12 日 目  ハ ン ピ (1日目)

 

 

 

夜行で到着後、休憩できぬままハンピに直行
 ホスペットに近づくと日が昇った。十分に眠れたわけではないが、座席の夜行バスに比べるとはるかに眠れてよかった。夜行寝台バスはさほど疲れず、利用してよかった。

 バスの行先はハンピだが、手前のホスペットで下車し、2泊する。そして3日目の夜に、再び、夜行寝台バスでベンガルールに向かう。
 6時すぎにホスペット到着。ハンピには遺跡があるが、そのほかは観光客向けのゲストハウスや食堂があるだけといった村だ。それで、手前にあるホスペットの街で泊まり、3日間、ハンピへ"通勤"することにしたのだ。

 バスはホスペットでは20分停車するようで、チャイの売り子がやってきていた。自分は下車したが、ほかに下車客はおらず、全員がハンピに行くようだ。
 
 2泊する「シャンバーグ・タワーズ・インターナショナル」。このホテルの裏手がバススタンドであるのが、選んだ理由。

 ここは2泊するが、予約は3泊分してある。ガイドブックに24時間制だと書いてあったためだ。7時ごろに着いたので、翌朝7時までで1泊、翌々日の夜21時までの利用予定なので3泊分予約しておいたのだ。

 ハンピの観光は2日間あれば十分だと思っていたし、実際そうだった。3日間とったのは、つぎの移動も夜行寝台バスなので、2日間だと、宿での泊りが1泊だけになり、体調維持の上から、2泊した方がよいと思ったためだ。

 十分に時間があり、むしろ時間を持て余すかもしれないと思ったので、この日は午前中はホテルで休憩し、午後からハンピに行き、少しだけ観光しようと考えていた。

 ところが、ホテルに着き、フロントでチェックインしようとすると、何と14時からしかチェックインできないと言われてびっくりした。それで、この宿は2000円台で、もう1泊分払っても、そう痛くないこともあり、もう1泊分払うので、チェックインしたいと言ったが、それもさせてもらえなかった。

 仕方ないので、荷物を預かってもらい、すぐにハンピに行くことにした。ところが、荷物預かりをしないというではないか。バススタンドで預かってもらえということで、バススタンドに向かった。

 ガイドブックに24時間制とあったのは誤りだったのだろうか。1泊分追加で払うといっても駄目だといわれたのは満室だったのだろうか。荷物預かりをしないホテルにも驚いた。ついでに書くと、予約もきっちり入っていないようで、予約していることを疑われた。ともかく、この一件で、このホテルの印象は最悪になった。 結果的なことだが、午前中休めなかったこともあり、体調を悪くしてしまうことにつながった。
 バススタンドには2、3分で着き、最初に荷物預かり所を探した。すぐに見つかり、預けて、身軽になれて、ようやくほっとした。
 ハンピ行きのバスは20〜30分ごとにあるようで、7時20分ごろのバスに乗れた。
 
 車内。左側にたっているのが車掌。
 
 8時ごろにハンピに到着した。村の中心にある広場に停車する。バス以外の車も止まっていて、駐車場という感じだ。
 
 ハンピでは、限られたエリアだけ、ゲストハウスや食堂、土産物屋などを営業することが認められているようだ。

 「チルアウト」というゲストハウスの2階に同名のカフェがあり、そこで朝食をとる。青い外階段から2階へ上がる。
 
 2階に上がると、履物を脱いで中に入る。腰を下ろしてくつろげるようになっている。

 電源コンセントもあり、夜行バスでスマートフォンをかなり使ったので、充電できてよかった。
 
 朝食メニューとして、インド風、英国風などいろいろあったがインド風にした。アルアロタまたはプーリを選ぶようになっていて、まだ食べてないアルアロタにした。

 小麦粉で作ったもので中にはじゃやがいものカレーが入っていた。ピザのように切ってあった。ヨーグルトとチャツネが上に置いてあった。
 
 飲みものは紅茶。

 食事後も、充電が終わるまでしばらくねばった。それでも、まだ9時なので、普通ならこれから宿を出発しようかという時間帯だ。
 ハンピの遺跡観光に出発。時間はたっぷりあるので、徒歩で回る。

