9 日 目   古 仁 屋 か ら 名 瀬

胸ポケットのカメラが落下の悲劇後、大浜海浜公園へ
 この日の午前は奄美大島の中を、南の古仁屋から中部の奄美市名瀬まで移動する。途中、マングローブパークに立寄る。

 ホテルで朝食をとったあと、せとうち海の駅から「しまバス」の奄美空港行きに乗車。

 ホテルの前にもバス停があり、早朝だけはバス車内でも1日券や2日券が買えるのだが、事前に窓口で買いたかったから。2日券を購入。
 
 マングローブパークで下車。9時から開場なので、しばらく館内の休憩所で待った。

 そして荷物を預かってもらって、展望台へ。マングローブが自生している川を眺めた。でも個々の木を見ることができないので、物足りない。

 展望台から戻る途中に失敗した。階段の途中で靴の紐がほどけたので、階段に足をおいて、紐を結ぼうとした。その瞬間、胸ポケットに入れていたデジカメがポケットから抜け落ちたのだ。階段上ではなく、階段の隙間から階段の下の地面に落ちた。草が生い茂っていて、どこに落ちたのかも良く見えない。残念だが、このデジカメはあきらめた。 
 この日、朝から、朝食やバス、マングローブパークの内部などを撮影していたが、失った。

 でも、被害はそれだけですんでよかったのも事実。前日までの写真は、毎日夜に宿でバックアップしているので大丈夫。カメラ本体は予備を持ってきたので、退館して荷物を受け取ってすぐに使い始めた。

 実は、苦い経験をしている。2010年のこと、モンテビデオで肩下げカバンを奪い取られた。後からきた奴に、さっと紐をとられた。自分は渡すまいとカバン本体をもって抵抗したが、そのまま倒れて、カバンと一緒に引きずられたあげく、カバンはとられてしまった。自分は脱力して、しばらく倒れたまま。

 誰かが110番にあたる電話をしてくれたのだろう。間もなくパトカーがやってきた。まず病院に運ばれた。レントゲンは異状なく、かすり傷だけですんだ。そして、警察で事情聴取を受けている真っ最中に捨ててあたっというファイルが届けられた。金にならないので、捨てられたのだろう。中には航空券(当時は紙の最後の時期)や旅程表が入っていた。航空券はもちろん、出発時刻をまとめた旅程表もなけらば、旅に支障があったので助かった。

 とられたのは、カバン、デジカメ、帽子、上着などだ。幸い、パスポートと財布は別にかくして持っていたので大丈夫だった。デジカメはクレジットの旅行損害保険で新品を買いなおせたが、悔しいのは写真本体はなくなてしまったことだ。おかげで、この旅行だけは、旅行記をつくれていない。(HPのトップページで旅行記なし、と記載しているものがそれ)

 それで、デジカメは、毎日、その日の撮影分の写真をバックアップするようになった。(あと、この時よりも前なのだが、カメラが故障して困ったことがあって、予備機を持参していた。だから、事件のあとの写真はある。)それから10年以上たち、今回はその対策のおかげで、わずかな枚数の写真を失っただけですんだ。

 最近はデジカメを使わず、スマートフォンだけで撮影している人も多いと思う。自分の場合も、かつてiPhoneで撮影し、iPadで加工していた時期もあったが、ほどなくやめた。ファイルの作り方がWindowsのようにはいかずなれなかったことが大きい。ほかにもスマートフォンの地図をみながら、撮影をするとかデジカメの方が便利だと思うことがあり、デジカメ派だ。

 予備機は、もともと調子がよくなく、かろうじて使える程度のものなので、帰宅後、なくしたものと同じ機種を中古で購入した。8年前の機種だが、使いやすく慣れていて、バッテリーなどはこれまでのものが使えるからだ。中古で買ったものを主力機にして、予備機は今まで通りのものを使う。新しい機種はもう少し検討してから購入するつもりだ。

 また、以前から胸ポケットにはボタンがついているシャツを、海外では盗難対策でなるべく着るようにしていたが、今後は国内でもデジカメなどの落下防止対策で着るようにしようと思う。
 
 マングローブパークから乗車した奄美空港行きのバス。名瀬の末広通りで下車して乗換え。

 下左   すぐにやってきた市内線の「こしゅく第1公園」行き。

 下右   車内。奄美空港行きは観光バスタイプだったが、かなり古いタイプの路線バスで乗り心地はよくない。
 
 
 終点の1つ手前の「平松町」で下りて、大浜海浜公園に向かう。

 事前に見ていた地図では、バスを下りてから3kmほどだとわかっていた。でも、わからなかったことがあった。公園までの間に峠があり、100mくらい上らねばならないのだ。帰りも海抜0mから100mくらい上がり、再び0m近くまで下がる。

