3  キ ャ メ ロ ン ハ イ ラ ン ド へ

 

朝食後、キャメロンハイランドへ移動
 この日はKLからキャメロンハイランドへ移動する。ホテルをチェックアウトする前に朝食に出かけた。この日、向ったのは粥の有名店の「漢記」。

 食べ終わるまで、その店が「漢記」であることは疑わなかった。ところが、食後に隣の店を見て、やっと気づいたのだ。入店した店は「漢記」の隣の店だったと。入った店は「喬記」。

 写真で左側が「喬記」、右側が「漢記」。撮影した時は同一の店内だと思って撮影していたのだが。ま、いいか。
 
 上左  row fish porridge (生魚粥)を注文したのだが、row か boil か聞かれた。生の魚のはずだが? と思ったが boil を頼んだ。魚は鯉らしい。

 粥が運ばれてきて理由がわかった。boil は生魚片が器の下にいれてあり、その上に粥が流し込まれているのだ。row は生魚片が粥の上に並べられているのだろう。

 上右  油條も頼んだ。

 左  生魚片を混ぜて、見えるようにした。生でなくなっている。粥と油條で6.5リンギット(約175円)。写真をとったあと油條も入れて粥をいただいた。水分が多く雑炊に近いが、塩加減などは問題なし。

 今度行ったときは店を間違わないようにしよう(笑)。メニューも値段も同じような感じだ。
 食後は付近の散策。スイスインの館内の連絡通路がある路地に行ってみた。

 ぎっしりと露店が並んでいたが、ほぼ全部が衣料、靴、雑貨など。
 
 ホテルに戻る途中で練り天の屋台があった。エビ入りやソーセージ入りの平たいのや厚揚げのような形のがある。

 下左  揚げているところ。

 下右  エビ入りのを買ってみた。丸かじりするするともりだったが、切ってくれて、唐辛子ソースをかけてビニール袋に入れてくれたので、ホテルに持って帰ってからいただいた。
 
 ホテルをチェックアウトし、バスターミナルへ向かう。マレーシアでは、以前はバスステーションという言い方が主流だったが、今回、バスターミナルが一般的になっていることを確認したので、バスターミナルで統一する。

 以前はLRTパサールスニ駅のそばに大きなバスターミナルがあったが、暗くて汚く、行先に応じた切符売場を見つけるのが大変だった思い出がある。

 現在はKLIAトランジットでKLセントラルから1駅行ったところにTBSとよばれる大バスターミナルができていて、長距離バスの多くがそちらから出発するので、移動する。

 まずはLRTでパサールスニからKLセントラルへ移動。MRTに比べ、車両が小さく、混んでいて、遅いことを改めて実感。
 
 KLセントラルでちょっとトラブル。KLIAトランジットの自動改札をTouch 'nGOで通ろうとしたら、改札を通れない。TBSの最寄駅までは6.5リンギットなのだが、前日にチャージをして、MRTに乗って少し使ったものの、それでも8リンギットほどは入っているはずだ。

 係にカードを渡し調べてもらったら、KLIAトランジットでもTouch 'nGOが使えるのは間違っていないが、カード内の残高が20リンギット以上残っていなければならないらしい。MRTやLRTに乗るだけなら2リンギットだったか、1リンギットだったか、わすかな金額が残っていればよかったのだが、KLIAトランジットには多額の残高が必要だったのだ。確かにKLIAトランジットの運賃はほかの交通機関に比べてきわめて高いし、KLIAエクスプレスにいたってはマレーシアらしからぬ金額なのだから、わからないではない。

 そこで、現金で切符を買い、乗車。発車すれば、1駅、10分弱でTBS最寄りのバンダル・タシク・スラタンに到着。KLセントラルやKLIAではホームドアの影響で、電車の写真をとりづらいので、この駅で撮影。
  上左  KLIAトランジットのバンダル・タジク・スラタン駅からTBSのバスターミナルへ移動。駅の中でもそこそこ歩き、跨線橋を渡り、10分ほど歩いた。

 上右  バスを予約している場合は、予約専用窓口で予約書を見せて切符を受取る。会社や行先は無関係。マレーシアでは初めて取り入れられた方式と思う。

 左  手続き後、発券された切符。会社や行先は関係なく、同一の地紋で、会社、行先、出発時刻、ゲート、シート番号などが印字されている。
 さらに、乗車当日の切符売場へ行って驚いた。たくさん並んでいる窓口は会社や行先は無関係なのだ。

 従来のマレーシアのバス旅で面倒だったのは、バスターミナル内の切符売場が会社ごとに分れていることだった。めざす行先のバスを運行している会社の窓口が見つけるのに苦労したり、切符を買ったあとで、もっと早く出発するバスが他の会社であり、残念な思いをしたりした経験がある。TBSの切符売場は画期的だ。ただ、この旅行で見た、キャメロンハイランドやイポーでは従来通り、会社ごとに切符を販売していたから、まだこの方式は一般的ではないようだ。
 上左  切符売場のある2階から、乗場のある1階におりるところには、切符の点検所があり切符を持たないと入れない。