 観光客だとわかるとリキシャが寄ってきてうるさい。インドに来て以来、最もリキシャがしつこい。それでも、ハンピは広いので、1日で回るのはリキシャが必須だと思うのだが、自分の場合はたっぷりと時間があるので、相手にしない。いちいち断るのは面倒なので、完全無視を貫く。

 最初に行ったのは、駐車場に最も近い寺院でもあるヴィルーバークシャ寺院。写真は入口。履物を脱いで入場する。

 この寺院は、ハンピでは唯一の現役のヒンドゥー寺院だ。
 
 入口を入ると中庭があり、さらに進むための門があった。

 下左  また中庭があり、そこに面して本堂がある。

 下右  本堂の屋根にある彫刻の中で中央にあるもの。至るところに細かい彫刻がある。
 
 
 本堂の中。一番奥に神様の像があるが撮影禁止。

 下左  境内には猿がたくさんいた。

 下右  象も境内にいる。
 
睡魔に襲われながら歩いてハンピ遺跡めぐり
 
 上  ハンピは14〜16世紀に南インドの大半を支配したヴィジャヤナガル朝の首都だったが、王朝が倒れたあと、ハンピは荒廃していった。

ヘーマクータの丘に上がる。上がり口はヴィルーバークシャ寺院の入口の横のほう。

 丘には寺院跡がいくつかある。

 左  岩山で大きな岩がゴロゴロとしている。ここは簡単に上がれた。
 
 
 上  ガネーシャ寺院。寺院群の1つ。左の建物の中にガネーシャ像が置かれている。

 左  正面から見たところ。
 ガネーシャ像。

 寺院跡だが、かつて信仰の対象になっていた巨大なガネーシャが残されている。

 ヘーマクータの丘を南側にはクリシュナ寺院などがあるが、翌日回わしにして、バス道を通って北側のハンピ村に下りた。

 下左  村の北東にあるマータンガ丘を経て、ヴィッタラ寺院を目指す。

 1kmほど直線の道を歩くが、炎天下で日をさえぎるものがなく、帽子と傘だけではつらかった。

 下右  細長い建物跡が道路に沿って残されていた。
 
 
 マ―タンガの丘の西の麓に交通警察の詰所があった。遺跡の建物を使っている感じ。
 
 マ―タンガの丘の上り口にあった建物の中には、ナンディと呼ばれる牛の像があった。

 このあたりで猛烈に眠たくなり、しばらく横になって休んだ。防犯上、よくないことだが、眠くてどうしようもなかった。
 
 マ―タンガの丘。大きな岩がゴロゴロしていて、上りにくそうだったので、上がるのをやめて、麓を歩いた。

 下  峠をすぎると、眼下に森に囲まれたアチュタラーヤ寺院が広がった。
 
 
 アチュタラーヤ寺院。

 ほかに人がいなくて、1人で見ることができた。

 下左、下右  寺院の中心部にあった建物。
 
 
 アチュタラーヤ寺院の長い参道を通って、ヴィッタラ寺院へ向かうルートに出た。

 しばらくは、ルートといっても道はなく、見当をつけて歩いた。小さな寺院がいくつかあった。

 下  池があり、ここをすぎると、川沿いの道に合流しヴィッタラ寺院に向かう。
 
 
 
  上左  ヴィッタラ寺院に到着。

 ハンピの遺跡の多くは無料だがここは有料。しかも外国人料金が600ルピー(約900円)と半端ない。同じ券で、同一日ならザナーナー・エンクロージャーと博物館にも入れるが、歩いて回る場合は、同一日は苦しい。

 上右  門を入ったところの中庭。

 左  最も興味深いのは、車輪がついた山車の形をした建物。
 
 本堂。複雑な形をしている。

 下左、下右  本堂の前室には、数多くの柱が林立し、それぞれに細かい彫刻が施されている。 
 
 
 再び、車輪のついた建物を観察し、ヴィッタラ寺院をあとにした。

 下左  川沿いの道を歩いて村に戻る。

 下右  途中、猿がたくさんたむろしていて、避けて歩くのに苦労した。
 
 
 ココナッツの屋台があった。村以外の場所では店を出すことができないはずだが、特別許可なのだろうか。自分にとっては助かった。

 下左  ココナッツジュースを飲みながら一休み。村までもう少しだ。

 下右  15時過ぎのバスでホスペットに戻った。9時から6時間、炎天下を歩いての観光が終わり、ヤレヤレといった感じ。歩いた距離は、遺跡敷地内も入れて10kmほどだが、移動中は山道もあり、結構ハードだった。
 
