6 日 目  上 五 島 か ら 小 値 賀 へ  

上五島の教会めぐり
 朝食。居酒屋のほうへ行っていただく。質素ながら美味しくいただけた。

 部屋に戻って、チェックアウト。鍵を別館にある無人の受付に置いておく。

 午前中は中通島(上五島)の教会を回った後、午後から小値賀島へ向かう。
 
 上左   まず、鯛の浦教会に向かう。宿最寄の「有川港町」バス停へ。

 上右   バス停の前の川を見ると水があふれかかるくらいで怖かった。満潮時には水が逆流し、毎日このようになるのだろうが。

 左   青方行きのバスだが、少し迂回する。迂回地点で下車すると、鯛ノ浦教会まで2kmほど。
 
 
 上左   箒山で下車。

 上右   歩き始めるとすぐに「鷹ノ巣の信仰の遺産」の標識があった。

 左   100mほど歩くと広場があった。1870年(明治3年)、ここにあった家で、信者が惨殺された。上五島最後の信徒弾圧であった。遺骨の一部は大浦天主堂の祭壇におさめられた。
 このあと25分ほど歩いた。幹線道路から少し脇道を上がったところに現在の鯛ノ浦教会があった。

 下左   現在の教会に裏手に旧鯛ノ浦教会があった。新旧ともに閉ざされていた。

 下右   旧教会の正面とその前にあった金属製の鐘楼。
 
 
 
 上左   ルルドが作られていた。”水は飲まないでください”ということだった。

 上右   鯛ノ浦教会の最寄バス停は「中野」で、ここから乗車。

 「有川港町」では川の水面がかなり低くなっていて、一安心。

 上右   有川港ターミナルに到着。次は頭が島に向かうが、しばらく時間待ち。
 
 ターミナルに近くに、横綱佐田の山の像を発見。 佐田の山が有川の出身だということを知った。
 
 しばらく待ち、頭ヶ島(かしらがしま)教会行きのバスに乗車。

 路線バスで頭が島教会に行く場合、教会が開いている時間帯では、このバスで行って、30分滞在して折り返すのが唯一の方法だ。自分以外に観光客は4人グループが乗ったのみ。
 
 
 上   坂本龍馬ゆかりの広場。バスより撮影。中通島の北東端近くにあるが、龍馬が五島のはずれにやってきていたことに驚いた。

 龍馬が長崎で亀山社中を設立し、グラバー商会から購入した船がこの付近で遭難。薩摩へ”新婚旅行”中だった龍馬はこの地へ駆けつけ、乗組員を慰霊した。手を合わせて慰霊する龍馬像と石碑が立っている。

 左   頭ヶ島大橋を渡り、頭ヶ島へ。
 しばらくすると眼下に頭ヶ島教会が見えた。山を削って狭い平地を海岸近くに作って、教会を建てる土地を確保したようだ。

 バスはここを下っていく。レンタカーの場合は、ここを下らず、上五島空港(定期便なし)へ行き、予約制のシャトルバス(見かけたがバンだった)に乗車する必要がある。
 
 教会のそばのバス停で下車。すぐに教会へ。ここは「頭ヶ島の集落」として世界遺産になっている。

 1919年に完成した石造りの教会。石造とは日本では珍しい。設計施工は鉄川与助。
 
 
 上左   正面より。

 上右   金属製の鐘楼。

 左   写真撮影は禁止だが、案内板の写真を拝借。椿の花の模様が多いのが特徴。
 
 島のふれあい館。

 無人になった民家を改装して、見学できるようにしたもの。昔の生活ぶりや祭壇(潜伏期ではなく自由に信仰できるようになって以後のもの)を見ることができる。観光案内所的な展示もある。
 
 キリシタン墓地。

 ほとんど住人がいないような集落だが、墓地には数多くの十字架が見える。過疎化がどんどん進んだんだなと実感。
 
 キリシタン拷問五六石の塔。

 キリシタンの拷問のひとつに、算木攻めがあった。角材の上に正座させて、足の上に石を置いていくのだ。想像しただけで痛そうで、生き地獄だと思う。その石を形どった塔のようだ。
 
 上左   「頭ヶ島天主堂」バス停。有川港ターミナル行きは3本あるが、観光に利用できるのは昼の1本だけ。

 上右   自分以外には4人組のグループだけの乗車。

 左   有川うどんの里で昼食。うどんの製造実演コーナーもあったが閉鎖されていた。
 
 食べたのは、肉うどん定食。おかずは複数あったが、串カツを選んだ。

 観光客よりは、地元客が昼食にやってくる食堂という感じだった。
 
 有川港ターミナルに入ると、中通島の地図が床に描かれていた。(B、Cは若松島)

