2 日 目 縄 文 杉
4時に起床し、縄文杉トレッキングのための服装をととのえ、荷物を確認する。4時25分、宿の玄関においてある弁当2個持って出発。 「仲医院前」で待つ。いったん安房港へ向かうバスを見送り、2、3分後に戻ってきたバスに乗車。4時41分発のまつばんだ交通の「屋久島自然館」行バスだ。 |
4時48分、屋久杉自然館着。ここで、前日に買ってある乗車券を座席券に引き換える。5時のバスの券が手に入れるため、引き換えの場所に行くと、和えなく5時40分のバスに。4時48分に着いたバスの全員が、5時40分のバスになった。以前は5時20分にもバスがあったのだが、今はない。写真は5時のバスに乗車する人たち。 |
上 荒川登山バスの乗車券。左側は協力金の領収証。登山バスの乗車券は行き帰りの区別はない。 左 5時40分発の座席券。昨日、ここで聞いた話の通り、5時発のバスは、現地ツアーや個人でガイドを手配した人たちがガイドの車でやってきて、それで満席になっていた。 |
5時40分のバスを待つ。その間に、朝食の弁当を食べておく。 この間に、屋久杉自然館行きの2便目のバスが到着。こちらできた客は4、5人で、自分の乗ったバスできた客に比べるとずっと少ないが、登山バスは同じになる。 |
5時40分発の荒川登山バスがやってきて乗車。 バスには空席が少しあった。このバスには、自分を含めガイドをつけない客がおもに乗っている。 |
バスはどんどん高度を上げていく。 下左 6時15分、荒川登山口到着。 下右 荒川登山口バス停。 |
帰りのバスは、最終便は屋久杉自然館からの接続がないので、17時のバスにどうしても乗らねばならない。 |
トイレを済ませておく。このあとトイレは限られた場所にしかない。携帯トイレを持参してるが、これは万一の場合用。 6時20分、歩行開始。1分もたたないうちにトロッコの車庫があった。トロッコは木材輸送の仕事がなくなったあとも、トイレの糞尿の輸送などに使われ続けている。 |
右手にトロッコの車庫がある。ここからトロッコの線路を8km歩く。全体で片道11q歩くのだが、最初の8kmがトロッコ道、あとの3qが登山道だ。 下 登山コースの断面図。大株歩道入口までがトロッコ道。300mを8kmかけて上る。大株歩道入口からは450mを3qで上る。トロッコ道区間はウォーミングアップみたいなものだ。 |
縄文杉まで往復10時間程度かかるというのは本当だ。自分の場合は、10時間20分。 縄文杉から遅くとも午後1時に引き返すようにとのことだが、自分は12時20分に引き返し、4時間20分かけて帰った。午後1時は初心者の場合は遅すぎると思う。 |
歩きはじめると、ほどなくトンネルがあった。トンネルはここ1ヶ所だけ。 |
橋を何度か渡らねばならない。橋には両側に柵がある場合と、この写真のように柵がない場合がある。柵がない橋は、高所恐怖症の人にとってはかなり厳しいと思う。自分も少し怖かった。大体、橋は長さ10〜20mで、川からの高さは10mほど。 |
滝のようになっている箇所があり、うまく水を頭上を通して、歩いている横を流れ落ちるようにしていた。涼しくてよかった。 |
この橋を渡ると小杉谷集落。橋の中には、ここのように安心して渡れるようにしてある橋もあるが、例外的。 |
小杉谷小中学校跡。真中に横に高くなった箇所があるが、その上に校舎があった。1970年に閉校。 小杉谷は林業基地だったが、林業の事業所が閉鎖されたためだ。1960年ごろには人口500人ほどの集落だったが、廃村になった。民家の跡などはよくわからなかった。 |
小杉谷まで2.6qで45分。7時5分。 トロッコのレールがカーブしているが、小杉谷小中学校の前で線路がほぼ90度、曲がっているのだ。民家跡は森にかえっている。 |
上左 二代杉。倒木や伐採された杉の切り株から別の杉が育ち始め、積み重なって育った杉。何か所かで見た。 上右 勾配が少し急になってきた。 左 楠川別れ。ここから白谷雲水峡方面への道が分岐している。小杉谷から1.6km、30分(登山口から4..2km、1時間15分)。7時35分。 |
トロッコのレールがたくさん放置されている箇所があった。 トロッコの走る沿線は、人工林だ。伐採されたあとに育った森。今回のコースで、原生林は縄文杉の付近だけだ。 |
三代杉。一代目は1500年前に倒れ、その倒木から育った二代目は350年前に伐採され、その切株から三代目が育っている。 楠川別れから1.0km、20分(登山口から5.2km、1時間35分)。7時55分。10分休憩。 下 三代杉の案内板より。8時5分出発。 |
1ヶ所だけ、トロッコ道か離れて、左側の短絡コースを歩いた。トロッコ道が「つ」の字型になっているのだ。 距離は短くなるが、急崖を上がるので、大変だ。 |
崖上に出て、再びトロッコ道を歩く。この付近はトロッコ道の勾配も急になっている。 |
仁王杉。寺の門の横によくある仁王像に似ているところから仁王像と呼ばれる。実は、もともとあった仁王杉は2000年の台風で倒れ、近くにあった似た杉を仁王杉と呼ぶようになったとのこと。 |