 
 16時ごろ、ホスペットに戻り、バススタンドで荷物を受け取って、ホテルに向かった。再度、チェックイン。今度は鍵を渡され、部屋に入った。

 何だかうす暗いし、換気が悪いためか、少しカビくさい感じがする。

 冷蔵庫があったのは予想外だったが、中を開けてびっくり。いつから掃除していないのか、汚れているだけじゃなく、以前の客が入れたままの食べ物が入ったままだ。コードを探して、電源を入れないと使えないが、電源を入れる気にすらならならなかった。水は予想通り置いてなかった。
 
  部屋の入口に向かって撮影。ベッドをよく見るとわかるが、ダブルベッドの幅があるように見えるが、実はシングルベッドが並べてあるだけなのだ。とても寝づらいので、別のホテルで以前、部屋替えをしてもらったこともある。でも、このホテルは、そんなことで部屋を替えるようなホテルじゃなさそうなので、あきらめた。

 写真にはエアコンが写ってるが、リモコンは渡されず、利用はできない。この旅行で最初に泊ったカニャークマリのホテルと同じやり方だ。ファンを最強にして使い、がまんした。
 
 シャワーとトイレ。床が濡れている。掃除をしたあと、換気がよくないから乾いていないのだろうが、気分は最悪になる。

 このときには気づかなかったが、ホットシャワーは、湯がほとんど出ず、使いものにならなかった。湯が出ないというクレームは何度も言ったことがあるが、今回ばかりは、わざわざ言いに行くのが面倒なのであきらめた。

 タオルは使い古しのパシパシになった薄いもので、できれば使いたくないようなタオルだった。これを濡らして体をふいてシャワー代わりにした。

 トイレは使用後、水が漏れてくるし、夜になるとゴキブリがでてきていた。

 設備とサービスの両面で、このインド旅行で泊まった宿の中でもワースト1のホテルだった。

 この旅行では、1000円台から9000円台までの宿を利用したが、エアコン、冷蔵庫、ホットシャワーなどの設備が使えて、部屋がきれいであるのを条件とすれば、少なくとも5000円台、できれば6000円台以上の宿を選ぶのが無難のように思った。東南アジアの場合は、2000〜3000円台でも、そこそこ快適な宿の場合も多いのだが、インドでは期待できないことを実感した。そのかわり6000円台以上のホテルを選んだ場合、同じ値段の日本の宿と比べて、広さは2倍以上の広さはあると感じた。
 
 3時間ほど休憩。遺跡観光中も眠かったくらいなので、ぐっすり眠った。起きたあと、夕食に出かけた。

 ホテルはライトアップされて、この街ではほとんどない7階建ての建物で立派に見えるのだが、中身がともなってない感じ。
 
 ホテルのそばの交差点付近には牛がうろうろしていた。飼牛なのか野良牛なのか不明で、飼牛だとしても飼主らしき人はいない。
 
 ホテルとは交差点を中心にして点対称の位置にある「シャンバーグ ホテル」に入店。ホテルを名乗っているが、ここは食べるためのホテル。でも、泊まっているホテルと同名なので、経営母体は同じグループ企業なのだろう。
 
 店内。かなりにぎわっていた。
 
 ミールス。

 ターリ―(大皿)の上にバナナの葉を広げて、その上にカトリを並べている。インドでいただいたミールスの中でも、見栄えは一番よかった。
 
 翌々日の夜に再び夜行寝台バスに乗ってベンガルールに向かう。その乗場を見に行った。ホテルから数分歩いたところに、ちょうどバスが停車していて確認できた。

 先ほど見た牛が、別のところに移動していた。

 
 
 
 上左  ホテルに戻り、エレベータに乗って部屋へ。エレベータからは外が見える。写真はエレベータから見た、ホテル内の吹き抜けのホール。1階で人が立っていると頃がフロント。

 上右  このエレベータだが、移動する階を"スイッチ押し人"に伝えて、その人が押してくれる仕組みだった。朝も昼も夜も同じ人だった。

 左  3階から見たエレベータ。

 

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