3日目  山間の名刹と韓屋街を楽しむー華厳寺と全州

 

  明けて3日目、前日に華厳寺(ファオムサ)行き始発バスの時間は7時20分発と調べてあるので6時40分にアジア荘モーテルを出発。受付には人影がなく、キーを窓口に置いて出発。曇っていて今にも雨が降りそうな感じだ。

  ターミナルについて、まずは切符の購入。自動券売機になっている。6400ウォン。使い方も前日に他の人が使うのを見て予習してある。出てきた切符を見ると、座席指定まではしていない。次に朝食。食堂に入り、ウドンを注文。韓国では日本語のまま使われている言葉を韓国風に言い換える動きが進んでいるが、ウドンやオデンなどはすっかり韓国語にとりこまれてしまって、もはや言い換えはできないだろう。ウドンそのものも、トウガラシ粉がふりかけてあり、キムチもついてくるから韓国風のウドンだ。タクワンもついてくるが、こちらは言い換えの対象になっているようだ。

  食後は乗場へ。しばらく待合室で待つ。チュソク期間中であるので、行楽客が多いかなと思っていたが、自宅や実家でゆっくりすごす人が多いのだろうか。ターミナルの人出は多くない。

  バスもすいていて、乗客は10人あまり。ターミナルを出発して10分くらいたってから、光州市内の北部だと思うが、バス停に停車。ここで数人が乗車。このあとは、谷城(コクソン)まで1時間ほどノンストップ。

  谷城を出てからはしばらくの間、国鉄と平行して走る。どうやら順天(スンチョン)・麗水(ヨス)方面に向かっているようだ。順天までの距離表示のある標識があり、順天まで40kmだ。もうほとんど南海岸が近いのだ。この方面の旅も近いうちにしてみたいと思ったりしているうち、いよいよ華厳寺の表示があらわれる。

  やがて小さなバスターミナルに到着。ここで大失敗。バスが到着後、乗客全員が下車、運転手も下車。すっかり、ここが華厳寺のターミナルだと思ってしまったのだ。で、自分も下車。それで、帰りのバスの時間を調べておこうと切符売場にはってある時刻表を見た。そこで、おっと、しまったと判明。時刻表の行き先に華厳寺があるではないか。では、ここは一体どこ? ここは求禮(クレ)なんだ。すぐに乗ってきたバスに戻ったが、すでにバスはなかった。

 

  幸い、15分後に、ローカルバスがあり、850ウォンで切符を買いなおし、華厳寺に行くことができた。上の画像はローカルバス。華厳寺のターミナル?には9時15分に到着。ガイドブックではターミナルと書いてあるが、単なる広場があるだけで、ターミナルの建物はない。帰りは全州 (チョンジュ)行きに乗る。そのバス時間を見ると、11時50分か12時20分のバスが参拝と昼食を済ませてちょうど時間だ。

  参道を歩き出すとまもなく山門風のゲートがある。そこで国立公園入域料3800ウォンを払う。華厳寺の入場料はいらないので、これが入場料のようなものである。

  華厳寺にはこのゲートから1kmほど歩いたところにある。ゆるやかな上りになっていて、15分ほどで到着。下の山門が寺の山門。

  華厳寺で一番大きな建物が覚皇殿(カックァンジョン)。韓国で最大規模の木造建造物らしい。

その前にある四獅子三層石塔は、4頭の獅子の上に支えられた石塔で、この寺では、これが一番有名だという。

  

華厳寺の境内。しばらく休んでいたら、次第に参拝客が増えてきた。寺には40分ほど滞在して、下山した。

  バスターミナルに戻るとまだ11時前。11時20分にも全州行きのバスがあったが、バスターミナル前の食堂では、山菜料理が美味しいとガイドブックにあり、昼食をここで済ませていくことにした。

  ここでは少し贅沢して山菜定食(サンチェジンシク)を注文。スンドゥプチゲ、玉子焼き、ご飯のほかに、おかずが22皿。山菜中心の韓定食だと思えばよい。これだけで9000ウォンだから安いものだ。

  ゆっくり時間をかけて味わったが、さすがに全部を食べることはできない。それでも全部の皿に少しづつ手をつけた。ほとんど美味しいことは美味しいのだが、自分は山菜はキムチ風のものやコチュジャンであえてあるものなどよりも、あっさりとした味付けのもののほうが好みだ。

  1時間近くかけて食事し、すでに停車していた全州行きのバスに乗車した。全州までは8000ウォン。運転手に渡すが、切符は渡してくれない。乗客は自分ひとり。求禮からもうひとり乗車で2人。

