5日目   オ ン ダ リ ビ ア

 

 

スパニッシュバスクに突入
 この日は、スペイン側にある街、オンダリビアを訪問する。この翌日にエスプレットに行くのだが、そのバスが水曜日だけ運行なので、その関係で、この日はオンダリビアに遠征するのだ。

 朝食は最初の日と同じ内容だった。とはいえ8ユーロで食べられるのは価値があると思う。
 
 
 上左  この日もガトー・バスクはしっかりいただいた。

 上右  9時20分発のアンダイエ行き普通列車に乗車。

 左  15分でアンダイエに到着。アンダイエは小さな街だが、駅はスペイン国境の駅のため大きな駅だ。
 
 
 この日は工事のためか、一部の列車が運休されていることを掲示でしった。

 アンダイエ駅の電光表示を見ると、もともと本数の少ない列車がさらに少なくなっている。13時発の列車はCARとなっていて、代替バスのようだ。

 これからオンダリビアを街歩きして、この駅から帰るには18時19分のモンパルナス行きTGVに必ず乗らなくてはならない。そのため、駅には18時に戻る必要があろう。

 この駅から出ている国際列車は、今では18時35分発のリスボン行きだけになっているようだ。アンダイエ始発なので、国際列車といっても、1駅走ればスペインだが。昔はもっとあったし、夜行はパリ発着だったのだが。
 
  SNCFのアンダイエ駅とバスク鉄道のエンダイア駅はほんの少し離れているのだが、SNCFの駅の中にもバスク鉄道の券売機があり、時刻も表示されていた。

 切符はこちらで購入した。時刻は、完全に30分間隔でわかりやすい。

 Donostiaとは、バスク語でSaint Sebastianのことで、バスク語は地名がスペイン語などと全然違う場合が多いので注意が必要だ。
 
 SNCFアンダイエ駅舎。新駅舎の上部に旧駅舎を保存しているようだ。

 この写真の左手50mほどのところにバスク鉄道のエンダイア駅がある。
 
 バスク鉄道のエンダイア駅。SNCFアンダイエ駅の敷地の中に間借りしているようだ。

 フランス語のHendaye(アンダイエ)は、スペイン語ではHendaia(エンダイア)となるようでややこしい。
 
 10時3分発のバスク鉄道に乗車。6年前にビルバオ〜ゲルニカをバスク鉄道で往復したのだが、新車両に置き換えられたことがわかった。新車両は流線型で見た目がいい。
 
 座席の座り心地もよくなった。
 
 出発すると、すぐに国境の川を渡って、スペイン側へ。すぐ横の橋では工事をしているのだろうか。
 
 5分ほどで、2つ目の駅、イルン・コロンに到着し、下車。
 
 イルン・コロンの駅舎。ここからバスでオンダリビアに向かう。

 駅舎を出ると、大通りだが、イルンの街は、かなりにぎやかだ。フランス側でいえばバイヨンヌと同程度の規模の街の感じがした。
 
 オンダリビア行きのE25系統のバス。15分に1本程度はある。
 
 15分ほどでオンダリビアの中心部に到着し、下車。

 最近の建築のようだがバスク風に窓枠や雨戸を赤、青にしている。
 地図ではわからなかったが、向かったカルロス5世城やサンタ・マリア教会は高台の上にあった。緩い坂道をかなり歩かされた。
 
 高台からの眺め。湾のように見えるが、川の河口部で、対岸はフランスだ。
 
 カルロス5世城。10世紀ごろに造られたのだが、16世紀のカルロス5世によって修復されて、この名がついている。

 現在はパラドール(スペイン国営の城などを利用したホテル)として使われている。
 
 
 上左  パラドールの入口。ここというわけじゃないが、一度パラドールに泊まってみたいものだ。

 上右  アルマ広場。写真左側がカルロス5世城で、周囲には古い建築が並んでいる。

 左  広場の南側の家々。

 
 
 アルマ広場の1ブロック西のギプスコア広場。こちらも周囲に古い建築が目立つ。
 
 サンタ・マリア教会。かなり古そうで、15世紀の建築。ミサのときにだけ入れるようで、このときは入れなかった。
 市庁舎の壁面の装飾。

 下左  市庁舎は工事中だった。

 下右  市庁舎の前の坂道を下りていくと南の城門があった。写真は内側から撮影した城門。
 
初のバルめぐりはオンダリビアで
 スパニッシュバスクでの楽しみは”バルめぐり”。スペインのバルは軽食堂兼居酒屋だが、カウンターに並ぶ小さな料理が特徴。タパスと呼ばれることも多いが、バスクでではピンチョスと呼ばれる。カウンターにないピンチョスを注文して作ってもらうことも多い。バスクでは、何軒ものバルを回って、食べ、飲むという習慣が根付いている。今回の旅行はそれがひとつの目的だ。