 上右  1階の乗場と待合室。とてもきれいで、広い。指定されたゲートの前で待った。

 左  乗車した10時発のキャメロンハイランド行きのバス。荷物を預け、切符を見せて乗車。でも乗車したとたん、不安になって、もう一度、バスを降りて、キャメロンハイランド行きかどうか尋ねた。

 予約時のバスは3列シートのゆったりしたバスだったのだが、やってきたバスは4列の普通のバスだったためだ。加えて、バス会社は自社のバスじゃなく、バスをチャーターして運行している感じでバス会社名が切符とは違っていて、しかもフロントにも行先の表示がなかったからだ。
 
 予約していたシート番号は無意味なので、適当に着席した。自分が座った番号の席の人もいただろうが、何も言われなかった。座席予約は無意味であった。

 KLの少し郊外を回ったあと、イポーの少し手前までは北上。高速道路に入る料金所で、何と「Touch'nGO」のマークが書かれていて、何で?って思って、調べてみたら、「Touch'nGO」は、日本のSuicaやICOCAに相当するとともに、ETCの役割も兼ねていることがわかった。
 道路沿いには油やしが多く植えられていた。

 下左  200kmほどの移動のうち、150kmほどを2時間ほどで移動。イポーの手前の街で休憩。トイレ休憩だと思っていたのだが、実際には30分近く止まり、昼食休憩だったようだ。ここで食べ物にありつかず、ちょっと失敗。あと、50kmほどなので、すぐに到着すると思ったのだが間違いだった。

 下右  休憩後、バスは東に進み、急傾斜や急カーブの連続する道に入った。キャメロンハイランドまでは50kmほどだが、1時間半ほど要した。
 
  14時ごろキャメロンハイランドのバスターミナルに到着。バスの発着便数は少なく、ターミナル周辺の写真をとっていたりする間に、バスの客は徒歩やタクシーでホテルに向い、閑散として、寂しい状態になった。

 とても涼しく、マレーシアにいるとは思えない。あとで街中の気温の表示板を見たら24度であった。キャメロンハイランドは標高1500〜1800mほどの高原で、最も高いブリンチャン山頂が2000m。KLより8度くらい低いようだ。
 
 
 上左  バスターミナルの前のメインストリート。建物が道の片側だけも建っているのは400mほどの区間。完全に観光で成りたっている村だ。

 上右  今回泊まるゲストハウスは、KRS PINES。予約できる宿では最安のところであった。看板が出ていて、行きやすく、10分ほどで到着。ただ、坂道を少々上がらねばならないのが難。

 左  KRS PINES。
 
 
 上左  玄関。靴は玄関で脱いで入り、部屋まで持っていく仕組みになっていて、美しくなっている。

 写真の奥の方に事務室があり、チェックイン。宿泊税を払い、キーを受取る。現地の旅行会社が主催する1日ツアーを勧められた。あとで、メインストリートにある旅行会社へツアーの申し込みをしに行こうと思っていたので、ちょうどよかった。

 上右  部屋の窓から。

 左  室内。部屋は、とても簡素だが、裸足で入ることもあり、美しい。1時間ほど一休み。翌日はどのツアーを頼もうかと検討。
キャメロンハイランンド散策
 翌日の現地ツアーは、キャメロンハイランドのみどころを1日かけて回るものに決めた。1日と言っても15時くらいには帰ってくるようなので、早ければ散策に行こうと思う。
 左はゲストハウスのエレベータ。比較的新しいもののようなのだが、仕組みは古い感じで、手動で扉を開けて入り、閉まったら移動するもので、扉はカゴがないと開かないのだが、カゴの側には扉がないので、最初はちょっと怖かった。あと、エレベータに靴をもって、裸足で乗るのは初めてなので、ちょっと変な感覚もあった。

 宿を出る前に、ツアーの申込をして、80リンギット(約2200円)を払う。入場料などは含まれてるようだ。申込のあと、散策に出発。

 下左  バスターミナルのあるエリアはタナラタという地区なのだが、タナラタを中心にしてハインキングコースがいくつか設置されている。Path1から13まであるようなのだが、一人で歩いて問題なしというのはPath4と9らしい。あとはガイドをつけることが推奨されている。今回はPath4を散策することにした。このコースはロビンソン滝という滝をめざすコースだ。コースの起点までは車道を歩く。この車道あまりに単調だったので、Path4の入口を見逃してしまった。

 下右  Path4への分岐点。写真の右下にロビンソン滝という看板がある。これを見逃してしまい、分岐点から10分ほど余計に歩いてしまい、ちょっとおかしいと気づき、戻ってこの看板を見つけて正しいコースに入れた。
 
 
  分岐点から5分も行かないうちに小川を渡る橋があった。橋のたもとの看板を見ると、ロビンソン滝へはこの橋を渡るようだ。

 下左  橋を渡るとすぐに石の標識があった。ここからがPath9らしく、距離は2.57kmとある。ガイドブックの地図から判断するとこの距離はロビンソン滝への距離より長く、滝まで1.5kmくらいか。