 人が走っている感じの島だ。あるいは十字架の形の島ともいえる。南北間は40qほどある。

 A・・・奈良尾港(長崎から福江に行く時に船が立寄った港)
 B・・・キリシタン洞窟
 C・・・若松港(キリシタンクルーズで船の終点)
 D・・・若松大橋
 E・・・上五島国家石油備蓄基地
 F・・・青方(新上五島町の町役場などがある)
 G・・・有川(島で最大の港があり、泊まった町)
 H・・・鯛ノ浦教会
 I・・・龍馬ゆかりの地
 J・・・頭ヶ島教会
 K・・・青砂ヶ浦教会
 L・・・津和崎港
 
  有川から乗車する乗合タクシーがやってきた。これから利用するのは、有川と小値賀を乗合タクシーと船を連携させて移動するコース。7時50分と13時35分に有川を出て、津和崎で船に乗換る。これから乗る13時35分の便は小値賀島に14時45分に着く。この便の利用者は自分1人。

 中通島から小値賀島に向かう毎日運航の船は、有川発10時15分のジェットフォイルか、青方発12時10分のフェリーだけなのだ。これらだと、同じ日に頭ヶ島へ路線バスで行くことができないのだ。どうしても、中通島でもう1泊しなけらばならない。

 そのため、頭ヶ島に行ったあと、13時35分の便を使うことにしたのだ。ただし、このルートは土日祝のみ運行なのだ。だから、土日運行のキリシタンクルーズを土曜に、有川から小値賀への連携便を日曜に利用することにしたのだ。
 
  タクシーの側面。船の区間も含めて、「小値賀・有川」と表示されている。なお、車の区間だけ、あるいは船だけの利用もできる。どちらも1050円で、車と船に1050円づつ払い、あわせて2100円。

 船だけの場合は、ジェットフォイルが1730円、フェリーが960円(ただし、青方発なので有川に泊った場合は、青方までのバス代が必要)と、船だけの方が安い。
 元海寺。山門がレンガ造りというのは珍しい。車窓より撮影。

 寺の創建は古いが、山門は1893年に建てられた。そして、何より驚いたのは設計施工が鉄川与助だということだ。五島の各地の教会を造った鉄川与助は仏教建築もしていたのだった。
 
 青砂ヶ浦教会。車窓から撮影。かなり大きな教会だ。別の機会に訪問してみたい。

 1910年に鉄川与助の設計施工で建てられた。
 
 青砂ヶ浦教会をすぎたあたりから、道路のカーブや上下差が激しくなった。

 島の北部は細長い半島になって津和崎まで延びているのだが、幅が狭くて、車の左側に海が見えたかと思えば、すぐに右側に海が見えるといった具合だった。津和崎港に着くまで、そんな感じだった。
小値賀では古民家に泊って部屋食
 車が中通島の最北端、津和崎港に着くと、乗り継ぐ船が待っていたので、すぐに乗換え、船の名は「津和崎丸」。津和崎港から小値賀島はわずかの距離で、20分ほどの乗船時間だ。

 下左  操舵室を通って客室へ。客室っても、靴を脱いでゴザの上に上り座るという部屋。7、8人入りそうだが、乗ったのは自分1人。

 下右   客室に入って、客室の入口側を見る。入口の向こうが操舵室。
 
 
 
 上左   客室内から外の様子を見るには立ち上がらないと見えない。写真は中通島の北端部。

 上右   中通島と別れると同時に、小値賀島が近付く。すぐに「おぢか空港」と書かれた横を通過する。定期便はないが、小値賀空港はあるのだ。

 左   小値賀港に到着。折り返しで津和崎行きになるが地元客が1人乗るようだ。
 
 港には「おぢかアイランドツーリズム」の人が出迎えてくれた。小値賀島の観光を手掛けている第3セクター的なところのようだ。今回2泊する古民家も「おぢかアイランドツーリズム」が管理している施設だ。

 「おぢかアイランドツーリズム」」の事務所は港のターミナル内にあり、ターミナルでいろいろ話を聞いた。その中で、島ではGOTOトラベルの地域共通クーポンは、小値賀島ではほとんど使えないということを聞いた。今回は、古民家に泊まるので、惣菜などを買いたいのだが、なかなか難しそうだ。
 
 小値賀島では、共通クーポンが使える居酒屋やレストランは”1軒もない”ということだ。今回は、古民家に泊り、部屋食にするので、この点はまあいい。

 問題は、惣菜やパンなどが買える店は、港のターミナル内の土産物屋と1軒のスーパーだけだという。しかも、その1軒のスーパーは日曜が休業で、この日は日曜だ。

 そこで、港のターミナル内の土産物店で、夕食時に食べるイサキ寿司やかまぼこ、それに翌日の朝食用のカップラーメンや昼食用のパンをクーポンで買った。電子クーポンで、使えるようになるのは15時からで、15時になるのを待って使った。6000円分のクーポンのうち、3000円分で買ったものの写真。
 