  光州からやってきた道をしばらく引き返す。谷城からは、光州行きとは別の新しいルートになる。やがて南原。ここでバスを乗り換えるように指示を受けた。乗り換えたバスはすでに満員に近く、空席を見つけてどうにか着席。ここで切符を集めにきたので、どういえばいいかわからず、隣に止まっていた華厳寺からのバスを指差したら、理解してくれた。

  全州には14時少し過ぎに到着。全州は市外ターミナルと高速ターミナルが少し離れている。乗車したバスは市外ターミナルに到着。まずは荷物を宿に置いて楽になりたいので、バスターミナル近くのモーテル街へ。

  市外バスターミナルの北側には多くのモーテルがならんでいる。そのなかから、バスターミナルに近くて、外観のきれいだったシドニーモーテルを選んだ。3万ウォン。受付で歯ブラシなどをもらい部屋へ直行。

  昨夜泊ったモーテルと比べてずっと美しい、明るい、広い。そして、エアコンもきちんと作動しているし、飲料水のサービスもある。ずいぶん差があるものだ。窓から外を見ると、眼下には市外バスターミナルが広がる。

  時刻はすでに14時30分。早くしないと、全州で行きたいところが回りきれなくなる。また当初の計画では、翌日も午前中は全州の街歩きにあて、昼ごろのリムジンバスで仁川空港へ直行するつもりだったのだが、渋滞の危険を考え、早朝の高速バスでソウルに行くことにしたから、この日の18時ごろまでが勝負だ。

  だから、この日は休憩せずに、荷物を置いてすぐに外に飛び出した。市外バスターミナル戻るまでにタクシーを発見。すぐにつかまえて、国立全州博物館に向かう。

  博物館は市街地からは少し離れた市の南西の郊外にあり、20分ほどかかった。全羅北道の出土品がメインで、百済の仏教美術品などが多く、前日に訪問した光州の博物館とは少し様子が違う。

  急ぎ足で30分ほどで見学し、外に出るが、タクシーがなかなか見つからない。結局1kmくらい歩いて、ようやくタクシーに乗れた。次は、豊南門(プンナンムン)へ。豊南門からあたりは旧市街地で、ここからは徒歩で街歩きをする。

  全州の城門で唯一残っているのがここ。ほかに北、東、西にもあったらしいが現存していない。ソウルの南大門などと同様、道路の真ん中にあるのだが、小さな道路なので楽に門のそばまで行ける。ただし、門の上に上がることはできない。

  東に少し歩いたところに、殿洞聖堂(チョンドンソンダン)というカトリック教会がある。18世紀の朝鮮時代、カトリック信者の殉教があり、その場所に20世紀のはじめに建設されたという。

  殿洞聖堂のほぼ向かい側には、慶基殿(キョンギジョン)。朝鮮王朝の創始者、李成桂の肖像画を置くために、15世紀につくられた。このほかの王の肖像画や、肖像画を移送するために使われた籠などが展示されている。

  このあと、東学革命記念館と伝統酒博物館に行ったが、どちらもチュソクのためか休みだった。何やらお祭りのように賑やかな太鼓の音が聞こえてきた。伝統文化センターで古来からの踊りを見せていたようだ。

  この付近は瓦屋根の韓屋がたくさん残っている。高台から見るとそのことがよくわかる。しかし、全部の民家が韓屋というわけではない。画像は。梧木台(オモクデ)という高台からの眺め。

  丘を降り。道路沿いに歩いていても韓屋が並んでいる。瓦屋根は落ち着いた感じをかもし出している。

  さらに、全州郷校に行ってみたが、時間切れで入場することができなかった。それで、この日の観光は終え、夕食にすることにした。慶基殿や豊南門のところを通って、全羅北道庁のそばにある家族会館へ。だが、残念ながらチュソク休業のようだ。

  そのため、ほかの食堂で夕食。全州はビビンパブの発祥地なので、ビビンパブに決まり。

  全州にも賑やかな繁華街があり若者が多かった。でも、光州の繁華街に比べると、ちょっと寂し気がした。全州は光州よりも町の規模が小さいからだろうか。

  このあと、高速ターミナルに向かい、翌日のバス時刻を確認する。ソウル行きは早朝から頻発しているようなので、できるだけ早くターミナルに着くようにしよう。シドニーモーテルに戻り、シャワーのあと、早め休んだ。

 

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