7   チ チ カ カ 湖

 

  プーノはクスコより標高が高い3800mなので高山病が心配だったが、幸い、昨夜ホテルに到着した直後に少し頭痛がしただけであとはなんともない。でも、いつ苦しみに襲われるかわからないので、コカ茶をしっかり飲んでおいた。

  定刻よりも早く迎えの車がやってきて、いろいろなホテルを回って客をピックアップしていった。ホテルから港までそう遠くはないはずだが、かなり遠回りしてたので、20分くらいかかって港に到着。

  船にはすでに20人くらいの客が乗っていて、それに自分の乗ってきた車の数人が加わる。船にはガイドが乗っていて、スペイン語と英語で案内。ガイドは客に出身国を順番に言わせていった。日本からやってきたのは自分だけで、残りの多くは欧米人だったが、意外と南米のほかの国からの客が目立った。ブラジルやコロンビアからの客だ。

  船は30分ほどでウロス島に到着。ウロス島とはいくつかの島の総称で、これらの島は、トトラという葦を積み重ねてできた大きな葦船だ。島全体が湖に浮かんでいるのだ。歩くと、少しへこむ。トトラの厚さは3mくらいで、その上にトトラで作った家が建っているのだ。家の中には布団があるくらいで、家具類はほとんどなく質素な生活をしていることがわかる。

  はじめにガイドによる説明がスペイン語と英語であった。隣の人と喧嘩になれば、トトラを切って別の島にしまって別れることもあるとのことだが、冗談だか本当だか。

  そのあとで自由に見学だが、狭い範囲を動けるだけ。島の住民の暮らしは土産物売りでなりたっているような感じだった。それでも、売り子はそれほどしつこくない。

  しばらくすると客が買い物に飽きてきて、土産物売り場に寄り付かなくなってくると、売り子のほうも売場を離れて遊び出す子らもでてきた。

  希望者はトトラで作ったボートで別の島に渡り、そこから観光船に乗れるということだった。下の画像の上部に写っている島にボートで渡った。波もなくわずか10分ほどだったが、ボートといっても手すりなどがなく、姿勢を崩すと湖に落ちてしまいそうなので、なかなかスリルのあるボートだった。でも、ボートは頑丈にできていて、これだけ固くなるのかと思うくらい、トトラが固めてあった。

  やってきた島もまたトトラでできていて、歩くとへこむのは同じ。土産物売りが収入源になっていそうなのも同じ。ここで、少し土産物を買った。

  こちらでも島の中を少し歩いてみたが、すぐに見終わる。展望台のようなものがあったので、上ってみたが、下がトトラであるためか安定感に欠け、上で動くと台がゆれるので、すぐに降りた。

  ウロス島からはタキーレ島へ2時間30分の船旅。チチカカ湖は琵琶湖の12倍の面積がある大きな湖で、2時間30分かかっても、地図で見るとそんなに移動していない感じだ。

  最初は船の屋根に座って心地よい風を受けていたが、日差しがたいへん強いので船室に入った。気温は15度くらいでたいへん涼しいが、日差しが強いのですぐに焼けてしまうのだ。

  ときどき居眠りしながら船旅を続け、やがてタキーレ島に到着。到着の前に、ガイドから注意があり、自分たちはコンドルグループだという。移動はグループで一緒に移動とのこと。

  着くといきなり山道が待ち構えていた。30分ほど坂道を上り続けるのだ。湖岸が標高3800mとして、頂上部は4000mくらいありそうで、なかなかつらいものがある。時々、休みながら上った。ところが、休んでいるうちにガイドを見失ってしまい、やや不安になる。それでも、一本道なので、山道を上り続けた。

  ところどころで、島の子供に出会った。土産物を売っているようだ。

  湖の青さと空の青さを堪能しながら、島の頂上近くの広場に到着。

  広場の端の展望台からはチチカカ湖の眺めがいい。そこには、東京16335kmの標示があり、ああ地球の裏側近くまでやってきたものだと実感する。地球一周は40000kmなので、裏側までは20000km。東京までは、それに近い距離だ。

  広場でしばらく待っていたら、食事の用意ができたようで、コンドルグループの集合がかかる。ガイドに連れられて食事場所へ向かったが、まだ山を上った。食事場所のあたりが本当の頂上だった。

  メニューは、野菜のスープとマスの塩焼きだった。塩焼きはあっさりとした味付けだったが、隣り合わせた欧米人は味がついてないとか言っていた。

  1時間ほどのランチタイムのあと、しばらくフリータイム。湖や段々畑を楽しんだ。島の女の子を撮影。人づれしていない素朴な感じだ。

  いよいよタキーレ島から出発。船は食事をした場所の直下の港から出発だということだ。こりゃすごい石段だ。こちらの港から上がるのは大変なので、別の港から徐々に高度をあげて頂上にいたり、降りるときは一気に降りるといった感じだ。

  石段を降りるのは15分くらい。下の画像は船に乗り込んでから、頂上方面を望んだもの。

  プーノまで3時間の船旅。疲れて居眠りの連続だった。プーノに戻った頃には、すでに暗くなりかけていた。市内までは送迎の車があったが、どの車にのるべきなのかよくわからず、適当に乗車。いくつかのホテルで客をおろし、インペリアルホテルの近くでも降ろしてくれた。

  ホテルで少し休憩してから、夕食に出かけた。夜7時ごろだが中学生の下校時間だった。前夜も、プーノに着いたころに中学生が帰っていった。こんなに遅くに学校が終わるのだろうか。

  前日とは別の店に入った。インカコーラとチャイロスープ。かぼちゃ、にんじん、たまねぎなどとともに、ソーセージが入っているごった煮のようなスープだ。

  メインは、クイのグリル。クイは大型の食用ネズミ。皿から体が飛び出している。顔がはっきりしていて、目は閉じている。足の爪も残っている。食べるところはそう多くなくて、とても脂っこかった。あまりに脂っこいので、自分は二度と食べたくない。画像、左は解体の前、右は解体中のもの。

  クイが脂の多い料理だったので、口直しにフルーツポンチを注文。

  インターネット屋に少し立ち寄って、ホテルに戻った。ペルーでは、まだまだ日本語が使えるインターネットカフェはほとんどない。ホテルでは、シャワーを浴びたあとがたいへん寒かった。電気ストーブが入っているのだが、なかなか部屋が温まらないのだ。

 

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