17 日 目 ベ ン ガ ル ー ル
インド国鉄の2等車とベンガルールメトロに乗車 |
この日は国鉄でベンガルールに向かう。ベンガルール行きの列車は8時20分発が便利だと前々日に駅に行って確認していた。 1時間前に駅に着くようにしようと、7時にホテルをチェックアウト。すぐにリキシャを見つけて乗車。 |
5分ほどで駅に到着。切符売場はすいていて、2、3人待っただけ。 鉄道はケララ州で2回乗車しているが、2回ともスリーパー(簡易寝台車)を昼間の座席利用で乗車した。そのときに、スリーパーはそこそこ快適だが、2等はものすごく混雑しているのを見ているので、今回もスリーパーでベンガルールまでと申し出た。 ところが、スリーパーの切符を売ってくれないのだ。何を言っているのかも不明で、出された2等の切符を買った。 |
ベンガルールまで150kmほどあるが、2等だとわずか80ルピー(約120円)で120ルピーだったローカルバスより安い。 ケララ州で2回乗ったスリーパーは、距離は今回より少し短いが、125ルピーだった。 |
出発までまで1時間ほどあるが、乗車列車が入線してきた。電光表示で「A」となっているのは、日本では「1番線」で、入口を入ってすぐのホームだった。 下 長い編成で、ケララ州の時と同じく、22、3両つないでいる。でも、大きく異なる点があった。ケララ州で乗った2本は、2等が1両、スリーパーが十数両、エアコンつきの2段、3段寝台や個室寝台などが合わせて数両だったが、今回はオール2等車なのだ。 |
出発まで、たっぷり時間があるので、編成の一番後ろまで行ってみた。最後尾には電気機関車がついていた。この時は後ろにも機関車がついて後からも押すのかなと思った。 駅名の看板を見ると、カンナダ語、ヒンディー語、英語が書いてある。それに、この駅も大駅なので、「ジャンクション」がついていることもわかった。 |
適当なところで乗車する。全部が2等車なのでどこで乗ってもよい。 この駅で見かける客車は、クリーム色にエビ茶色の帯が入っているものと、青と薄い水色のもので、この列車も、この2種類の車両が混じっていた。 |
一瞬、スリーパーと同じじゃないかと思った。 でも、すぐに違いがわかった。1人席の側は、スリーパーだと上段の寝台があるところが、荷物棚になっている。それに、1人席の幅がスリーパーよるも少し狭い。 |
小部屋のようになっている側も、スリーパーでは上段の寝台になっている部分が荷物棚になっている。 窓の間にある白いのは電源コンセントで、2等でもついているのは驚き。よく見ると、コンセントの部分はあとで付け足したような感じだ。 |
さらに、小部屋の部分は、スリーパーだと3人席が向かい合っていたが、2等車では4人席が向かい合っている。背もたれの上についているのが、座席番号の札で、4枚ついていることからわかる。 下 先ほど、編成の最後尾についていた電気機関車が前方へ行った。先頭につけるのだろう。だが、この機関車だが、両側に運転席がついていることと、機関車にしては1両の長さが長いことにが珍しいと思う。 |
上 別の列車が出発。これもオール2等車で、2等車が22、3両つなかっていた。 青と薄い水色の車両は、薄い水色をクリーム色にすれば、日本の”スカ色”とほとんど同じだと思った。 左 いよいよ出発。×印は編成の一番後ろを表している。 |
途中駅では、線路から客が乗ってくることもあった。 ホームが写っているが、このホームに駅舎があり、跨線橋がかなり離れたところにあった。それで、この駅では、線路から乗る客が多いのだろう。乗車した区間は複線なので、列車頻度も多く危険だ。 |
向い合せで定員8人だが、だいたい4人程度の乗車だった。短区間乗車も多く、客は次々に入れかわっていた。 ケララ州で乗ったときのように2等車が1両では大変なことになるだろう。 車内販売がやってきた。いろいろ売っていたが、細長いものがマサラドーサだというので、買ってみた。 |
買ったままの状態。焼きたてを積みこんでいるのか、かなり温かい。 |
紙をはがすと、アルミホイルに包まれた状態のものがあり、写真はアルミホイルをはがした状態。 クレープ状の皮の中には、じゃがいものカレーが入っていた。車内で食べることを考慮して、水分は少なく、カレー味のポテトサラダの感じだ。 |
マサラドーサの下にはペースト状になったスパイスが塗り付けてあった。普通ならスープカレーのようなものをつけて、食べるが、車内ではそれができないからの代替策だろう。 |
1時間30分ほどでベンガルールに到着。150qほどあるので、そこそこ速い。 |
跨線橋に上るための階段にはエスカレータがついていて、荷物を持っているとありがたい。 跨線橋は、駅舎の側とは反対側へ歩いていく。メトロの駅が駅舎の側と反対側にあるためだ。 |
