路面電車で世界遺産の橋へ
  ローマ時代の道路の表面の跡。星形の模様のところらしい。立ち入れない場所で、鉄格子越しに撮影した。
 
 
 
 上左 「パスクア」とはイタリア語で復活祭(イースター)のこと。何か特別なことがあるのかと思って入ってみた。

 上右  クリスマスのときに教会でよく飾れているイエス生誕などの人形による展示をしていた。

 左  展示の中の1点。
 
 16時過ぎに駅に戻り、券売機で切符を買う。16時38分発だが、5分遅れているようだ。ほぼ同時にメッシーナ方面の列車も出るので、ホームには注意が必要。
 
 到着したパレルモ行きに乗車。
 
 1時間ほどでパレルモ着。5分遅れだったのが10分遅れに拡大していた。17時40分ごろ着。
 
 パレルモ中央駅の東側にある路面電車の乗場へ。切符はバスと共通なので、すでに持っている。

 下  パレルモの路面電車は南部と西部に分かれている。その途中の部分で廃線跡を見たので、かつては2つの部分は繋がっていたようだ。

 今回は、赤丸の中央駅から黄丸のポンテ・アンミラリオまで乗車。
 
 
 車内。

 短い区間の乗車だったが、その間に車内改札があった。何人かは、切符を持っていたけれども、刻印機で印を押していたなかった。そのたびに係が刻印していたが、罰金はとっていなかった。
 
 路面電車を下車したすぐそばに、目的のアンミラリオ橋があった。

 パレルモ周辺の世界遺産群は10ヶ所で1つの遺産になっているが、10ヶ所のうち9ヶ所は教会などの建築物だ。残り1ヶ所が、この橋なのだ。

 今は川じゃないところに位置していて、草地の中にある。
 橋の上も入れるようになっていた。車止めで車は入れないようにしてあったが、人は入れる。

 真中が一番高く、両側に緩い傾斜がついている。長さは200m弱。

 再び路面電車で中央駅に戻った。
 
 19時前に宿に戻って休憩。21時前に夕食に出かけようとしたが、昼食がまだお腹に残っているようだ。

 部屋には翌朝の朝食が準備されている。翌日はパレルモ街歩きの3日目なのだが、ローカルなB級グルメをいろいろ食べようと思っている。それで、朝食が不要なので、朝食を少し食べることにした。写真は省略。

 でも、それだけでは、少し寂しいので、中央駅近くにあった菓子店へケーキを買いに出かけた。
 
 シチリア名物のケーキであるカッサータを買って部屋で食べた。

 一番下がスポンジである以外は、生クリームとリコッタチーズ、ナッツなどを混ぜたもので、上にフルーツがのせられて、冷やしてある。部屋には冷蔵庫がないので、すぐに食べた。

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