9    宮 城 島 と 辺 戸 岬

 

 前日に買っておいた朝食を食べる。

 コザの心残り。コザのバス停のすぐそばの食堂がかつては24時間営業だったのだが、今は朝はやっていないのが残念だった。

 夕食で一度食べようかと思ったけど、メニューの大部分はご飯付きのもので、アルコール類がないのでやめた。またの機会に昼食で利用したいものだ。
 コザ8時19分発、名護バスターミナル10時13分の77系統のバス。乗車時は数分の遅れだったのだが、下車時には十数分の遅れになっていた。

 約2時間の乗車は今回の旅でも一番の長時間乗車。
 金武(きん)町では海岸べりを走る。

 まもなく、海岸とは反対側には米軍のキャンプハンセンの敷地が続いた。
 
 やがてキャンプシュワブのゲートがあった。

 普天間の代替で埋立される辺野古はキャンプシュワブ内の海岸だ。

 下   続いて工事用車両の出入口。警備会社の警備員が3、40人ほど出入口を警備している。
 
 
 名護バスターミナルに到着。昔ながらのターミナルで長く続くホームや真ん中に広いバス駐車場があり、かつての那覇のターミナルを思い出させる。かつての那覇とは違って、閑散としているが。
 
 時刻表。時刻は手書きで書かれていて味がある。ほかでは見かけなくなった時刻表だ。

 下   ホーム側から見た管理棟とバス駐車場。
 
 ターミナルの北側にはバスの出入口があり、そこからも入れるが、それとは別に、南側に乗客用の出入口がある。ここから出て、宿に向かった。
 
 「ゆがふいん沖縄」で2泊。離島での泊まりのあと、再び名護に戻るが、そのときにも利用する予定。

 名護バスターミナルは街の西のはずれにある。街の中心から離れているのだが、バスを利用する旅の場合はターミナル近くがよい。それで、この宿を選んだ。

 まだ昼前なので、荷物だけ預かってもらう。このあと辺戸岬を往復してから、宿に戻る。
 
 まだ11時前だったが、バスの時刻の関係で昼食。向かったのは、ターミナルそばの「ヤンバル食堂」。
 
 店内。テーブルの真ん中に仕切りがあり椅子は1人おきに座るようになっている。まだ開店直後で、広い店内に客はほかに1組いただけ。
 
 みそ汁定食。ほかにご飯と漬物がついている。

 これが沖縄風のみそ汁で、野菜がたくさん入っていて、豚肉も入っているほか、上に卵も。

 
 
 「みそ汁」に関係して、ややこしい点は2つあり、1つは沖縄でも、”普通のみそ汁”があること。これは値段から判断できる。

 もう1つは、店によっては、単に「みそ汁」ってもご飯がついてくる店があり、「みそ汁定食」だとさらに刺身など別のおかずがつくという店もあること。これは行きなれるか、店員に聞くしかない。
 
 バスターミナルに戻り、11時50分発の67系統、辺土名(へんとな)行きに乗車。

 この日最大の行先は辺戸(へど)岬で、1時間後のバスでも行けるが、このバスに乗ったのにはわけがある。

 経路の途中、宮城島を通る。島のあたりが本島が湾になっていて、湾の中に橋でつながった島があるのだ。それで、国道が海岸を迂回しないで、本島→宮城島→本島と走っている。

 それで、宮城島ってどんな島かって気になるので、途中下車するのだ。橋がある場合、離島訪問達成の基準はバスで通過でもよいことにしているが、1時間遅らせても、辺戸岬に行けるので、こういうコースにした。

 
 
 
 