大株歩道入口に到着。建物がトイレで、ここが最終のトイレ。 トロッコはこのトイレが終点になっている。トイレの糞尿をトロッコ輸送しているためだ。 |
ここからが本格的な登山道になる。このような階段がかなり整備されているとはいえ、大きな石の上や木の根がたくさんある歩きにくい箇所も多い。トイレは橋を渡った先にある。 ここでトイレを入れて15分休憩。8時55分に到着。三代杉から50分、2.7km(登山口から2時間35分、8.1km)。9時10分出発。この時点で登山口出発から2時間50分。 |
上左 すぐに岩の多い急斜面を上る。 上右 名前はついていないが、"双子杉"って言ってもよい杉。"双子杉"と呼ばれるものは別のところで見た。 左 木の根と倒木でとても歩きにくい。 |
翁杉。この杉は2010年に倒壊し、下のほうが一部だけが残っている。もとは縄文杉についで太い巨木で有名だったとのこと。 |
ウィルソン株に到着。大株歩道入口から、わずか0..8kmなのだが、40分かかり、9時50分着。 巨大な切株で、大株歩道の名前に由来にもなっている。樹齢2000年ほどの杉で、300年ほど前に伐採されたという。江戸時代によく伐採し、またそれを下まで運んだのはすごい。1914年に米国人植物学者のウィルソンが見つけたので、ウィルソン株と呼ばれている。 |
切株の下には大きな空間があり、中に入った。中には祠があった。 |
上を見ると、特定の場所から見た場合だけ、上がハート型に見える。 写真撮影もあり20分休会して10時10分出発。 |
上左 ウィルソン株をすぎると切株や石がとても苔むしている。湿度が高いのだろう。 上右 ウィルソン株からは、さらに勾配が急になる。大きな石や木の根のはる斜面を上がるのはなかなか大変。 左 40分ほど歩きベンチのある場所に10時50分に到着。 |
縄文杉までまだ少しあり、時間も昼には少し早いが、ベンチのあるこの場所で弁当を食べる。 ここでは20分休憩し、11時10分に出発。この時、雨がぱらついてきて、防水ジャケットと防水ズボンを着用。リュックに防水カバーをつけた。傘は危ないので、使わなかった。 |
上左 大王杉。縄文杉が見つかる前は最大の屋久杉と思われていた杉。 上右 夫婦杉。2本の杉が繋がているのだが、うまく撮影できていなかった。 左 ついに縄文杉の展望台に上る階段に到着。展望台は2つあり、先に左の北側への階段を上った。階段に着いたころ、雨は本降りになった。 |
上左 縄文杉の展望台に着いたのは12時。登山口から11.2km、休憩時間込み5時間40分かかった。 上右 さらに階段を1階分ほど上ると上の展望台がある。こちらの方が少し縄文杉に近く、縄文杉の太さが実感できる。でも、太いとはいっても、ただの木ではある。 左 上の展望台から下の展望台を見る。 |
続いて、下から見て右側の展望台に上がってみた。こちらは、縄文杉と展望台の間にある別の木の枝が邪魔をしていて、少し眺望がよくない。 縄文杉の滞在時間は20分ほどで、12時20分、下山開始。上ってきたのと同じ道を下っていく。 |
上左 ほどなく雨はやんだが、水たまりがあって、歩きにくい。 上右 木の根を乗り越えて行く箇所などは滑りやすくなっていて、大変だった。 左 トロッコ道に出た。14時30分。縄文杉から2時間10分かかった。上りも、ここから縄文杉まで2時間10分と同じ、下りはより慎重に歩いたためだろう。ここからは2時間ほどで登山口に戻れるだろう。 |
トロッコ道を歩いていてやくざるに遭遇。木の上にいるやくざるを見ることができ、ラッキー。かなり小さいさるだ。 |
小杉谷の少し手前に営林所があったことを示す碑があった。屋久杉の切株でできている。 下左 小杉谷小中学校跡に入ってみると、閉山50周年記念碑が最近建てられたようだ。 下右 トロッコ運転中に点灯する信号。このときは点灯していない。 |
荒川登山口に16時40分帰着。下りは4時間20分、出発からの所要時間は10時間20分だった。 |
帰りの乗車券を座席券に引き換える。 |
朝、荒川登山口まで乗った登山バスは、まつばんだ交通の運行だった、が、帰り、屋久杉自然館までのバスは屋久島交通の運行だ。 |
屋久杉自然館から安房のバス。安房から歩いて宿に向かった。 |
18時すぎに宿に戻った。朝、出てから13時間30分の縄文杉トレッキングだった。 夕食。ビールがうまい。 下 上段 左からトビウオの煮つけ、刺身、天ぷら。 下段 おから、豚焼肉、天つゆ。 |
ご飯、すまし汁、漬物、お茶。 屋久島旅行の最大の目的の縄文杉トレッキングが無事に終り、ほっとした。こればかりは、あと何年かしたら、もう行けなかったと思う。ぎりぎりいことができてよかった。コロナ禍がなく、海外旅行を続けていたとしたら、縄文杉行きたいって思った時には、もはやいけないってことも考えられる。今回行けて、本当に良かった。 |
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