 JUNGLE WALKとあるが、標高が高いので、普通ジャングルって聞いてイメージする密林ではなく、日本でも低地にはよくある森林と似た感じだ。

 下右  標識から先、ハイキングコースになったが、滝までの半分近くは、赤茶色のタイルが敷き詰められた遊歩道になっていた。もっとも、きっちり整備されているわけでもなかったのだが。
 
 














 上  途中からは、山道になり、倒木を迂回したり、木の下を潜り抜けたりしなければならなかったところもあった。

 右  40分ほど歩いて、ロビンソン滝らしき滝に到着した。看板などはないので、これがホントにロビンソン滝なのかは不明なのだが、位置や距離から考えて、これがロビンソン滝といって差し支えないだろう。落差は30mくらいありそうな滝だ。
 
  滝まで行ったあとは、同じ道を引き返した。バスターミナルのそばの公園まで戻ってあと、公園のベンチに座って休憩。結構歩いたのだが、涼しいのであまり汗はかかず、気持ちよかった。

 下左  メインストリートを端から端まで歩いた。タナラタで賑やかなのはこの付近だけだ。

 下右  たまたまこの日は日曜日。日曜日だけ開かれるサンデーマーケットに行ってみる。地元民向けの市場で食料品や衣類が売られている。
 
 
 青果売場。いちごを買う。キャメロンハイランドでは、いちごは多く作られているようだ。

 このあと、いったん宿に戻って1時間ほど一休み。

 
 
 
 上左  夕食に適したインド系のレストランがバススターミナルの斜め向かいあたりに3軒並んでいるのを散策に出たときに確認していたので、そちらに直行した。3軒の中の「スリ・ブリンチャン」に入店した。

 上右  店頭でナンを焼いていて美味しそうなにおいもしていて、適度ににぎわっていて雰囲気もよかった。

 左  店の前の歩道にもテーブルがでていたが、寒そうなので(マレーシアだけど、暑そうなので、の間違いじゃない)店内のテーブルに着席した。 
 
 飲物はアンカービールを注文。アンカーはインドネシアで圧倒的なシェアをもっているビンタンに次いで有名なビールなのだが、マレーシアでもときどきみつかる。値段は大瓶が18.1リンギット(約500円)と高いが、タイガーやカールスバーグと同額。

 インドネシアから輸入されたものかなって思ったのだが、裏側のラベルをよくみると、マレーシアのスランゴールで生産されたものだとわかった。

 料理は、アルゴビ(Aloo Gobi)。単純な料理名でAloo=じゃがいも、Gobi=カリフラワーと食材を並べただけだ。メニューの表紙にいくつかの料理の写真があって、これは何かと聞いて、選んだものだ。8.6リンギット。これに、バターつきのナンを注文。3.2リンギット。アルゴビとナンを合わせて11.8リンギット(約330円)。観光地価格とはいえ、料理はそこそこ安いのに対して、ビールはとても高いと実感した。
 











 左  アルゴビ。

 上  白いのがカリフラワー、カレーがついているのがじゃがいも。じゃがいもが多いので、お腹はかなりふくれる。
 

 
 







 
 左  ナン。焼きたてのアツアツだ。

 上  ナンにつけるカレーを拡大。辛みのきいた水っぽいカレー、ホウレンソウ?のカレー、すりつぶした野菜が多く入ったカレーが並ぶ。
 
 宿に帰る途中で飲物を買って帰ったのだが、ミネラルウォーターが、同一ブランドでも青と白のボトルが売られていて両方買ってみた。キャップも青、白と違いがある。青のほうが、ほんのわずかに高かった。

 青いほうは、AIR MINERAL SEMULAJADI、白いほうはAIR MINUMANとある。調べてみるとAIR MINERAL SEMULAJADIがミネラルウォター、一方、AIR MINUMANはドリンキングウォーターらしい。ミネラルウォーターは何らかの鉱物がとけた湧水などをさすが、ドリンキングウォーターのほうは、蒸留水から不純物をろ過した水のようだ。マレーシアでは、この2種を区別していて、青、白で違いを表しているとのことだ。味の違いは自分にはわからなかった。
 
 サンデーマーケットで買ったいちごを食べた。4リンギット(約110円)だったが、3つ買うと10リンギットだった。

 とても安いのだが、日本のいちごを食べなれていると、とても酸っぱく感じる。また、日本のいちごに比べて、形や大きさが不ぞろいで、固くて、ヘタが大きく、またヘタを取りにくかった。

 このあと、シャワーを使ったのだが、何と、10分たっても、20分たっても湯が出てこなかったのだ。温水の方からも冷水しか出ないというほどひどくはないのだが、夜が冷えるキャメロンハイランドで浴びれるようなものじゃなかった。でも夜も遅かったし、涼しくて汗もかかなかったので、スタッフに言いに行くのはやめて、翌日言うことにした。

 

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