 上左   宮城島手前の「大宜味中学校前」で下車。

 上右   何と前の年、中学が移転し、かわりに「道の駅おおぎみ」に生まれ変わったという。バス停の名だけ昔のまま。道の駅に入り、見ていった。

 左   宮城島に渡る100mほどの橋。なお、別の宮城島へ前々日に海中道路を通って行っている。区別するため、宮城島の後に、(大宜味村)、(うるま市)とつける。
 
 上左   宮城島の中で写真を撮り忘れたが、本島の一部って感じで、普通は島だとは思わないようなところ。

 島から本島に渡る橋。手前に途中で分断された古い橋がある。

 上右   橋を渡り終えたところの「塩屋橋」からバス。

 左   辺土名バスターミナルに着いたバスと右手にある待合所。
 
 バスターミナルから海岸へすぐに行ける。黒いのが軽石。
 
 300mほどバスで通ってきた道を引き返すと、国頭(くにがみ)村役場がある。

 新しい庁舎ができて間もないようで、古い庁舎を解体した跡地にも何かつくるようだ。
 
 役場前に村営バスの乗場がある。バスが止まっていたが出発までまだまだ時間がある。
 
 
 バスの経路だが、辺土名は左下のずっと下。北上してぐるっと回るところにから12の辺戸岬に立寄って、さらに15の奥まで行く。奥まで行って辺戸岬に引き返してくるまで1時間あり、その間に辺戸岬を見ることができる。

 奥行きのバスは、15時と17時30分の2便、辺戸岬から辺土名行きのバスは7時54分と16時34分の2便なので、バス利用の場合は辺土名発15時、辺戸岬着15時34分、辺戸岬発16時34分、辺土名着17時8分着というのが唯一のコースだ。
 15時になり出発。先ほど見たよりも小さいバスだ。客は自分1人。


 途中、集落ではゆっくりと客がいないか注意して走ったが、結局下車するまで1人だった。

 下   辺戸岬到着。西に目をやると、伊是名島と伊平屋島が重なってみえる。
 
 
 
 上   北には与論島が見える。与論島は8か月前に行ったので、そのことも思い出した。そのときは与論島から沖縄本島を見たのだった。

 左   北端に立っている碑は「祖国復帰闘争碑」。27年間、与論島との間には国境があったのだということの重みを感じさせられる。
 
 やんばる国立公園は、やんばるが世界遺産になったときに国立公園になったもので、国立公園の中で最も新しい。その1つ前の指定は、慶良間諸島国立公園で沖縄が続いている。

 遠くに見えるのは、石灰岩の風化によって奇岩が多くみられる大石林山。
 
 
 上左   1階が観光案内所、2階がレストラン、屋上が展望台の建物。観光案内所には展示もあったが、特に関心はひかれなかったし、展望台も岬で見た風景と同じ。

 上右   レストランでアップルバナナシェイクを出しているという掲示をみて入店。

 左   アップルバナナシェイク。なかなか美味しかった。カップにはヤンバルクイナが描かれているのもこの地ならでは。
 
 上左   16時34分発の村営バスに乗車。

 上右   役場前の手前の辺土名バスターミナルで下車。17時15分発の名護行きに乗り換え。

 左  18時11分、名護バスターミナル着。すでに真っ暗になっていた。
 荷物を預けている宿へ。

 この日から2泊は、部屋タイプの指定なしという予約をしていた。割り当てられた部屋は、ワンランク上のタイプの部屋でラッキーだった。

 向こうにベッド、手前にソファーがあるが、その間に入口からやってくる通路がある。
 ベッド側からソファーのある側を見る。
 入口側を見る。
 
  ほとんど休む間もなく夕食をとりに出かける。向かったのは宿の北隣にある居酒屋「ゆきの」。

 下左   店内。

 下右   オリオン生ビール。
 
 スクガラス豆腐。

 ”スク”とはアイゴという魚の稚魚、”カラス”はここでは塩辛のこと。スクカラスを豆腐の上にのせたものがスクカラス豆腐。

 たいていは、小さく切ったものが2、3個出されるのだが、この店では豆腐一丁を切って出されたのでびっくりした。でも美味しかった。
 
 スーチカーキャベツ炒め。

 ス―チカーとは塩漬けの豚肉。キャベツのほかもやしも入っていた。

 下左   コップの銘柄でなく、泡盛「久米島の久米仙」。

 下右   醸造元は久米島町の「久米島の久米仙」。こことはべつに「久米酒造」が「久米仙」を製造しているので”久米島の”を銘柄や会社名につけている、コップの「残波」とともに、沖縄でも一番よく見かける泡盛のひとつ。


 
 
 
 
 
 ナーベラー味噌炒め。

 ナーベラーはへちまのこと。ナーベラーを豆腐と味噌と一緒に炒めてある。

 満腹になって宿に戻った。
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