 今回の旅は、フレンチバスクから始めたので、スパニッシュバスクでの”バルめぐり”はこの日が最初だ。オンダリビアでは、バルは、旧市街地から少し離れたサン・ペドロ通りの周辺にかたまっている。写真はサン・ペドロ通り。
 
 最初に行ったバルは、Bar Sardara(バル・サルダラ)。

 下左  12時30分の開店直後に行ったので、人気店だが店内にはほかの客はいない。

 下右  飲物はチャコリ。バスク産の度数が低い白ワインだ。
 
 
 カウンターにはピンチョスは置いておらず、メニュー表を見て注文する。創作ピンチョスがメイン。

 バルバラダ。

 タラの皮を揚げたもので、タラの身をはさんである。ケーキのようだ。

 ピンチョスのコンテストで優勝した品だそうだ。
 
 モリット。

 マンゴーやタマリンドをあえたものにハーブを置きパンではさんだようなもの。
 
 タコルーカス。
 
 たまねぎの千切りを甘辛く煮たものの上にクリームがのせてある。

 ピンチョスは1個4〜5ユーロが多く、全部で16ユーロ(約2000円)。
 
 続いて、Bar Gran Sol(バル・グラン・ソル)へ。建物の1階がバル。

 下左  ここはカウンターにピンチョスが少し置いてあったが、好みのものを注文した。

 自分の名前を聞かれ、注文の品ができあがると名前を呼ばれ、自分でとりに行く仕組みだった。

 
 
 
 上右  シードル。店では、サイダーと言っていた。リンゴから作るスパークリングワイン。

 左  シードルの注ぎ方は独特だ。瓶を頭上にあげ、そこから低い位置にあるグラスに入れるのだ。よく入れられるものだ。

 高い位置から注ぐことで、グラスに入るまでの間により多くの空気をとりこむことができ、味がよくなるからであろう。
 
 ミカ。

 クリスピーの上にエビの天ぷらが置かれ、その上に赤黄緑の魚卵や野菜が置かれている。一番上には花びら。

 ピンチョスのコンテストで優勝した品らしい。

 
 
 オンダリビア。

 トーストの上に、フォアグラ、その上にタラがたくさんのっている。そしてソースとオリーブ油をどばっとかけてある。
 
 料理名不明。盆の上にきれいなものを並べたような感じ。

 この店も全体で15ユーロ(約1900円)ほどだった。

 2つの店で3品づつ食べてお腹いっぱい。単純なのじゃなく、手の込んだ料理が味わえたのがよかった。
 
 食後は川岸にでて、少し散歩。遊歩道がなくなるところまで歩いた。

 下左  フランス側に渡るボートに乗船。16時発の便。

 下右  ボートの時刻表。左側がオンダリビア発、右側がフランス側からの発。
 
 
 オンダリビアを出発後、ボートは対岸をめざし、3分でほぼ対岸の岸まで到着。
 
 3分ほどでこのようなフランス側の小型船の停泊所に付き、さらに港の中を5分ほど移動し、フランス側に到着。
 
 掲示板では、ボートのコースが黄色で示してあった。

 下左  フランス側は別荘地のような感じ、人が多く集まるところはない。

 下右  川沿いに遊歩道ができている。
 
 
 アンダイエの街中にて。

 最近の建築だろうが、窓枠がバスク風になっている。
 
 1時間半歩き、17時40分ごろ、アンダイエの駅に到着。

 18時19分発のモンパルナス行きTGV。

 下左  18時19分発がこの日のバイヨンヌ方面の最終。

 下右  車両入口横の表示。
 
 
 席につくと、ちょうどリスボン行きの改札がはじまった。鉄柵でホームが分かれている。乗車する人は並んでいる。車両はRENFEの車両。寝台車だろう。
 
 2階席に乗車。

 サン・ジャン・ド・リュズに到着後、お腹もすいていないので、夕食はパスしてホテルに戻った。