3 日 目 前 半  小 金 門 島

 

  早いもので、もう台北に戻る日だ。帰国便は、翌日の午後の便だが、安全策でこの日のうちに台北に戻る。しかも、最終便をあてにしていて満席になっていた りすれば、目も当てられないので、15時ごろの便に乗ることにする。

  7時30分に、ホテルをチェックアウトし、この日は、荷物をかついで観光することにする。荷物をホテルで預かっておいてもらうことも考えたが、時間の関係でホテルに戻れないこともあるかもしれないので、、

  まずは、市場へ。路上や屋台の魚屋、肉屋、青物屋などを見て歩く。

  市場の出口にある邱良功母節孝坊のところには、シーサーのように獅子が置かれている。

  朝食は、昨日と同じく、広東粥に油条とする。ただし、別の店でだ。この日は、金門新興広東稀粥、というところ。

  昨日の店とは、少し味付けや具が違う。この日のは、魚でダシをとっているようで、あっさりめだ。それに、えびやあさりがわずかだが入っている。

  左は、油条を粥に浸したところ。値段は昨日の店と同じで、粥60元、油条6元。

  食べた店は模範街の端にあった。それで、模範街をまた通って、バスターミナルに向かった。

  下左は、模範街で見た砲弾型の店名標、下右は模範街にあった風獅爺。

  バスターミナルにやってきた。切符売場があったので、切符を買おうとしたら、乗るときに払うのだそうだ。

  だったら、切符売場なんて作るな、なんて思って見ていたら、ICカードの発行と増額処理は受けつけているようだった。

 

 

 

 

  バスターミナルの一角に、金城民防坑道展示館があったが、閉鎖されていた。

  金城鎮の中心部の地下にも防空壕用のトンネルがあるのだろう。だが、なぜ閉鎖されているのだろうか。一時的なものか、常時なのか。掲示はない。

  水頭埠頭に行く7番のバスに乗車。バスは新しいバスと古そうなバスがあったが、この系統は新しいバスのようだ。運賃12元。

 

 

 

  運転手の頭上の電光掲示板。「車上請勿飲食抽煙大声喧嘩」だと。 喧嘩でびっくりしたが、これは「飲食、喫煙、大声で騒ぐのはおやめ下さい」という意味。

   20分ほどで水頭埠頭に到着。大きなフェリーターミナルができている。これは、厦門行きのターミナルだ。ビルの1階がターミナル。

  小金門島行きの船まで時間があったので、厦門行のターミナルを見学しておく。

 

 

 

 

 

  ターミナルに入ると待合室。厦門に行く客が大勢。台湾人ビジネスマンらしき人もいるが、中国からの観光客のほうが多そうだ。

  出発ゲート。厦門行きは日中1時間おきにあるほか、泉州行きも1日に1便ある。

 

   金門・厦門間の時刻表。

  1日10往復あって、台湾側の船と中国側の船が5便づつらしい。

  思っていたよりも便数が多い。定員を足すと2000人以上になる。実際はその半分の乗船だとしても、予想していたより多い。それだけの需要があるってことだ。

  厦門行きは所要時間が1時間であるのに対し、金門行きは1時間10分。

  人民元の両替もやっていた。往来があるわけだから、当然といえば、あって当然だ。でも、こういう両替所があること自体が新鮮な感じだ。昔はありえなかったわけだし、、

 

 

 

 

 

  1台湾元は4円、1人民元は16円くらいの印象なので、この程度の両替率なのかなぁ。

  そろそろ小金門行きの出発が近づいてきたので、乗場に向かった。

  右は、小金門行きの待合室。

 

 

 

 

 

  内部の様子から、かつてはこちらが厦門行きのターミナルだったと思われる。

  待合室を抜けると、小金門行きの切符売場。48元(約190円)。日中30分ごとに、両方の港を出発するようだ。

  左が、小金門行きの船。50人乗りくらいの小さな船だ。

  もともと、2001年以前は、この港から出ていた船は小金門行きだけであって水頭埠頭も小金門行きの船乗場であるのが本来の機能だったはずだ。

  それが、今や、小金門行きは、港の片隅に追いやられて、厦門行きの大ターミナルができている。

  小金門側の船乗場。港以外は何もないところだと思ったら、九宮坑道への行き方が示してあったので、まず、行ってみることにした。

  道端にもスローガン。台湾本島では、もはや見られないスローガンが金門ではまだ残っている。

  「愛的教育 鉄的規律 軍令如山 軍紀似鉄」 

  九宮坑道。前日に行った翟山坑道 と同じく、上陸用の舟艇を隠していたトンネルだ。

  左は、船の入口。島の遠景が見えるが、金門島である。

 

 

 

 