 写真は公園入口だがまだ少し上りが続き、そのあと急な登山道を下りる(車道は急ではないが距離が長い)。帰りはその道を上るのが大変だった。
 
 
 大浜海浜公園。

 奄美の中でも美しい海岸だと言われ、奄美大島の北部ではこことあやまる岬が奄美十景。

 砂が白く、海の青は段階的に濃くなっていくようだ。色が変化しているあたりに珊瑚礁があるらしい。
 
 公園内を散策。少し高いところから撮影。ソテツが立ち並ぶ向こう側に海というのがなかなかいい。もともとは砂浜だったのだろうが、芝生にしているのも見た目がよい。

 左手に写っている建物が奄美海洋展示館で、ここで昼食をとり、そのあと展示を見よう。
 
 展示館の入口を入ったところ。左下に写っているテーブルで食事をとるようになっている。横断幕の「いもーれ」は。「ようこそ」の奄美方言。
 うみがめバーガー。

 パンがうみがめの形をしている。手と足が写っているのだが、首が写っていなくて、工夫して写るようにしたらよかった。甲羅もパン。はさんであるのは、魚のフライ、チーズ、トマトなど。飲物はセットになっていて、レッドガァバジュース。
 
 展示を見る。ここでの見ものは、2階にある大水槽で飼育されているウミガメ。
 
 ウミガメ。
 
 芭蕉布。バナナに似ているが食用ではなく、繊維をとる。沖縄、奄美で織られる。

 海浜公園からの帰りはいったん峠まで上らねばならない。登山道を上るのは大変なので、帰りは車道を歩いた。それでも大変だったが。
 
 1時間弱かけ、市内線の平松町バス停へ。やってきたのは中型バスだった。

 大浜海浜公園は、予想外に高い峠の上り下りがあったのだが、きれいな海岸がみられてよかった。名瀬という奄美では最大の街のそばにあるというのも驚きだ。
奄美市名瀬
 奄美博物館最寄のバス停で下車。行ってみると閉鎖されていた。何と、月1回第3月曜が休みで、行った日はたまたま第3月曜だった。

 下左   バスに再び乗って、名瀬の中心部へ。「ティダモール」というアーケード街を見に行く。

 下右   シャッター街になっていて、営業している店が少ない。行きかう人も少なく寂れた感じ。


 
 
 
 アーケードから出て「セントラル楽器店」へ。この楽器店、そんじょそこらの楽器店とは一味違う。

 店に入ると、三線(さんしん)やチヂン(島太鼓)が並んでいるのが目に入る。また、CDコーナーでは自店で録音して作った島唄のCDがたくさん置かれていた。近年はネット配信にも力を入れているようだ。地元音楽の保存、発展に尽力している店だと感じた。

 あとは、一般的な楽器店と同じく、学校教材用のリコーダーやピアニカが置いてあった。2階はヤマハ音楽教室。
 
 名瀬港。こちらは一番奥の漁港の部分。この北側に大型船が着くところがあるはずだが、案内板などがなく、行ってない。
 
 1泊した「ウエストコート」。名瀬は奄美の中心地であるだけあって、ホテルも立派だ。

 このホテルを選んだのは、玄関の右手、隣の建物との境目のあたりにバス停があって便利だったから。バス停の名も「ウエストコート前」とホテル名を名乗っている。
 
 室内。
 
 窓側から入口側を見たところ。
 
 1時間ほど部屋で休んだ後、ホテルの横の屋仁川通り(通称、やんご通り)で夕食をとろうと出かける。名瀬のなかでも居酒屋などが集中している通りらしい。
 
  ひときわ目立つのが居酒屋「脇田丸」。ホテルでも、グルメマップをもらって、お薦めの店の一つとして紹介された。この店に入ってみることにした。
 
 
 
 
 
 上左   店内。カウンターに座った。

 上右   生ビール。

 左   お通し。
 
 刺身3点盛り。

 1人用の船盛で出されてなかなかいい。 シビ、タイ、エラブチなのだが、エラブチは沖縄のエラブチャーと同じなんだろうな。

 これで、650円というのは激安だ。この店は自社で漁船をもち、漁をしているというので安いのだろう。
 
  龍郷町の奄美大島酒造製の黒糖焼酎「JOUGO」をいただく。
 
 豚の角煮。
 
  たこ唐揚げ。
  ミニ鶏飯。

 下左   大漁旗を模した衝立。

 下右   通りのゲートは裏側が「やんご通り」になっていた。

 ホテルに戻り1日を終えた。
 
 
 

 

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