跨線橋から見たベンガルール駅の駅舎とホームの屋根。 駅舎の向こう側には、ベンガルールのメインのバス乗場であるケンペコウダ・バスステーションがある。(インドではバススタンドという言い方が多いが、ケンペコウダはバスステーションを名のっている。) |
跨線橋は、途中からメトロ完成とともにできたと思われる新しい部分になり、そこはインドらしくないきれいさだ。 跨線橋の新しい部分を200mほど歩く。 |
ベンガルールメトロの「 シティレイルウェイステーション」に向かうが、駅舎にいる場合やグリーンラインに乗車するときは、「ケンペコウダインターチェンジ」に向かう方が便利そうだ。 |
「シティレイルウェイステーション」に到着。 ベンガルールメトロは、2011年にパープルラインの郊外の高架区間の一部が完成、2016年に都心部の地下区間が完成して全通、グリーンラインは2017年に全通したもので、一部区間だけなら少し年数を経ているが、全通となると、コーチのトロよりわずかに早い完成だ。 |
上 運賃図。先にコーチのメトロに乗車しているので、すぐにコーチよりも安いと思った。後で乗ってみて、大体コーチの方が2倍ほど高いと感じた。 どちらも初乗りが10は同じだが、コーチは10づつ増えていくが、こちらは細かく上がっていき、遠方ほど割安な感じ。 左 コーチと同じく窓口で買う。下車するカボンパークまで18ルピー。 |
上左 自動改札。プラスティック製のトークンをかざして入る。 上右 トークン。 左 ホームはさらに1階分下がったところ。 |
ホーム。 |
パープルラインに乗車。 |
ドアが開く寸前。 |
車内。着席できなかったので、ドア横で立っていた。 正午前なのに、かなり混雑している。コーチのメトロはいつ乗っても、すいていたのだが。しかも、コーチは4両編成なのに対し、ベンガルールは8両編成なのに。ベンガルールとコーチでは都市の規模がかなり違うので、そうなるのだろう。 |
10分ほどでホテル最寄駅のカボンパークに到着した。この駅を出ると、すぐにメトロは地上に出て高架鉄道にかわる。 駅名標は、カンナダ語と英語で、ヒンディー語はない。 下の方に、「高圧線があるので線路に入らないように」という注意書きがある。ここのメトロも第3軌条方式なのだとわかる。 |
カボンパーク駅の地上の出入口。ここから歩いてホテルに向かった。 東西線といえるパープルライン、南北線といえるグリーンラインともに、都心の4qほどが地下鉄だが、そのほかは高架鉄道で、高架部分の方がずっと長い。 |
トヨタ自動車の子会社運営のホテル「チャンセリー」 |
前々日、旅立つ前に予約していたホテルをキャンセルし、新たに予約を入れたホテル「チャンセリー」に到着。 この旅行で最後のホテル泊なので、体調がよくない中、エアコン、冷蔵庫、ホットシャワーなどが必ずある宿に泊まりたかったので予約しなおしたのだ。 このホテルは。トヨタ自動車の完全子会社「トヨタエンタプライズ」が運営している。「トヨタエンタプライズ」は、ビル清掃、人材派遣、保険代理店、社員食堂、警備などの事業を行っている。海外事業は、このホテルの運営のほかインドネシアでの駐在者・出張者向けサービスを行っているようだ。 トヨタはインドでも現地生産を行っているが、工場はベンガルールにある。数多くあるトヨタの現地生産国の中でもインドはホテル事情がよくないので、インハウスのホテルを運営しているのだろう。 この旅行で日本人と出会ったことはこの日まで皆無だったが、翌日の朝、レストランやロビーで見た客のほとんどは日本人だった。しかも服装などから、観光客ではなく、トヨタか他の日本企業の出張者だろうと思われた。 |
ホテルにやってきたのは11時30分ごろだった。フロントには、日本語のできる係はいなかったが、日本人向けの対応に慣れているようで、2分ほどでチェックインでき、部屋へ。 この旅行で、最高の宿泊費9000円台のことだけあって、部屋は、この旅行では一番よく、日本で泊まっている感覚だ。日本で9000円台のホテルに泊まった場合に比べても、倍近い広さだ。 |
窓側から入口側を見た状態。 右側に写っている窓は、向こう側がバスルームで、スタイリッシュなホテルではよくある形だ。 この旅行に限らず、宿でテレビを見ることはあまりないのだが、このホテルは当然、NHKの海外放送が見られたので、久しぶりにテレビを見た。 |
ユニットバス。旅行中、バスのあるホテルもあったが、汚れていたのでシャワーだけしか使わなかった。ここで、この旅で初めてバスを使った。 バスがあっても、トイレと隣り合う場合が多くてあまり気分はよくないのだが、ここはうまく離しているのもよかった。 窓の向こうは客室。 |
この旅に限らず、めったにお目にかからないシャワートイレがついていた。今まで泊まった宿の場合、ついていてもボタンの説明は日本語だったが、初めて英語の説明のものを見た。 この旅では、ほかの宿にも、ハンドシャワーはついていた。 |