 このあと、ツーリズムの人ともに、2泊する古民家へ向かった。港のごく近くの古民家だ。

 古民家の宿は数軒あったのだが、ここを選んだのは、比較的安かったこともあるが、最大の理由は港のそばだったから。翌日は、早朝から野崎島に行くし、その次の日は佐世保に向かうからだ。

 この古民家はもとは漁師の家だったという。そこを改装して宿にしたということだ。
 
 写真は、扉を開けて中に入ったところ。このあと、一部屋づつ、説明を受けた。そして、鍵を渡され、チェックアウトは出迎えにくるので、その際に鍵を渡せばよいようだ。

 今回、古民家に泊ることにしたのは、GOTOキャンペーンに加えて、小値賀町が独自の宿泊費補助のキャンペーンをやっていたことが大きい。

 ここは22000円程度の値段なのだが、GOTOの割引で14000円程度になり、3000円のクーポンがつく。さらに、小値賀町独自のキャッシュバックがあって、1泊当たり、3000円、2泊で6000円を、説明のときに受け取った。クーポン分も考慮すれば、8000円程度で泊まることになるので、古民家を選んだ。
 
 靴を脱いで、上に上る。上ったところの右手が寝室。すでに布団が敷いてある。

 この部屋は、表の通りに面しているのだが、通りに面した窓は施錠されカーテンも閉められ、一見、外界には接してない感じだ。
 
 上に上ったところの左手には、洗面所、バス、トイレ。

 下左   バス。大き目で、横に取っ手もついていて、比較的高めのホテルと同じようにしてある。

 下右   洗濯機。乾燥もできるもので、2泊とも洗濯をした。
 
 
 
 上左   上に上ったところから奥を見ると階段がある。

 上右   階段は少し急なうえ、片側は手すりがないので、ちょっと危なく思った。

 左   2階はトイレを除くと1つの大きなリビングになっていて、キッチンもついている部屋だ。
 
 逆方向に、階段の側に向かって撮影。

 滞在中、このソファに座っていることが多かった。

 Wifiがなかったのが難点といえば難点だったが、携帯でテザリングしてパソコンを使ったので大きな問題ではなかった。、


 
 キッチンと丸テーブル。

 2日間とも夕食はソファに座ってとり、朝食は丸テーブルでとった。

 下左   IH調理器が組み込まれていた。自宅はガスコンロなので、初めて使った。調理器の下には、鍋、フライパン、食器類や包丁などがしまわれていた。

 下右   電子レンジ。その下はゴミ箱。
 
 
 
 上左   大型冷蔵庫。惣菜などを入れておく必要があり、ホテルに多いミニ冷蔵庫よりも便利だった。

 上右   2階にもトイレがあった。寝るときと風呂以外は2階でほとんどすごしたので、2階のトイレは便利だった。

 左   2階の全景。天井の梁(横方向の”柱”)がよく見える。確かに古そうだ。
 
 窓を開けると。狭い道を挟んで民家がある。漁師町の雰囲気が漂っているのだが、向かいの家が丸見えなので、すぐにカーテンを閉めた。
 
港ターミナルではビールなど飲物は売っていなかったので買い出しに出かけた。

 GOTOの共通クーポンが使えるスーパーは休みで、コンビニはない島なので、漁協が経営しているスーパーに行った。クーポンは使えないが、飲物などを買った。
 
 少し散策してみた。歩く人がまったくいなくて、閑散としている。
 
 5分ほど歩くと、集落のはずれまでやってきたので、古民家に戻った。
 
 古民家での2日間、夕食も朝食も部屋食にする。とはいえ、不便な島なので、簡単な調理をしようにも、食材が手に入りにくいし、できあいの惣菜も好みのものは見つけにくい。

 風呂に入ってから、夕食タイム。

 港ターミナルの土産物屋で買った、地元産のかまぼこ。
 
 漁協スーパーで買ったビール系飲料。初めて飲むものだ。わずかな種類の中から選ばねばならないあたり、離島であることを感じさせられる。
 
 トマト味のサバ缶。これも初めて見かけて買ったものだ。
 
 これは普段からよく飲む。
 
 港ターミナルで買ったイサキの寿司。冷凍してあったので、常温で解凍し食べられるようにした。あっさりしている。
 
 普段は飲むこともない甘めのアルコールも飲んでみた。
 
 コーヒーはドリップバックのものが置いてあったのでよかった。2日間でほとんど飲み干した。

 ホテルで泊まる場合、たいてい夕食をとりに出かけると、地酒を楽しんだりして遅くなりがちだが、この2日間に限っては、18時ごろから24時ごろまでソファでくつろぐことができた。そのあと1階に下りて寝た。

 

5日目 長崎・五島・平戸・佐世保のトップ 全体のトップ 7日目