  右は、船の入口から内部を撮影。

  九宮坑道は、翟山坑道よりは規模が大きい上、内部の構造が複雑になっている。

  左は、トンネル内の分岐箇所。

 

 

 

 

 

 

  外に出られるようになっていたので、出てみた。ここは舟艇の出口ではないようだ。

  青い部分がトンネル。見学できるのは、縦に陸地を突っ切っている部分。舟艇は、U字型に移動するようになっていたようだ。

 

 

 

 

 

  トンネルを出た先にあった漁港。そこに、バスターミナルらしきものがあったので、とまっていたバスに乗車。これが失敗だった。

  このバス、小金門の路線バスだと思ったのだ。どうしてかというと、バスターミナルらしき建物があって、そのそばに3台のバスが停車。しかも、このバスには06と系統番号らしきものが書いてある。だが時刻表などがない。

  ここが始発だから、まだ誰も乗らないのだろうとバスの中で待つこと20分。冷房がきいていて快適だった。

  運転手がやってきたので、湖井頭と紙に書いて示した。すると、、

  このバスは路線バスじゃないことがわかった。あぁ、恥ずかしい。こりゃ、港までまた20分ほどかけて戻らなきゃ、と沈んでいたところに、運転手は 追い討ちをかけるように、思いがけないことを言った。湖井頭は工事中だという。にわかには信じられなかった。

  バスターミナルと思った建物は、海産物センターだったのだ。バスは貸切の観光バス。

  再び、九宮坑道の中を通り、港に戻った。そして待つこと20分。ようやく路線バスがやってきた。1時間に1本のようだ。12元。

  この路線バス。とんでもないルートを走る。島の南端の港と北端の湖井頭を結んでいるだが、直線距離で5kmほどのところ、島の中をグルグル回るため、20kmくらい走る。湖井頭まで40分もかかった。

  途中、八二三砲戦勝利記念碑を見ることができた。

  すぐそばには、勝利門という名のついたゲートもあった。

  八達楼子。これもバスの中から見ることができた。

  この楼閣は、八二三戦役の際、砲撃戦の舞台となり、ここを死守したという。屋上には銃をもった兵士の像が置かれている。

  また、小金門島の中でもっとも標高の高い丘の部分も通過するのだが、そのわずか10秒ほどの間、厦門のビル群をかすかではあるが眺めることができた。  

  やっと湖井頭に到着。湖井頭戦史館へは100mほど坂道を上がる。門を入ったとたん、ガァ〜〜ン、、やはり工事中だった。

  あの間違って乗った観光バスの運転手の言ったことは正しかったのだ、、

  ここまでやってきて、、という思いはあったが、やむを得ない。敷地内の手洗いだけを利用して、引き返した。

  結局、湖井頭のバス停で、次のバスを待つことになった。バスの時刻表を見ると、バスターミナルを出発する時間が書いてある。

  乗ってきたバスの次のバスは1時間後。それまで、このバス停で過ごさなくてはならない。ちょうど昼どきだったが、近くに食堂らしきものはない。あきらめて、あと50分待つことにした。

  することなしに、ひたすら座る。普段はできない贅沢だと、あきらめて待つ。  

  ところが、30分くらいたったころ、まだ乗ってきたバスを下りて40分しかたっていないのに、次のバスが来た。どうして? と思ったが、この際、どうでもよかった。ラッキー。

  今度のバスも、さきほどの逆まわりで島の中をうろうろしながら回っていった。

  八二三砲戦勝利記念碑まで、やってきたとき、ここで下りて、歩くように指示された。このまま乗っていくと、バスターミナルで長時間停車してから、港に向かうことになるからだろう。

  下車したところから、港までは、小さな峠を越えなければならず、1kmほどあった。

  途中、巨大な、中華民国万歳の石碑があった。その前にはなぜかドラムカン。石碑の下にはシーサー。

 

 

 

 

 

   

  船は30分ごととわかっているので、港に急ぎ、ぎりぎり飛び乗ることができた。

  バスの乗り間違え、とんでもない遠回りをする路線バス、湖井頭戦史館の工事、と災難続きの小金門島だったが、それはそれで、後になれば楽しい想い出だ。

 

 

 

   上の画像には、たまたま兵士が写っているが、金門島では、いたるところで兵士をみかけた。兵士密度が相当高い島のようだ。 

  金門島に戻る船は結構、揺れた。なんとか水頭に戻れ、ホッとした。

  厦門行きの船が停泊中。小金門行きの船とは全然違う。 

  金城のバスターミナルに向かうバスは出てしまったところで、次のバスまで30分近く、再び、厦門行きのターミナルなどで時間つぶしをして待った。

  ようやく、バスが到着。港までの客が降りたあと、乗車してすぐに出発。

  すでに、13時を回っている。金城では昼食をとって、すぐに空港に向かうことにしよう。

 

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