一定レベル以上の宿では当たり前にあるアメニティ類だが、今回の旅では、これだけあるのは初めてでうれしかった。 下左 今回の旅では石鹸はあまりよくないものが多い印象があったが、ここはかなり良いものが置いてあった。 下右 スリッパは今回泊まった宿のうち2軒では置いてあったが、薄っぺらで使いづらく、ずっと関西・シンガポール間の飛行機のスリッパをずっと使い続けていた。ここはそこそこ分厚いスリッパが出てきたので利用した。 |
2時間弱、部屋で休憩。ゴア以来7日間、ずっとエアコンなしの宿か夜行バスだったので、久しぶりにエアコンの心地よさを味わった。 ホテルの玄関を入り、左手にフロントがあり、右手には「ジャパンデスク」がある。写真が「ジャパンデスク」。 日本人の様々なリクエストにこたえるコーナーのようだ。ここで、翌日の空港までの車を依頼しておいた。 |
ホテルの中に日系レストラン「祭」があり、ここで昼食をとることにした。 海外では和食はほとんど食べないのだが、カレー系の食事がのどを通りにくいので、和食を食べてみたくなったのだ。 下左 生ビールが飲めるので注文。銘柄は何かわからなかった。 |
上右 箸と箸置きに日本を感じる。 左 ビーフステーキ定食を注文。 メニューを見ていたら、ビーフステーキ定食があったので、”インドで牛肉が食べられるとは!”と思い、これに決めた。 |
かなりボリュームがあったが、完食。美味しかった。味付けもいいし、肉も柔らかくてよかった。それにしても、インドに来て、まさか牛肉が食べらるとは思ってもみなかった。 |
ベンガルール街歩き |
昼食後、ベンガルール街歩きに出かけた。 翌日は、夕方から空港に向かうので、ホテルの徒歩圏内を中心にし、この日は、メトロを利用して出かけることにした。 カボンパークからパープルラインでケンペコウダ・インターチェンジへ。そして、グリーンラインに乗換え。 |
グリーンラインもまもなく地上に出て、そのまま高架鉄道になった。 高架駅であるラールバーグで下車。 |
ラールバーグ植物園の入口がすぐにある。 |
公園内。都心部にある広大な植物園でにぎわっていた。 |
ホテルがあるのは、ベンガルールでも”山手”のエリアだが、こちらは”下町”のエリア。 牛も時々見かけ、ここでは、野良牛か飼牛かはわからないが、ごみ箱をあさっていた。 |
大きな菓子屋。 |
ブル寺院の麓に到着。牛の角だろうか。この参道を上がっていく。 下左 ブル寺院。 下右 本殿の中にはナンディーの像がある。 ナンディーはオス牛でシヴァ神の乗物とされているのだが、ここではナンディーが祀られていて、珍しい寺院だ。 |
メトロのグリーンラインが地下鉄から高架鉄道に変わる部分の横を通りかかった。 |
道端で竹かごを編んでいる人たちがいた。この付近では何人もいたので、この地の伝統工芸なのかな。 |
ティプー・スルタン宮殿。 マイソール王国のティプー(シュリーランガパトナで戦死した碑を前日に見たばかり)の夏の宮殿。17時30分までの開館なのだが、到着したのが17時35分で入れず、門の外側から撮影。 |
ケンペコウダ・バスステーション。 メトロでケンペコウダ・インターチェンジへ移動。地上に出るとすぐにある。とても大きなバスステーションで、慣れないと利用しにくそうだ。 |
ベンガルール・シティ駅の駅舎。 朝、マイソールからこの駅に到着したが、そのときは駅舎とは逆の方向に歩いて、メトロの「シティ・レイルウェイステーション」に向かったので、駅舎を見に行った。 |
駅舎の中。 このあと、「ケンペコウダ・インターチェンジ」に戻り、メトロのパープルラインに乗車。 |
ホテル最寄のカボンパークで下車せずに、もう1駅先のMGロードまで行った。(MGとはマハトマ・ガンディーのこと) カボンパークを出てすぐに、メトロは地上に出て、すぐに高架鉄道になり、MGロードに到着。 駅を出ると、すごい行列。保安検査に時間がかかるために、行列ができていたのだ。 |
MGロード駅の周辺は繁華街。ホテルの近くより飲食店が多いので、夕食をMGロード駅のあたりで食べて帰りたかった。 写真で駅と高架のメトロが写っている。 だが、食べたくようなものが見当たらず、もう一度引き返して店を探す元気もなく、ホテルの方向へと歩いた。 |
上左 ホテルの近くまで歩いてきたが、これといった飲食店がなかった。 たまたまスターバックスがあり、テイクアウトして、部屋食することにした。 上右 アイスティー。 左 サーモン・クロワッサンサンド。 |
ハート形のケーキ。 間もなくバレンタインデーだったので売っていたのかな。 部屋でいただいて、久しぶりにエアコンのある部屋で気持ちよく快適に休むことができた。 |
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